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闇雲に問題を数こなせばいいってわけじゃない!(その1)

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闇雲に数こなせばいいってわけじゃない!(その1)

闇雲に数こなせばいいってわけじゃない!(その1)

2022/10/15

土曜はらくだメソッド関連の話題や
塾生の書いたblog記事の紹介などしています。

昨日の記事で予告したんですが、今日は
無意識に身体の操縦権を委ねることの大事さを

らくだメソッドの学習では

どのように実践しているかということや、

そうしたテーマと関連する諸々のことについて

書いてみようかと。

 

昨日の記事に書いたんですが、

らくだメソッドには合否を判断するために、

すべてのプリントに設定されている

めやす時間でできて、ミス3つ以内

という基準が設けられているんですが、

少ない学習枚数でスッと合格していく人と

何枚も繰り返してやっても

なかなか短くなっていかない人がいます。

 

たとえば、この小4-15プリントは、ご覧のように

3けた÷2けたのわり算の問題が64問並んでいて、

めやす時間が12分に設定されているんですが、

このプリントが何の苦も無くスッとやれて
1枚目のプリントで合格できる人は

大人の人も含め100人に1人ぐらいしかいません。

 

「小4の壁」「9〜10歳の壁」

という言葉を聞かれたことがある方も

いらっしゃるかとおもいますが、

算数・数学でつまずいている人は、

大人も含めそのほとんどが、

この小学校4年で習う2けた以上のわり算が

なかなかすんなりとできないんですね。

 

では、この課題にどうアプローチしていけば

いいのでしょうか。

 

らくだメソッドに2けたの割り算のプリントは

全部で10枚あります。

正確には小4-6と小4-7の2枚が2けた÷2けた、

小4-8から小4-15までの8枚が3けた÷2けたで、

この10枚は問題数がすべて64問、

めやす時間もすべて12分に設定されています。

 

こんなふうにたくさんの問題が並んでいると、

こういう計算問題のようなものは、

とにかく、たくさんの問題にあたって

数こなせばできるようになるんじゃないかと

考える方がいらっしゃるかもしれないんですが、

実はそういうわけではないんですね。

 

らくだメソッドではわり算のプリントが

どのようにつくられているか、

具体的な中味についての話をするよりも前に、

この課題に対してどうアプローチするかという

明確な戦略をもって臨むことの大事さという話を

少ししておきたいとおもいます。

 

山口周さんと楠木建さんの対談本

『「仕事ができる」とはどういうことか』に書かれた

島田紳助さんの「若手芸人は努力するな」という話を

引用して紹介しますので、読んでみてください。


(引用ここから)

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山口:2011 年に芸能界を引退された島田紳助さんが、吉本の若手に対して明確に言っているのは「努力するな」ということなんですね。その発言がDVD(『紳竜の研究』2007年製作/アール・アンド・シー)にも残っているんですけれど、ここで言う努力とは漫才やコントの稽古ということですね。若手は不安でしょうがないのでじっとしていられない。すると何をやるかというと、やたらと漫才の練習をしちゃうわけです。だけどそんなことは紳助さんに言わせたら順番が違うと。「どうやったら売れるか」という戦略のないままにひたすらに漫才の稽古をする、そんな不毛な努力をするならまずは「笑いの戦略を立てろ」と紳助さんは言っている。お笑いというのはマーケットであり、実は競合がいるんだと。紳助さんの当時だとB&Bだとかツービートだとかオール阪神・巨人といった面々がいるなかで、彼らがお笑いのマーケットでどういうポジショニングを取っていて、自分の笑いのセンスや見た目だったら、誰のポジションの近くだったら取れるか、芸能界でどこのポジションが狙えるのかと、それだけを考え続けろと言っているんですね。

 

楠木:なるほど。

 

山口:紳助さんが実際に何をやったかというと、まずは売れている芸人の漫才をすべて録音して書き起こして、どこでどうボケて、どうツッコミ、どういう種類の笑いを取っているのか、ということを分析していく。すると「落ちのパターンは8割一緒」「つまらないネタを直前に入れると面白いオチが光る」といった具合に言語化が可能になるんですね。紳助さん自身は「お笑いには教科書がなかったので自分で教科書をつくろうと思った」と言っていますけど、もう完全に笑いの経営学なんです。だけど、それをほかのみんなはやらない。なぜかというと、努力していると安心するからです。

 

楠木:鋭い。

 

山口:漫才の練習をしているとなんとなく前に進んでいるような気がして安心する。確かに、それで多少は漫才がうまくなるということもあるでしょう。ですが、自分がお笑いタレントとして本当の意味での生きていく場所を見つけないことには、職業として続けていくことはできないわけです。紳助さんの場合、その努力のレイヤーというか、努力の質がほかの芸人さんたちとは違っていたと思うんですね。

 

楠木:だからスキルを身につけていく努力と、センスに至るまでの…それを努力と言うかどうかは別にして、そこはやっぱり違いがあると思うんですよね。

 

山口:「センスに磨きをかけていく」という、やっぱり紳助さんが言っているのもそこにつながることだと思うんです。だから、自分の持っている間合いとか、話し方とか、見た目とか、お笑い芸人として自分をどうプロデュースするか、という視点ですよね。自分自身はどこだったら勝てるのか、それをもう意図的に自分らしさを磨いていくということが、ほかの人から見たら努力に見えないかもしれないけれども、そっちのほうが本当の努力なんだと。だから、お笑いタレントとして一流になりたければ、「ひたすらに漫才の練習をする」というわかりやすい努力ではなく、その上位のレイヤーにある「お笑い芸人としての戦略を考える」という努力をやりなさいということを言っているんですが、これはお笑い以外の世界で生きている、私たちのようなビジネスパーソンにとっても示唆に富んだ話だなと思うんですよね。

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(引用ここまで)

 

この続きは明日に。

 

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