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セルフコーチング時代の到来

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セルフコーチング時代の到来

セルフコーチング時代の到来

2022/04/24

一昨日からこのblogでは、

 

らくだメソッドと他の教材との違いについて、

その違いのなかでも、

とくに、なぜらくだメソッドでは、

押しつけ、強制、命令をしなくても、

生徒が自分からすすんで学ぶようになるのか、そして

なぜ、学力が身につくことを目標に掲げなくても、

やっていくことで学力が自ずと身につくのか

について書いています。

 

一昨日の記事では、
2005年3月に実業之日本社より出版された

平井雷太さんの著書

『子どもがみるみる自分から学び出す らくだ学習法』

の内容をご紹介しながら、

結局そのポイントは、

自己管理ができるようになっていることにあって、

自分が今、どんな状態にあるのか、

次に何をやればいいのか、それを判断するための

情報(たとえば時間)を持っていれば、

自分の内側から学習動機が起こるので、

らくだ教材では、その情報を提供できるんだと。

 

また、昨日書いた記事では、

平井さんが主宰されるすくーるらくだの塾生向けに

1991年12月15日に発行された『らくだ通信』の

後半部分をご紹介しながら

自分で採点することの大切さに触れました。

 

子どもが自分で丸ツケを

正しくできるようになることは

易しい課題ではありません。

 

でも、難しいからといって

採点を先生に任せてしまうよりは、

たとえ、最初から正しくできなくても、

自分でやってみる体験を重ねていくこと自体が

とても大切なプロセスなのです。

 

そのプロセスにおいて、

自分が今、どんな状態にあるのか、

次に何をやればいいのか、それを判断するための

情報を自分で手に入れられるという意味で、

自分で採点できるようになることは、

難しい、タイヘンな道のりではあっても、

それだけの価値あるチャレンジだとおもうからです。

 

平井さんは、

セルフラーニングの目指しているものは

「見直し能力(=答えを見ないで自分の間違いを

発見する能力・自己チェック能力)を育成すること」

であること。なぜなら、

自分で自分の問題に気付き、

自分で自分のプリントに×をつけることが

次への飛躍につながることになるからだ、

書かれていました。

 

この文章が書かれた1991年の時点で

この話にすぐピンと来た人は

正直ほとんどいなかったんじゃないかとおもいます。

 

そして、いまのタイミングで、

自分で自分の問題に気付くことが

なぜ大事なのか、

また、それが次の飛躍につながるとは、

いったいどういうことなのかピンと来る方も

もしかすると、それほどいらっしゃらないのかもと

おもいましたので、

この辺りの話をじっくり考えるうえで、

とても良い素材となる文章を

モト陸上選手の為末大さんが、

4/8にFacebookに投稿されていましたので、

以下にそれをご紹介しようとおもいます。

 

ちなみに、今年の1月下旬に為末さんが書かれた

blog記事「自己責任論と社会責任論」をめぐって、

4回にわたって記事を書いたことがあり、

その記事のなかで、為末さんがそこに書かれた内容と

当塾の学習プログラムとが

どのように関連しているかについても

言及したことがありますので、

なぜわたしがここで為末さんの文章をご紹介するのか、

唐突な感じを持たれた方は、

こちらの記事から4回分の記事をご覧になった上で

以下の文章をご覧頂ければ幸いです。

 

(引用ここから)

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社会がリモートワーク中心になり、

人材の流動性がもっと高まると、

どこか組織に身を委ねていれば

育ててもらえるような時代が終わり、

セルフコーチングの時代が到来するということだと

私は考えています。

 

ではセルフコーチングとは一体何なのでしょうか?
一言で言えば

「自分に気づくことができる」だと思います。

メタ認知や、客観的だとかそんな表現でも構いません。

そもそもコーチングというものがコーチが

対話を通じて本人に気づかせるというものですから、

それを自分自身で

行えなければいけないということです。

 

では気づくとはどういうことでしょうか?


例えば仕事やスポーツは結果で評価されます。

結果を観察しどうすればよかったかを内省し、

次に生かすことが学びです。

自分に気づくとはこの結果を出すプロセスで

起こしている自分のエラーに気がつくということです。

自分を変えれば結果が変わることに

気がつくということです。

 

何をそんな当たり前のことをと

言われるかもしれません。

確かに人間は常に自分で修正をかけています。

習字で字を書いて(アウトプット)

うまくいかなければ(フィードバック)

次はこうしてみよう(修正)と取り組みます。


しかし、ここでいう自分のエラーに気がつくことは

階層が違います。

例えば習字のコンテストに作品を出して落選します。

一生懸命うまく書いても落選が続きます。

なんでここまでうまくやれているのに落ちるんだ、

評価が悪いのではないかと憤ります。

 

しかし、その人はうまく書こうとするが

あまり無意識にうまい誰かの作品を模倣していて、

それが審査員に見抜かれていることに

気がついていません。

「らしさ」ではなく「うまさ」を

無意識に求めていた自分のエラーに

気がつけるかどうかという話です。


エラーはアウトプットに問題が起きたから

エラーなのであって、言ってみればただの癖です。

では癖が問題なのかというとそうではありません。

癖があるのにないと思っていることが

問題を引き起こします。

 

運が良ければこの癖は他者から指摘されるのですが、

自分に気が付かない人は

癖なんてないと思っているので

これを拒否し否定します。

そしてエラーを起こし続けます。


自分で気づき続けるのはかなり難しいですから、

外からのフィードバック(他者の指摘、内省)を

反映させ、自己修正できるかどうかが

全ての鍵を握ります。

 

それは突き詰めると「素直さ」に帰結します。

素直さほど劇的に人の成長を分けるものはありません。

素直な人は騙されやすいとよく言われますが、

パフォーマンスにおいての素直さの定義は

「他者や外部からのフィードバックを

(都合が悪かろうが)受け入れ活かす能力」だと

私は考えています。

 

ですから疑い深いけれども素直な人や、

他者とコミュニケーションを取らないけれども

素直な人ということもあり得ます。

フィードバックが人間からとは限らないからです。


素直さがない状態の人間は、

まるで自分の影に追いつこうとして追いつけない

子供のようです。

どうして影は逃げるんだろう、

影そのものの問題だろうか、

風やその他の要因だろうかと

あれこれ子供は悩みますが、

自分が動くから影も動いているのだという

シンプルな答えだけが思いつきません。

 

影が動いているのは私が動くからなんだと

気がついてからは、

影を思い通り動かすために

自分の動き方を習得するだけです。

 

セルフコーチングにおいて現在地がなければ

何を修正すればいいかがわからないので、

自分が把握できないということは致命的です。

GPSも地図もない登山のようなものです


昔のように密なコミュニケーションがない社会において

「自分に気づき続ける」ということが

これからは問われると私は思います。そしてこれは

通常の仕事の頭の使い方と方向が違うので、

苦労する人も多いと思います。

(引用ここまで)

 

この続きはまた明日に!

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