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「見えた 何が 永遠が 〜立花隆 最後の旅 完全版〜」を見ました

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「見えた 何が 永遠が 〜立花隆 最後の旅 完全版〜」を見ました

「見えた 何が 永遠が 〜立花隆 最後の旅 完全版〜」を見ました

2023/01/24

火曜は生活デザイン・ヘルス関連の記事を

投稿しています。

 

昨年末の大晦日にNHK-BS1で放映された

『見えた 何が 永遠が ~立花隆 最後の旅 完全版~』

を見たんですが、立花さんのいのちの捉え方に

興味深い視点があったので、今日はそのことについて。

昨年4/30にNHKスペシャルで放映されたとき、

うっかり見逃してしまっていたので、

再放送を心待ちにしていた番組です。

 

しかも、NHKスペシャルのときは

49分だったのが、今回の再放送は99分の拡大版で

副題に「完全版」と付されていました。

 

立花さんの濃密な80年余の人生を

さらにギュッと煮詰めたような番組だったので、

到底このようなblog記事1回分だけで

すべて書き尽くせるようなものではないんですが、

強く印象に残った言葉、フレーズを

3つだけ挙げておこうとおもいます。

 

 

ひとつめは、立花さんの著書の出版に

編集者として長年関わられていた

文藝春秋社の元社長・平尾隆弘さんが言われていた

「見当識」という言葉です。

 

「見当識」とは、もともと医学用語で、

自分が誰で、今どこにいて、今がいつなのかを

把握する能力を示す言葉とのこと。

 

立花さんは、これを人類全体に当てはめ、

自分たちは何者であり、

宇宙や世界はいつどのように始まり、

未来はどうなるのかを探ろうとしていたんだと。

 

 

2つ目は、「いのち連環体」

 


人間は不死ではありません。

死すべき運命にある存在だけれども、

それを自覚することで、

その運命を乗り越えられるのではないか。

つまり、人間の弱くて限りある命は単独ではなく、

他のいくつもの限りある命に支えられている。

周囲に支えられて存在するという意味において、

「いのち連環体」という大きな“わっか”の一部であり、

そういう連環体が連なって、

大いなるいのちの連続体をなしているんだと。

 

番組では、松江文学学校で講演されたときの

立花さんの肉声を収めた録音テープが

紹介されたんですが、

そこで語られた竹やぶの話は、

「いのち連関体」の実例として挙げられた

わかりやすいたとえ話といってよいでしょう。

「竹やぶって何だか知っていますか?

竹は全部、地下茎でつながっているんです。

竹がある山は、ひと山全部ひとつの植物なんです。

人間の知的な営みも、

実は地下でつながっているんです。

みんなの頭の中にあることは、

どこかであなたの頭に

何らかの形で取り込んだわけですね。

人間の知識の体系みたいなものも、

そういう風につながっているんです」

 

 

3つめは、東大で講演されたときの

教養についてのお話。

 

「現代社会において、最大の問題は、

あらゆる知識がどんどん細分化し断片化し、

ありとあらゆる専門家が、

実は断片のことしか知らない。

専門家は総合的に物を知らない。

それが現代における最も危機的な部分であるから、

断片化した知を、総合するという方向に

いかなければいかない。

自分を教養人に育てられるかどうかは、

自分自身の意思と能力と努力次第なんです」

 

そうです。

立花さんのこの話には、

わたしがいつも教室で塾生たちに話している

読書は、知識や情報を頭に詰め込むのでなく、

得た知識を素材に思考し、統合していくこと。

一人ひとりが学び、自分のアタマで考え

自立していくことが大切という考えと

つながるものを感じました。

 

 

ちなみに、立花さんが東大駒場祭で講演された内容は

こちらのページで全文読むことができるだけでなく、

当日参加者に配布された116頁からなる

ボリューム満点の講義資料もダウンロードできます。

 

また、NHKのwebsiteに49分版の番組内容を

画像付きで時系列にまとめた記事が

アップされているので、見逃した方は

こちらのページをアクセスしてみて下さい。

 

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