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竹田信弥+田中佳祐『読書会の教室 本がつなげる新たな出会い 参加・開催・運営の方法』

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竹田信弥+田中佳祐『読書会の教室 本がつなげる新たな出会い 参加・開催・運営の方法』

竹田信弥+田中佳祐『読書会の教室 本がつなげる新たな出会い 参加・開催・運営の方法』

2024/01/12

1/6に投稿した記事から、

年末から年始にかけて4回に分けて書いた

「2023年のふりかえり年間読書ベスト24」で

紹介した24冊の本の中うち、

古田徹也さんのウィトゲンシュタイン入門を除いて

このblogの記事でこれまで

あまり取りあげてこなかった本の内容を

紹介してきたんですが、

今日が7回目になるので、

そろそろ区切りをつけるつもりです。

 

1/6の記事で紹介したのは、

1/3に投稿した(その3)の記事で⑨にとりあげた、

今村仁司編訳『現代語訳 清沢満之語録』

 

また、1/7の記事で紹介したのは、

1/4に投稿した(その4)で⑲にとりあげた、

佚斎樗山(高橋有・訳&解説)『新釈 猫の妙術 武道哲学が教える「人生の達人」への道』

 

1/8の記事で紹介したのは、

1/3に投稿した(その3)の記事で⑮にとりあげた、

ハナムラチカヒロ『まなざしの革命 世界の見方は変えられる』

 

1/9の記事で紹介したのは、

1/4に投稿した(その4)で⑱にとりあげた

古田徹也『はじめてのウィトゲンシュタイン』

 

そして、一昨日1/10の記事では、

1/3に投稿した(その3)の記事で⑩にとりあげた

光丘真理『キミが主役の勉強 勉強の「当たり前」をこわそう』を。

 

昨日1/11の記事では、

1/4に投稿した(その4)で⑳にとりあげた

孫泰蔵『冒険の書 AI時代のアンラーニング』
紹介しました。

 

 

それで、今日ご紹介する1冊についてなんですが、

1/2に投稿した(その2で⑧にとりあげた

竹田信弥+田中佳祐『読書会の教室 本がつなげる新たな出会い 参加・開催・運営の方法』

です。

 

(その2)の記事にわたしは次のように書きました。

自分自身もこれまでに読書会を主催したり

他の人が企画した読書会に参加したりしていて、

読書会の可能性ということを

しばしば考えるんですが、2023年は

「そもそも本を読むとはどういうことか」

について、考えることが

すくなくありませんでした。

それで、読書会そのものをテーマにした本を

何冊か入手して読んだんですが、

本書は「そもそも読書会って?」という話から

具体的運営方法まで丁寧にまとめられた労作です。

本屋さんとライターさんのお二人で

対話を重ねながら作られているプロセスも

とても良いように感じました。

 

本書について一番興味を惹かれた点は、

読書会の専門家ではない人が書いているところです。

 

去年11月に、性教育の専門家ではない橋本治さんが

性教育の専門家が書いた本よりも

わかりやすい性教育の本を書いているって話を

彼の『わからないという方法』という本や

編み物の本などを紹介しながら

つぎの記事で書いたことがありました。

「〝教えない〟性教育」考(その7)

 

専門家ではないからこそ、

かゆいところに手が届くんですね。

 

竹田信弥さんが書かれた

本書のアウトラインが示された「はじめに」の

全文をつぎにご紹介。

 

(引用ここから)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
はじめに
本書は、これから読書会に参加したいと思っている人や、読書会を主催したいと思っている人に向けて書かれています。
著者は、双子のライオン堂書店 (東京赤坂)の店主竹田信弥とライターの田中佳祐の二人です。過去に、私たち二人は『街灯りとしての本屋』(雷鳥社)という本屋さんの新しい活動を紹介する本を書きました。
そんな私たちは、2013年頃から、「お店に人を呼びたい」という集客のための目的と「たくさんの本が読みたい」という自分たちの目的のために読書会を始めました。読書会を行うことで、ひとりでは読み切ることのできない本をしっかりと読むことができたり、知らない本との出会いがあったり、ただ読むだけでは得られない読書体験が広がったように感じています。
これまで、8年間で500回以上の読書会を行ってきました(2021年現在)。数が多ければよいというわけではありませんが、読書会を運営する上での経験値とノウハウは溜まってきました。そこで、読書会に参加してみたい人へは不安が少なくなるようなお話を、開催してみたい人へは運営のコツをお伝えしようと、読書会についての本を作ることにしました。
私たちは読書会の専門家ではありません。しかし、専門家ではないからこそ、私たちの経験が意味のあるものになっていると思うのです。読書会は、誰でも開催できる自由な活動だからです。


本書の構成を簡単に示します。
第一章「読書会とは?」では、読書会とはどのような活動なのかを紹介します。 読書会に参加したり、開催したりする前に知っておいてほしいこと、読書会を楽しんでいる人たちの参加動機や主催者にとっての読書会の魅力などについて書きました。
第二章「読書会にはどんな種類がある?」では、様々な形式でおこなわれている読書会を種類ごとに整理し紹介します。読書会における本の選び方の違いや開催形式の違いなど、実際に新しい読書会を作り上げる時のヒントになりそうなことを書きました。
第三章「読書会に参加するには?」では、はじめて読書会に参加する人や読書会に参加して不安に感じたことのある人に向けて、読書会を大いに楽しむためのポイントを紹介します。参加する前に準備しておくことや、当日困った時の対応方法、読書会が終わった後の活動などについて書きました。

第四章「読書会を開催・運営するには?」では、これから読書会を開催してみようと思っている人や自分で主催している読書会をもっと楽しいものにしたいと思っている人のために、読書会の始めかたと当日の運営のポイントを紹介します。 読書会を立ち上げる時の準備方法や集客をするときに考えておくこと、当日のスムーズな司会進行のコツ、などについて書きました。
「なぜ読書会を開くのか?主催者に聞く!」では、読書会主催者や読書会のために場を開いている方々から、開催への思いや実践的なお話を聞きました。日本最大級の読書会コミュニティ・猫町倶楽部の山本多津也さんには、読書会を開催、運営していく楽しみとコツをお聞きしました。青森県八戸市にある八戸ブックセンターには「読書会ルーム」を設置した理由、読書会が 地域に与える影響についてお聞きしました。京都府出町柳にあるコミュニティースペースGACCOHには、運営する太田陽博さんを中心に、そこで読書会や勉強会を開催する方々も交えて、共同体としての読書会についてお聞きしました。
「読書会では何が起きているか?紙上の読書会」では、実際に参加者を募り読書会を行い、その模様を文字に起こして掲載しました。 参加者が読書会を楽しんでいる様子や司会者がファシリテーションをしている様子がそのまま収められています。読書会の雰囲気を味わってください。また、司会者へのヒントや当日の運営のポイントも一緒に載せています。
「読書と読書会について本気出して考えてみた」では、二つの座談会を掲載しています。ひとつは、書評家の倉本さおりさんと書評家の長瀬海さん、そして私たち二人も加わって、「みんなで本を読むとこんなに楽しいんだ!」ということを話し合いました。もうひとつは、GACCOHの読書会を主催している方々に、対話の場としての読書会について大いに語ってもらいました。これを読めば、すぐにでも読書会がしたくなるはずです。
付録「必携・読書会ノート― コピーして活用しよう」は、読書会のときに持っていると役に立つノートを考えてみました。コピーして実際に書き込んで使っていただきたいです。
他にもコラムを掲載しています。安村正也さんと岡野裕行さんに、本を持ち寄って紹介するゲーム形式のイベント「ビブリオバトル」について寄稿いただきました。谷澤茜さんには、作家や翻訳者と共に本を楽しむ「はじめての読書会」について開催の動機などを寄稿いただきました。
執筆の担当については、「はじめに」は竹田、「おわりに」は田中が書いています。それ以外の章は全て二人で協力して執筆しました。


最後に、私竹田の個人的なことを少しだけ書きます。
いま、私は読書会が大好きです。自分が運営する書店のリニューアル時に読書会をするためのスペースを確保するほど、どっぷりハマっています。読書会を毎月何回も開催していて、お店にとって顔になっていると言っても過言ではありません。しかし、そんな私ですが当初は読書会に否定的な考えを持っていました。
今でも覚えています。お客さんの少ないお店を心配した、この本の共著者である田中が「いま読書会というのが流行っているらしいですよ。お店でもやってみたらどうですか」と提案してくれました。読書会自体は知っていましたし、何度か参加したこともありました。しかし、当時は自分のお店で読書会を行うことに抵抗感があったのです。
理由は、ふたつあります。ひとつは、人見知りで、初めて会った人と話をするのが苦手だから。もうひとつは、課題本を選ぶということに抵抗感があったからです。ある特定の一冊の本を自分が選び、課題本とすることが、これを読みましょうと押し付けているようで、あまりよいことではないような気がしたのです。
これらはとんだ誤解でした。
読書会だからこそ、人と話すことが苦じゃない。本が中心の会話なので、無理にプライベートなことを聞いたり話したりしなくていいのです。
また、課題本を選ぶのが嫌だったとしたら無理に自分ひとりで決める必要はありません。主催が本を選ばず、参加者に紹介してもらう形式もあります。読書会の開催方法にルールはありません。よく考えてみれば、書店は世の中にある大量の本からお店に置く本を選んでいて、選書しているんです。こんな当たり前のことも読書会を行ったことで、参加者から教えてもらいました。他にも、たくさんのよい発見がありました。たとえば「知らない作品に出会える」「読書仲間が増える」「読書会から新しいイベントが立ち上がる」「初対面の人でも本の話ならできる」などです。

そして、本書で読者のみなさんに一番お伝えしたいことは「読書会は、参加するのも楽しいけれど、自分で主催するともっと楽しい」ということです。
読書会には、本が好きな人が集まります。一方で、そうでない人も参加してくれます。 友達を作りたい、おしゃべりがしたい、行きつけの場所を作りたい、勉強したい、仕事に役立てたい、などなどいろんな目的で人は読書会に参加するのです。
本書を読み終わった頃には、読者のみなさんが読書会をはじめたくなっていると嬉しいです。あなたも近くにいる人と読書会を一緒にやってみてください。

 

※『読書会の教室 本がつなげる新たな出会い 参加・開催・運営の方法』はじめに

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

(引用ここまで)

 

後半に「個人的なことを」と前置きして

「当初読書会に対し否定的な考えを持っていた自分が

今ではすっかり読書会にハマってしまっていると

正直に書かれているところがイイですよね。

 

同じようにお二人で書かれた

『街灯りとしての本屋』という本も

いつか読んでみたいものです。

 

わたしも中村教室を開いた2015年から

にんげん図書館と寺子屋塾の共催イベントとして

本を読んでなくても参加出来る

読書会つんどくらぶ(積ん読LOVE)を

7年余の間に30回以上開催してきて、

その間に、寺子屋塾生の何人かが

つんどくらぶと別に

自主的に読書会をやり始めていますし、

そういう人がどんどん増えていったら

いいなとおもっているところです。

 

そういう点でも本書は、自分で読書会のような場や

人があつまるコミュニティを

ファシリテートしてみたいとおもわれる方には

心強いガイド本となることでしょう。

 

さいごに、本書の刊行記念として、

出版直後の2022.1.3にお二人が

「読書会にピッタリな一冊」というテーマで

トークライブをされたときの

アーカイブ動画がYouTubeにありましたので、

時間のある方はご覧になってみてください。

 

【アーカイブ】2022/1/3(月)15:00~ 「読書会の教室」刊行記念配信!!テーマは「読書会にピッタリな一冊」

 

 

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●2021.9.1〜2023.12.31記事タイトル一覧は

 こちらの記事(旧ブログ)からどうぞ

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 1/14(日) 第5回経営ゲーム塾C

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