寺子屋塾

自覚の手段としての毎日学習(つぶやき考現学 No.84)

お問い合わせはこちら

自覚の手段としての毎日学習(つぶやき考現学 No.84)

自覚の手段としての毎日学習(つぶやき考現学 No.84)

2023/03/01

「毎日書く」を前提に決めていなければ、
毎日書けない現実に突き当たったときに、
書けない自分に対して
「どうして書けないんだろう?」という
〝問い〟は浮かばないし、
〝できない自覚〟は生まれません。
 
でも、この〝できない自覚〟さえあれば、
自ずと〝できる〟に向かって行くので、
目的はなくても全然かまわない・・・いや、
なくてもかまわないし、
目的を掲げて未来に置こうとすることで、
かえってその目的が
行動の邪魔をしてしまうことがあるのです。
 
〝毎日書く〟と決めることと、
〝毎日書く〟を目的にすることの間には、
「毎日書いている」という状態を、
いま、ここにある〝現在〟に
置いているか、
まだやってきていない〝未来〟に
置こうとしているかの違いがあるんです。
 
1年前には1年前がいまであったように、
10年後には10年後がいまになるわけで、
常に〝いま〟しかないはずなのに、
「毎日書いている」を
未来に実現すべき目的として掲げることは、
「毎日書いていない」ことを
無自覚のうちに前提としてしまうわけで。
 
いまよりも未来の方に意識が向いてしまうと、
未来に掲げられた目的が
現状を覆い隠してしまいがちで、
いま取り組むべき課題を未来に先送りし、
「毎日書いていない」状態を
そのままで善しとしている自分を
見えなくしてしまうのです。
 
また、そういうときに、
「これからは頑張ります!」といった
決意表明をしがちですが、
そのような決意表明をすること自体が
余分な力が入っている証拠でしょう。
 
なぜなら、生きるということは
決めるという宣言をしたり、
決意表明をしたりしなくても
もともとそのままで、
一瞬一瞬が選択の連続のはずだからです。
 
自分で決めているようでいて、
実は決めていない、
あるいは、決めていないようで
実は他でもない自分が
「できない」と決めてしまっている・・・
 
けれども、わたしの場合、
こうして毎日Facebookや

blogで記事を書き続けられるのは、
意思が強いからでも
頑張って努力しているからでもなく、
自分の意思の力を信じていないからなんです。
 
人は「意思の力さえあれば何とかなる」
と考えがちですが、
たいていは大脳思考の錯覚というか
落とし穴に嵌まっているので、
何とかしようしたところで
何ともならないことがほとんどでしょう。
 
つまり、「これからは頑張ります!」
という決意表明は、たいていの場合、
現在より未来の方に意識が行ってしまっていて、
いまの自分をちゃんと見ていない表れで、
殊勝な姿勢のようにみえてその実
過去や現状を卑下することで、
自分の成長幻想だけを
維持しようとしているわけですから。
 
よって、そのことに自分で気づかないと、
何度も決意表明を繰り返すことになりがちで、
「おかしいなぁ、おかしいいなぁ」とおもいつつも
具体的にどうすれば、
そのような決意表明を
しなくてすむようになるのかには
意識がなかなか向かって行かないのです。
 
とくに、「自分はできる」
「自分は分かっている」とおもっている人、
いままで力業だけで頑張ってきた人や、
向上心のある人が陥りやすい罠でもあります。
 
では、どうすればよいか・・・
それをひとことでいえば〝自覚〟
つまり、いまの自分をつねに観ようと、
現状を把握する姿勢を止めないこと・・・

これに尽きます。
 
つまり、「毎日書く」は
目的にはなり得ず、あくまで
〝自覚〟の手段なのですから・・・
 
「自分は何も分かってない!」
「自分には見えていないところが
まだまだたくさんある」と自覚しながら、
自分の至らなさにおもいを馳せ、
いまの自分に見えていない〝自分〟を知るために、
自分の知らない〝自分〟と出会うために、
淡々と書き続けようとしてみることですね。(2019.4.13)

※井上淳之典のつぶやき考現学 No.84

※冒頭の画像は韓国出身のビデオアーティスト

 ナムジュン・パイク(白南準:1932〜2006)

 の作品『TV仏陀』

 

COMMENT:

寺子屋塾で学習スタイルは

〝セルフラーニング〟と言っているんですが、

この詞の「書く」という部分をそのまま

「プリント」に読み代えていただければ、

イメージできるかもしれません。

 

ダイエットとか、英会話とか、

皆さんが毎日やろうと決めていることでも

何でも構わないのですが、

学習していることのひとつは、

「(自分で)コツコツ〜しつづける」という術を

いかにして身につけるかということです。

 

でも、「三日坊主」というコトバがあるように、

コツコツやり続けることが

一番効果的なことだと頭でわかっていても、

身体はそのようにはなかなか

動いてくれないところがありますから、

世の中的にはなかなかの難題というか、

いまこの文章を読まれている皆さんも、

自分で決めたことが、決めたように

やり続けられなかったという体験は

多かれ少なかれ

お持ちなのではないでしょうか。

 

結局、講演会に参加して良い話を聞いたり、

さまざまな書物で有益な知識を得たりしても、

それをいかに実践するかという段になると、

そこには、やはり大きなハードルが

あることが少なくないようで。

 

つまり、「頭」と「身体」の間にある溝を

いかに埋めるかというのは、

多くの人間にとって普遍的で

重要なテーマのひとつと言ってよいかもしれず、

逆に言わせていただくなら、それだからこそ

当塾のような学びの場に

存在価値があると言えるかもしれません。^_−☆

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
寺子屋塾に関連するイベント案内

3/18(土)『世界は贈与でできている』読書会 第7回

3/19(日) 第22回 経営ゲーム塾B
3/25(土) 未来デザイン考程ワンディセミナー

3/26(日) 第10回 易経初級講座

4/2(日) 映画「VOP予告編2」ビデオ上映会
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。