寺子屋塾

起業のポイント・その6「出会ってもらえるきっかけづくり」

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起業のポイント・その6「出会ってもらえるきっかけづくり」

起業のポイント・その6「出会ってもらえるきっかけづくり」

2022/09/15

木曜はマネジメント関連の記事を投稿しています。

今年は寺子屋塾を起業して28年目なんですが、

起業前、起業後にわたしが行ったことの中で、

こうして28年間継続できている要因は何だったのか、

わたし自身が重要だったとおもうポイントについて

ふりかえりながら整理してきました。

 

この記事は8/11から書き始めているので、

今日はその6回目となります。

 

前編までの5記事を未読の方は、

まずそちらから先にご覧下さい。

 

その1「自前の情報メディアをもつ」
その2「やりっ放しにせず総括し記録を残す」
その3「ひとりだけでやらない」

をの4「未来デザイン考程とトータルゲーム」

その5「適切なサイズの問いを立てる」

 

また、起業して3年経過した時点で書いた原稿を

一昨日投稿した記事 一人ひとりが未来の創造者 に

紹介したんですが、この原稿に書いた内容は、

今日これから書く内容にも深く関連し

また、先週までに書いてきた5回分の記事内容の

おさらいにもなりますので、ご覧になった上で

以下の文章をお読み頂けると助かります。

 

 

さて、7年勤めた進学塾を退職し

1992年春に上京し、マクロビオティックの

日本統括本部である日本CI協会で働き始めたわたしは

東京生活2年目の秋、1993年10月に

ピアノ教師・久良木ルリコ先生の紹介でお見合いして

その1ヶ月後に婚約、何と3ヶ月後には結婚式を挙げ

四日市に新居を構えることになります。

 

起業のポイント・その3に起業は、

結婚生活のスタートと同時だったと書きましたが、

時間かけて綿密に計画を立ててのことではなく、

本当になりゆき任せのことで、

いやはや、いまおもいだしても

冷や汗が出てきてしまうほど無謀なスタートでした。

 

もちろん、進学塾を辞めたときから、いずれは

自力で塾を経営したいという想いはあったので、

塾経営のガイド本や、自分で塾を経営している人の

体験記などを読んだりはしていたんです。

 

でも、結婚したいという願望はありましたが、

お見合いする前の時点では、

自分みたいな学歴も貯金もなく、

ちゃんとした仕事に就いていない人間が、

当面結婚なんてできるわけがないと

おもいこんでいたところもありますし、

自分で塾を経営するというのは

もう少し先のことだと考えていました。

 

婚約した時点において、

東京にそのまま残り、仕事に就いて働くという

起業以外の選択肢もありましたし、
起業のポイント・その1

10名ほどの人に相談した話を書きましたが、

起業以外の選択肢も含め話を聞いて頂いてました。

 

でも、おもいがけず早く結婚が実現してしまい、

後に引けなくなった部分も正直あったんですが、

今やりたいことを先延ばしして

別のことを始めてしまうと、

その別のことのキリをいかにつけるかを

考えなければなりませんし、

結局のところ、妻になる人に

いろいろ自分の夢を語っているうちに、

いずれ自分で何かを始めるつもりでいるのなら

いっそ、このタイミングで始めてしまった方が

たとえ見切り発車であっても、

その方がいいかもしれないとおもえてきたのです。

 

それで、その時の自分の能力、立場を活かして

できることは何でもやるしかないと腹を括り

らくだメソッド指導者の資格を得ていたことと、

日本CI協会で仕事をしていたお陰で

オーガニック食品に詳しくなったことや

オーサワジャパンムソーなど食品を扱う卸ルート、

オーガニック食品関連の人脈も活かして

自宅の一室を教室兼お店とし、

ライフスタイルショップ「楽食」

セルフデザインスクール「らくだ塾」

という2つ異なるものを合体したスペースを

同時に運営するアイデアをおもいついたのでした。

 

でも、起業した時点のわたしは

マクロビオティックにはのめり込んでいたものの、

物販の仕事がやりたかったわけではなかったし、

自然食品のお店も、らくだメソッドの教室も、

生活していくために、とりあえず

できることをやるしかないという姿勢だったので、

自分が本当にやりたいことではなかったのです。

 

らくだメソッドについても、

正直、どんな可能性があるのかが

わたし自身よくわかっていなかったからで、

起業したときの本心を言うと、

生活の中での食の大切さが学べる

食育塾のようなことをやりたかったのです。

 

今の時代であれば、そういう教室も

事業として成り立つかももしれませんが、

30年前の当時、そんな教室に

月謝を払って通って下さるような人などなく、

社会的ニーズ自体がないことはわかっていましたし、

進学塾で7年間、小中学生を指導した経験があり、

勉強を教えることについては

それなりに自信をもっていましたから、

まずはそこから始めようと。

 

ビジネスとして始める以上、

まず、求められているニーズに対して

満たせることが何よりも前提条件であり、

自分の伝えたいことややりたいことを

どう実現していくかは、次の段階のことですから。

 

それに、前記した「食育塾のようなこと」という

言い回し自体、

自分のやりたいことというのが、

まさに、何となくの漠然としたイメージでしかなく

実現するための方法手段も持っていなかった証しで、

その当時の自分は、

食を通じて最終的に何を大事にしたいのかまで

しっかり掘り下げられていなかったんですね。

 

今の時代だったらインターネットがあるので、

オーガニック食品の情報について触れる機会も

昔とは比較にならないくらい増えたんですが、

1994年当時は、そうした食品の

物流もあまり整っていなくて、

無農薬野菜のセットや無添加食品なども

どこにいても簡単に手に入るような時代ではなく、

たとえば、福岡正信さんの自然農園産の蜜柑とか

とても珍しいと言って喜ばれましたし、

それなりに価値がある仕事ではあったわけです。

 

とはいえ、らくだメソッドの教室というのは、

それほど知名度が高いわけでもなく、

三重県内では初めて誕生した教室で

セルフラーニングという学び方についても、

けっしてオーソドックスなやり方ではなく、

わたし自身の実績があるわけではありません。

 

いわゆる進学塾でも補習塾でもなく、

しかも、不登校のお子さんばかりを対象にした

フリースクールというわけでもなく、

個別に異なるニーズに対応していくやり方なので

対象者を絞るわけにいかず、

生徒募集についても難しいところがあったのです。


でも、教材を開発された平井雷太さんから、

東京の平井さんの教室すくーるらくだの近くにある

自然食品店に教室のパンフレットを置いてもらったら、

結構問い合わせがあったという話を聞いたことがあり、

自然食品を扱うお店とらくだメソッドの教室を

一緒に運営するというアイデアは、

らくだメソッドのような学び方に関心を持つ人々は、

オーガニック食品に関心を持つ人々と

重なってるんじゃないかという仮説から

導き出したアイデアでもありました。

 

つまり、前に「見切り発車」という言葉を

わたしは使いましたが、

必ずしもネガティブな意味合いばかりでなく、

自然食品のお店も、らくだメソッドの教室も、

自分が本当にやりたいことではなかったにせよ、

その、まだ自分に実現できていない、

自分が本当にやりたいことと出会ってもらうための

きっかけにはなっているはずだと。

 

オーガニック食品というのは、

らくだメソッドのような学習に

興味関心を持つ層の人たちにとっての

入口としての役割を果たし、

また、その逆も然りということです。

 

読書会つんどくらぶでもお題本として取りあげた

藤田一照さんの『ブッダが教える愉快な生き方』には、

〝オーガニック・ラーニング〟という言葉があり、

今のわたしなら、自分のやりたかった学びの場は

コレなんだと言語化できるようになったんですが。

 

自然食品の販売は、一般の食品に比べて利が薄く、

世の中全体から見たらマイナーな存在ですから、

そのマイナーな商品を必要としている人を

いかに開拓していくかに知恵を絞る必要があり、

教室とお店の両方を継続していくことは

経営的にはタイヘンで険しい道のりでしたが、

起業して1年が経過した翌年2月には、

在籍する塾生の数も30名を超え、

それなりに継続してやっていける見通しが

立ってきたのでした。

 

とりわけ、らくだメソッドについては、

起業した時点では、正直わたし自身が

その価値をよくわかっていなかったところもあり

教室をやりながら、塾生たちのめざましい変化を

目の当たりにすることになり、

また、指導者であるわたし自身の成長や

意識改革をももたらすという意味でも

非常に希有な教材であることが、

実際にやってみてだんだんわかってきたのです。

 

何せ、コツコツやることや、

複数のことを同時並行的に進めてゆくことが

苦手だったわたしが、

今のようにそれほど苦痛を感じることなく、

いろんなことをコツコツやれるように

なってしまったわけですから、

28年間指導してきて一番変化したのは、

指導者であるわたし自身なのかもしれません。笑

 

それで、オーガニック食品の物販については

だいたいわたしが当初に予想していた通り、

時間の経過にともなって物流も情報も次第に整い、

わたしが続けなければいけない理由も乏しくなって、

起業後5年が経った時点で、発展的に

楽食のお店を閉じることができましたし、

また、起業した当初に構想していたような

食育のためのプログラムや学習ツールを

別に用意しなくても、

らくだメソッド自体を活用することで、

日本人の生活風土に則した教育というテーマを

実践していけることも見えてきたのです。

 

起業のポイント・その7(最終回)へ続く

 

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月曜:今日の名言
火曜:生活デザイン、ヘルス関連
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