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ポートフォリオマネジメントとは(落合陽一『日本再興戦略』をめぐる問い)

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ポートフォリオマネジメントとは(落合陽一『日本再興戦略』をめぐる問い)

ポートフォリオマネジメントとは(落合陽一『日本再興戦略』をめぐる問い)

2026/11/07

10/21から寺子屋塾ブログでは、

メディアアーティスト・落合陽一さんの

著書や動画を紹介しながら記事を書いているので、

もうかれこれ半月以上になりますね。

 

昨日の記事では、落合さんが『マタギドライヴ』

について語っているPIVOTの動画2本に対して、

落合さんご自身がコメントされている

noteの記事を3本見つけたので、

それについてわたしのコメントを書きました。

 

結構長文だったんですが、

それでも書きたいことのすべてが書けたわけでなく、

とくに3本目の後半に登場していた

プラトン『パイドロス』のくだりについてなど、

まったく触れられなかったので、

改めて書いてみようとおもっています。

 

 

さて、10/20に投稿した記事に、

10月中旬に『日本とは何か』をテーマに

先崎彰容さんが語られていたYouTube動画を

文字起こしして投稿した流れで、

日本について考える本6冊を紹介しました。

・「日本とは何か」について考える本を6冊紹介

 

 

最後に紹介した本が

落合陽一さんの『日本再興戦略』だったんですが、

その本を読んだ塾生の1人から

次のような質問を受けました。

 

「新しい日本で必要な2つの能力」として、

ポートフォリオマネジメントと

金融的透視能力を挙がっていたんですが

ポートフォリオマネジメントってどういうことですか?

 

以下は、わたしがその時に話した内容です。

------------------------------------------------------
ここでいう「ポートフォリオマネジメント」は、

ひと言でいえば、

 

自分の仕事や活動を一つひとつ別々に考えるのではなく、それぞれの役割を組み合わせ、全体として暮らしや、やりたいことが成り立つように考えること

です。

 

落合さんは、これからの時代に必要な能力として

この言葉を挙げ、

一つの職業だけで生きるのではなく、

複数の仕事を組み合わせていく

「職業のポートフォリオ」を語られていました。

 

 

そもそも「ポートフォリオ」とは?

もともとは「書類をまとめて入れるもの」

という意味の言葉ですが、金融の世界では、

持っている金融資産の組み合わせを指します。

 

例えば、資産を一つの株式だけに投じるのではなく、

預金、債券、株式などに分ける。

 

そのうえで、目的や状況に応じて組み合わせを見直す。

これが資産のポートフォリオマネジメントです。

 

この発想を、落合さんは仕事や生き方に

広げているんですね。

 

  組み合わせるもの 全体として考えること
資産 預金・株式・債券など

安全性、収益性、

将来への備え

仕事

本業・副業・研究・

地域活動など

収入、やりがい、

学び、社会への貢献

 

 

もちろん、単に「いろいろ持つ」ことが

大切なのではありません。

 

それぞれにどんな役割があり、

全体として無理なく成り立つかを考えるのが

「マネジメント」です。

 

落合さんのいう「仕事の組み合わせ」

落合さんは公開記事の中で、ご自身について、

大学教員、研究、執筆、講演、会社経営などを

組み合わせていると説明されています。

 

収入を得る活動がある一方で、大学での活動は、

ご自身のミッションとして大切にしている。

 

つまり、活動のすべてに

同じような収益を求めるのではなく、

それぞれに違う役割を持たせるわけです。

 

この記事で使われている言葉を、

やさしく言い換えると次のようになります。

・プロフィットセンター:主に利益を生み、他の活動も支える部分

・コストセンター:費用や時間がかかるが、別の大切な役割を持つ部分

 

例えば、「収入を生む仕事」と「今すぐ収入には

ならないが、自分が大切にしたい研究」を

組み合わせる。

 

一つの活動だけで収入も、やりがいも、社会貢献も、

すべて満たさなくてよい、という見方です。

 

具体例:わたし自身の活動にたとえると

たとえば、わたし自身の活動について、

役割と得られるものを整理すると

次のようなことになります。

 

活動 主な役割 得られるもの
通常の教室 暮らしと塾の運営を支える 定期的な収入、塾生との日々の関わり
講座の準備 将来に向けて試す 新しい学びの場の可能性
ブログの執筆
自身の考えを整理し、外に伝える
自分の学び、ご縁、塾への理解
自治会活動 地域との関係を育む 信頼、地域課題への気づき

 

 

例えば、講座の準備は、

すぐには収入にならないかもしれません。

 

でも、通常の教室で生活や運営基盤があるので、

時間をかけて試すことができます。

 

また、ブログを書くことで考えが整理され、

それが教室での対応や講座の内容を

豊かにするかもしれません。

 

自治会など地域活動での出会いが、

次の学びや活動につながることもあります。

 

こうして、

収入を支える活動が、探索の時間を生み、探索から得た学びが、また別の活動を豊かにする。

 

このような循環を、全体として眺め、

必要に応じて組み替えていくことが、

ポートフォリオマネジメントです。

 

 

教育の話としてはどういう意味?

教育の文脈では、

「将来、どの職業を一つ選ぶか」だけでなく、

自分の関心・得意なこと・社会との関わりを、

どう組み合わせていくかについて、

自ら考える力につながります。

 

例えば、絵が好きな子がいたとします。

・絵を描くことを深める

・デジタル技術も学んでみる

・地域の人に話を聞き、困りごとを知る

・絵を使って、その困りごとを伝える方法を試す

 

この子の可能性を「画家になるか、ならないか」

だけで考えるよりも、

絵 × 技術 × 地域への関心という組み合わせとして

見ることができます。

 

これは、たくさん習い事をさせる

という意味ではありません。

 

むしろ、「自分は何に惹かれるのか」

「それは何と結びつくのか」

「今後どこを深めたいのか」を、

自分で見つけていくことです。

 

 

「広くやる」だけでなく「一つを深める」

注意したいのは、ポートフォリオというと

「何でも少しずつ、幅広く」

という印象を受けやすいことです。

 

落合さん自身は、公開記事で、

むやみに横に広げるのではなく、

まず一つの専門性を深めることも大切だと

述べています。

 

そのうえで、他分野との交流や組み合わせに

可能性が生まれる、という考え方です。

 

ですから、

一つを深めることと、複数を組み合わせることは、矛盾しない。

 

たとえば「子どもと向き合う教育」を深めながら、

そこに東洋思想、AI、地域との関わりを

結びつけていく。

 

そうした組み合わせも、

一つのポートフォリオとして考えられます。

 

 

用例

実際に使うなら、こんな言い方になります。

・仕事について
「収入の柱になる仕事を持ちながら、

 地域活動にも取り組む。自分なりの

 ポートフォリオマネジメントを考えている」

・学びについて
「目先の仕事に役立つ学びだけでなく、

 長く関心を持ち続けられる学びも組み合わせて、

 学習のポートフォリオを見直す」

・教育について
「子どもの得意なことを一つの職業に

 直結させるだけでなく、さまざまな経験と

 組み合わせる視点を育てたい」

 

なお、教育の分野では、

学習記録や作品をまとめたものを

「学習ポートフォリオ」と呼ぶこともあり、

これは振り返りに役立つ記録のことです。

 

今回の落合さんの文脈では、

主に仕事や活動の組み合わせを考えることを

指している、と区別すると分かりやすいでしょう。

 

まとめると、落合さんのいう

ポートフォリオマネジメントは、

「自分の仕事は何か」を一つ決めることより、

「自分のいくつかの活動を、どう組み合わせて

 生きていくか」を考えることと言えます。

 

 

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