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平井雷太『ニュースクール時代の到来』(「今日の名言・その18」)

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平井雷太『ニュースクール時代の到来』(「今日の名言・その18」)

平井雷太『ニュースクール時代の到来』(「今日の名言・その18」)

2022/05/23

 ニュースクールには
 入学式も卒業式もありません。
 ニュースクールには
 知識を持っている者が 
 知識のない者に情報や技術を伝達する
 上意下達的なシステムもありません。
 ニュースクールでは
 誰もが先生であり、誰もが生徒なのです
 だから、ニュースクールには
 押しつけも命令も強制もないのです。

 ニュースクールには
 学びたいときに学びたい者が 
 学びたい人と学ぶシステムがあるのです。
 また、学びたくないものを
 学びたくない人と学びたくない人から
 学ぶシステムもあるのです。

 ニュースクールの学び方は
 セルフラーニングです。
 しかし、セルフラーニングは
 一人ではできません。
 ネットワーク的なつながりの中で
 いったい自分って何者なんだろうと
 模索することに興味ある人が
 さまざまな人たちと出会う中で
 セルフエディティング(自己編集)しながら
 さまざまな自分と出会って行くのです。

 すでにニュースクール時代は始まっています。
 学校にこだわりながら
 学校にとらわれない人たちが
 自分にとっての学びとは何かを求めて
 動き始めているからです。(1990.10.14)

 

※平井雷太「ニュースクール時代の到来」
(前日10/13に日仏会館で行われたカトリーヌ・ベイカーさんの講演を聴いて浮かんだ詞)

 

らくだメソッドの開発者によって書かれたこの詞は、

1990年という、30年以上も前に

書かれたものなんですが、

いまの時代に読んでもまったく古さを感じません。


近年、「自分の好きなこと、やりたいことを

見つけなさい」と言われることが多くなりました。

 

たしかに、その方がやる気が起きるし、

モチベーションも上がるという面は

ポジティブにとらえてよいでしょう。


でも、子どもや若年者の場合、

「好きなこと」や「やりたいこと」といっても、

過去に体験している量自体がそれほど多くなく、

体験していないことの方が

圧倒的に多いわけですから、

ただ単に「自分の好きなこと、学びたいことを

学びたい人から学ぶ」だけでは、

結果的に、自分の世界は

どんどん狭くなってしまうことを

わたし自身の経験からも感じています。

 

脳はもともと飽きっぽいくできていて、

やる気というのはなかなか長続きしません。

 

平井さんは、やる気には2通りあって、

「短期的なやる気」と「長期的なやる気」があると

いわれているんですが、

自分の世界や可能性を広げていきたいのであれば、

短期的なやる気に振り回されないこと、

自分の興味関心だけで学ぶ対象を選ばない姿勢も、

大切だとおもうのです。

 

なぜなら、組織というものは、

基本的に似たもの同士の集まりなので、

自分にとって興味関心のある情報は、

とくべつ意識していなくても

自然と集まってくるでしょうし、

〝違いと出会う〟体験は、ふだんから

意識していないと自然には起こりませんから。


「ネットワーク的なつながりのなかで

さまざまな人たちと出会い、自己編集しながら

さまざまな自分と出会っていく」というのは、

いま、ここにいる現実の自分を

そのまま受け入れていくことであって、

現実を見ずして、遠い理想を求めて彷徨う

「自分探し」の姿勢とは、似て非なるものです。
 

4/24に書いた

セルフコーチング時代の到来

という記事では、為末大さんの書かれた文章を

ご紹介したこともありました。

 

らくだメソッドが、コロナ禍によって到来した

オンライン、リモートワークの時代においても、

修正や変更がほとんど必要なかったことを考えると

最初からコロナ禍後の時代までを見越して

設計されていたかのようにおもえてきて、

平井さんがいかに時代の先を見越して

教材をつくられたか、驚きを禁じ得ません。

 

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