落合陽一「超AI時代の世界、日本、そして人間」(その1)
2026/10/22
落合陽一さんの著書『猫でもわかる生成AI
~落合陽一に100のプロンプトを入力してみた~』
をご紹介しました。
生成AIを「正解を出す先生」としてでなく、
問いを投げかけ、対話を重ねながら
自分の考えを整理する〝相棒〟として使うこと。
そのためには、自分が何を知りたいのか、
何を必要としているのかに気づいていることが大切
という話を書いたんですが、
昨日の記事は、生成AI初心者向けの
入門的内容でもあったので、
もう少し視野を広げてみたくなりました。
AIが人間の仕事や研究を担うようになることで、
世界は、日本は、
そして人間の暮らしは
具体的にどう変わっていくのか、
落合陽一さんが話されているYouTube動画を
PIVOTのチャンネルで見つけたので
今日から5回に分けて文字起こしして
対談録のスタイルでご紹介します。
振り返ってみると、この1ヶ月ほど、
このブログでは、一見すると違う分野の話を
つぎつぎに取り上げているんですが、
そもそも、TVドラマ『逃げ恥』のシナリオに
コメントを書く形の記事を100+45
連投したきたことが発端だったんですね。
山口周さんの『コンテキスト・リーダーシップ』を
めぐって考えたのは、
言葉や行為だけを切り取らず、
その背景や関係性まで含めて読むこと、
そして、そこから自分の学びや暮らしの意味を
編み直していくことでした。
「AI時代に自分で考えるとは」という記事では、
AIが答えを出してくれることと、
自分が納得して判断することは別だということから、
問い直し、体験に照らして確かめるという営みまで、
AIに明け渡してしまわないことの大切さが
語られていたようにおもいます。
さらに、先崎彰容さんの「日本とは何か」からは、
自分が当たり前だとおもっている価値観も、
歴史や社会、人との関わりの中で
丁寧に形づくられてきたものではないかと。
そして、そのことを
「自分で学ぶ」は「自分を学ぶ」ことでもあるという
寺子屋塾の学びにつなげて考えました。
今回の落合さんのお話も、
わたしの中では、その延長線上にあります。
AIによる研究の自動化から、戦争、エネルギー、
日本のものづくり、働き方、文化、恋愛、
そして〝ご縁〟へと話題の振れ幅が
かなり大きいのですが、
予測として語られている未来社会の内容にも
きっと大きく揺さぶられることでしょう。
【超AI時代の世界:戦争がまた起きる】落合陽一のAI活用/1年以内にAGI/研究自動化、AI創薬が進む/落合信彦と今の時代/「AI×戦争」の融合/フィジカルAIの中心は国防/米中の勝者/エネルギー戦争
本動画は2026.3.19にPIVOTのチャンネルで
アップされたもので、
インタビュアーはPIVOTの佐々木紀彦さんです。
以下に投稿するのは、
文字起こしテキストの1回目で
動画の冒頭から16分42秒あたりまでを
(文字起こし・ここから)
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AIによる研究の自動化と変わり始めた戦争のかたち
佐々木:皆さん、こんにちは。PIVOTの佐々木です。今回の「9 Questions」は、落合陽一さんをゲストにお迎えして、「超AI時代の世界、日本、そして人間」をテーマにお話を伺いたいと思います。
落合:幅が広い!
佐々木:幅広いですよね。落合さんには毎年、AIの話を伺っていたんですけど、今回、過去の動画を見返したんですよ。
落合:ありがとうございます。
佐々木:「こんなことが起きるのかな?」と思っていたんですけど、落合さんが1年前、2年前、3年前に言ったことが、ほぼ実現しています。
落合:だいたい外れなく、しかも時期もずれなくいってるよね。
佐々木:当たっていますね。
落合:ありがとうございます。
佐々木:なぜ、そんなに分かるんですか?
落合:いろんなことを見ていると、大体この時期にこのくらいかな、という線が。
佐々木:分かるものなんですか?
落合:分かるものだと思うんです。
佐々木:今日は、その過去の予言も含めて、今どう考えているのかを知りたいんですけど。落合さん、今はどんな感じで使っているんですか、Claude Codeは?
落合:Claude Codeはめっちゃ使ってるけど、大体、画面にエージェントをいっぱい開いているので、同時にこんなふうにガチャガチャ働いてますけどね。
佐々木:今、落合さんのエージェントは何人いるんですか?
落合:エージェントは、そのたびに作るので。例えば、今ここでプログラムを書いているんですけど、ここに2エージェント走っていて。1画面に48エージェントぐらい走ってるんじゃないですか。
佐々木:そんなに!落合陽一の生産性って、AI、Claude Codeなどによって、ないときよりどれぐらい上がったんですか?
落合:今日、さっきまで飛行機に乗っていたんですけど、飛行機に乗ってからここに来るまで、1時間半ぐらい、ちょっと対談をしていて。その間に1万6,000行ぐらいコードを書けていたんで。人間の落合が頑張ってプログラムを書ける量は、1日で1,000行ぐらいなんですよ。
佐々木:はあ〜
落合:でも、夜寝る前には3万2,000行ぐらいまでいくから、多分32倍ぐらいになってる。
佐々木:32倍ぐらい(笑)しかも、その倍率はさらに上がりますもんね。
落合:上がります上がります。なので、年末までには、きっと100倍ぐらいになっているような体感があるんで。
佐々木:落合陽一100倍。
落合:だから、そこはすごいことですよ。例えば、大規模システムを作ろうと思って作り始めて、現場に行くまでに作り終わるということだから。システム開発が、ほぼライブの仕事みたいになっちゃってるんですよ。
佐々木:いわゆる「超AI」は、もう来ているんですか?
落合:ほぼ今、プログラマーに関しては超AIが来ていて。たぶん年末ぐらいまでに、プログラミングに関してはAGI(汎用人工知能)宣言も誰かがします、きっと。
佐々木:このスピード感は、落合さんの予想も超えるぐらいですか?
落合:いや、大体こんな感じですね。これ、どこだっけ。2022年の10月に出ていた……懐かしいでしょ、これ。これでは2025年に人間並みって言っていたんだけど、ちょっと時代は早くて、10の25乗にいったのは2023年だったんですけど。2026年の現在地は、あの緑色のラインで。自動で研究が始まると言われているのが、この辺り。これは2024年の9月に言われていて、大体当たっているんですよね。低位曲線と高位曲線の間ぐらい[※グラフの説明]なので、今年の半ばぐらい。今、もうちょうどAI自動研究が流行っているんですけど、AI自動研究で、もっと革新的なものが見つかってくるだろうな、というのが2026年の中盤から後半。そうすると、研究者の代わりにAIが働いている状態になるんで。前にOpenAIが言っていた、「チャットボット、リーズナー、エージェント、イノベーター」という段階があるんですけど、自動で研究できるということは、イノベーターになるので。そうするとエージェントからイノベーターへの中間地点が、2026年の前半から後半、終わり間際。来年の頭までには多分、どこかが「AGIだ」と言い出しそうな気がしていて。そうなってくると、SaaSのサービスや会社みたいなものが、お客さま対応まで含めて、AIだけで完結している状態に、そろそろなりそうだな、という感じ。
佐々木:そうしたら、「SaaSの死」は正しいんですか?
落合:わざわざSaaSを作らないけど、でも、その外部依存性が高かったら作っちゃう、というのはあるかもしれないですよね。
佐々木:自動研究がいろんな分野でできてきて、例えば、Anthropicのアモデイさんなども、自動研究によって薬も新しいものがどんどんできる、みたいに言うじゃないですか。
落合:多分、できる。
佐々木:あれは本当ですか?
落合:あれは本当にできると思います。自動研究で、どんどんできます、多分。もう、みんなやり始めているんですけど。例えば、言語モデルを使ってウイルスを新しく作るとか、治療用のね。コンピューターウイルスも作っているけど、フィジカルなウイルスを作ったり、言語モデルを使って抗体を作ったり。そういう話に対して、例えば新しい免疫療法を始めるとか、そういったものをコンピューターを使って考えることは、もうみんなやり始めているので。研究が進むのは間違いない。しかも自動で。
佐々木:あと1年でAGIが実現して、研究の自動化が進む。他にはどういうことが進むんですか?
落合:エンジニアのコーディングタスクは、完全に今年中にはなくなるだろう、という感じになっていて。昔、エンジニアといえばプログラムを書く人だったんですけど、多分、プログラムを書くという能力に関しては、ほぼほぼ、もう[必要性が]なくなっているような気がするな。誰でも作れる、という感じになって。
佐々木:そうしたら、エントリージョブのエンジニアの職が消えていくのは必然なんですね。
落合:必然だと思います。難しいのは、大学教育でエンジニアの仕事のための教育を、一応、教えているわけですけど。ただ、それが分かっていない人が作ったらどうなるかと言われると、「作れちゃうしな〜」という感じです。作れちゃうけど・・・
佐々木:基礎は、あったに越したことはない。
落合:あったに越したことはないんですけど、ものすごい勢いでコーディングやエンジニアリング、しかもセキュリティテストや、攻撃を受けたときのサイバー防御も、AIでやるようになってきているので。これはすごい速度で。そうなってくると、物理層をどれだけ押さえたかが重要なのと、エネルギー安全保障が、やっぱり今年はすごく重要なので。エネルギー安全保障をちゃんとやって、かつ半導体が確保できているところが、急激にサイエンスが進む、という感じになっていくような気がしますけどね。
佐々木:そちらの世界へとシフトしていくんですね。
落合:ええ。だって、今年はちょっと戦争が厄介な年ですからね。AIとドローンが変える、新しい戦争。
佐々木:まさに、それですよ。もう2、3年前から、「戦争が今後、起き続ける」と予言していましたよね。
落合:ええ。
佐々木:そのとおりになっちゃっていますね。
落合:なっちゃっていますね。悲しいことですが。
佐々木:なぜ、そうなっているんですか?
落合:やっぱり局地戦で、あらゆるところが動くようになってきて。そうなってくると、地域紛争だったり、長年のことが結構変わってきて。エネルギー安全保障を脅かすようなところが、交渉の材料になっているので、こうなってくると、ちょっと怖いんですよね。あと、もう1、2か所、起きなきゃいいけど、と思っていますけど。
佐々木:今のイラン戦争は、どう見ていますか?そこでもAIが出てきたり、ドローンが出てきたり。まさしく新しい時代の戦争を、我々は今、目の前で見ているじゃないですか。このイラン戦争が起きるのも、結構、必然的だったと思いますか?
落合:必然は必然ですね。トランプ政権が誕生したあとに、必然的に起こっていることな気がしますけど。ただ、イラン戦争を見ているときに、きっかけはそっちかもしれないんだけど、道具としては自動兵器になっている。戦争の形態が変わるのは、常に非対称性の問題なので。つまり、今は、安いドローンを高価なミサイルで迎撃するという非対称性もあるし、高い防空レーダーに安価なドローンを「数打ちゃ当たる」で向かわせるという戦いもあって。でも、第一次世界大戦のときにも、戦闘のやり方の非対称性ってあったじゃないですか。第二次世界大戦になってくると、今度は戦艦と駆逐艦の非対称性などが出てきて。今の世界秩序だと、戦闘機をたくさん持っていることが、通常攻撃上重要で、かつ制空権を取ることが重要なんですけど。それを全部破壊されても、ドローンで相手をしているという、結構不思議な状態にはなりつつあって。今後、安価な自動兵器などが入ってくると、それがまた安価な自動兵器同士で戦うようになるまでは、きっと非対称で、安い側のほうが非常に強くなる、ということはあるかもしれないですね。
佐々木:新しい兵器などが生まれたり、それが特に低コストだったりすると、今までのバランス・オブ・パワーみたいなものが、ちょっと崩れたりする。そこで、戦争をしたいという欲求などが出やすいんですかね。
落合:どちらかというと、多分イランはもう戦争にはなっていない。なっていないというか、戦争はしているんですけど、戦えてはいないじゃないですか。制空権は取られているし。昔までの、いわゆる戦争だったら、もう、とっくに負けているんですけど。だけど、使っている道具から考えれば、その道具は非対称に動いているし、通常の戦略目標が全部攻略されたところで、別に地上部隊が来ないわけなので、降伏する理由もないし、戦争を止める必要もないわけですよね。本質的には、いろんなエネルギーインフラなどを壊されていますけど。そう考えると、やっぱり「勝敗条件の見えない戦争」が、あちこちで起こってきたりもする。
佐々木:もちろん亡くなる方もいますけど、昔ほどではないじゃないですか、今のところ。そういう形で、人命をかけずとも、ドローンなどだけで攻撃できたりする。アメリカには圧倒的な力がありますよね。それで、政治的な決断がしやすくなっている、ということもあるんですかね?
落合:それもそうですし。あとは、一番ちょっとあるなと思っているのは、例えば海運って、すごく分かりやすいですよね。ドローン攻撃を受けたら保険で止まるので。つまり、保険で動けなくなっちゃうとすると、実は、大規模な攻撃を仕掛けなくても、リスクを取る価値がなくなってしまうと、エネルギーインフラが止まったりする。重度に契約された社会において、引き金の引き方は多様にある、という感じが今はします。
佐々木:そうすると、ウクライナで起き、イランで起き。これで終わればいいですけど、さらに増えてくる可能性は。
落合:ちょっと怖いですね。台湾有事も怖いし、ほかにも、なくはないかなと思うし。ただ、トランプの電撃的な攻撃みたいな話は、やっぱり核を持っている国にはやれないと思うので。それはそうだな、と思いますけど。北朝鮮からミサイルが飛んできたり、最近、忙しいですけどね。
父・落合信彦が見ていた世界と今の世界
佐々木:お父さまがずっと活躍されていましたけど、特に活躍されていた時代は、1989年とか、90年代とか。
落合:イラクとかで戦争、アフガンとか、湾岸戦争とかがあった頃ですね。
佐々木:あの頃も、まさしく冷戦などが終わって、世界が大きく動いた時期でもあったじゃないですか。お父さまは、今の時代をどういうふうに言っていたと思いますか?
落合:でも、うちの親父は、やっぱりネタニヤフ(イスラエルの首相)の友達だったから。
佐々木:あ〜そうか。
落合:ネタニヤフから、いつも手紙が来ていましたからね、うちに。ネタニヤフとうちの親父が並んだ写真なども貼ってあったから。明らかにアメリカ側の世界秩序で物を見ている人だったので、今の世界を見たら、さすがにガザの件などでは、ネタニヤフの肩は持たなさそうだけど。ただ、やっぱりアメリカ的に見ていると思います。アメリカ、イスラエル的な物の見方で、多分、語っていたと思いますね、きっと。
佐々木:今後のアメリカの覇権は、どう見ていたんですかね?
落合:でも、やっぱりトランプのことは、うちの親父、大嫌いだったので。
佐々木:トランプが当選すると言ったら、殴られたんでしたっけ?
落合:そう。トランプが当選すると言ったら殴り合いのけんかになった(笑)。それもそうだし、うちの親父はトランプに実際にインタビューに行って。トランプが面白くないことを言うから、それで親父が飽きて帰っちゃった、みたいなことがあったんですね。
佐々木:へえ。
落合:だから、よっぽど、多分、トランプのことが好きじゃなかったんだと思うんですけど。
佐々木:落合さんが何かの動画でおっしゃっていましたけど、あの時代に、わざわざ世界に飛んでいって、世界の大物にインタビューまでして、日本に伝えていた人って、その後もいないですよね。
落合:その後もいないですよね。それはそう思いました。
佐々木:日本を訪問してきたときのインタビューとかではないですもんね。
落合:そうそう。あれは結構、面白くて。日本に映画などを売りたい人が来て、映画監督にインタビューする、みたいなことは普通にあるじゃないですか。あれは要は、グローバルスターがここに来たときに、ローカルの放送局に行くということです。その逆なのでね。サッチャーにしろ、アウンサンスーチーにしろ、ウォズニアックにしろ、その当時の有名な人たちに、それぞれアポを取って、普通にインタビューに行くということをしていた日本人は、うちの親父ぐらいしか知らないですけどね。
佐々木:そうですよね。
国力を決めるAI、エネルギー、サプライチェーン
佐々木:そこも踏まえたうえで、今後の国の力は、さっき出てきたAIの力と、エネルギーの力、この2つの方程式によって、結構、決まる部分が大きくなるんですかね。
落合:あと、資源とサプライチェーンですね。[聞き取り不明]が重要だというのは、結構前から、この番組で言っていたんですけど。サプライチェーンは、やっぱり今、相当脅かされているじゃないですか。サプライチェーンが重要なのと、あとは半導体、エネルギーが重要で。いかにして人間のボトルネックを作らないかが、すごく大切なような気がしますけどね。
佐々木:どういうことですか?
落合:つまり、今、AIエージェントと一緒にコーディングすると、ボトルネックなのは、やっぱり人間の承認なんですよ。人間が操作することが、一番のボトルネックなので。人間が操作しなければ、もっと早く済むのにな、と思うんですけど。
佐々木:それは戦場にも似た面があるわけですか?人間がネックになってくる。
落合:はい。それは本当にそうです。24時間365日、監視できるAIによって戦争が動いてくる、というのはあるんですけど。ただ、大きな問題は、引き金を引くという意思決定を人間がしている兵器なのか、そうではないのか、ということ。多分、一番、今問われているというか、よくヨーロッパの会議で出てくる話ですよね。つまり、最後に人間が何かをするということをしているのか、その判別まで自動化されているのかは、結構、違うものだと、よく思いますけど。
佐々木:AIの力と、そこにフィジカルを結びつけて、ドローンや無人の戦艦などをいろいろ作って、そこで戦っていくと。
落合:ドローンは、そうですね。すでに無人ですね。
佐々木:一方で、空中戦だけでもないじゃないですか。最後は地上戦が必要、というところもあるじゃないですか。
落合:制圧するには、そうですね。
佐々木:けれど、制圧まで考えなければいいわけか。
落合:軍事目標を壊すから、軍事的な影響がなくなるという意味では、空中戦だけで結構、片づいてしまいますね。だから今、それが結構矛盾で分からないんですが。イスラエルとイランの話だとすると、体制転換が必要だというのには、何らかの、結構な圧力か、フィジカルな援助が必要だったりするかもしれないですよね。要は、空爆していると、別にデモなどは起こしにくいですからね。
佐々木:そこも含めて、AIと戦争の関係について。今、Anthropicのアモデイさんなども、戦争省とちょっともめたりしていますし、パランティアの力も、どんどん上がっていて。
落合:パランティアも、アンドゥリルも強いですね。
佐々木:アンドゥリルね。昔、もう数年前から、アンドゥリルの話をしていましたよね。
落合:3年前ぐらいに、この番組で「今、注目しているのは何ですか?」と聞かれて、「やっぱりアンドゥリルかな」という話をしていますけど。
佐々木:早かったですね。ああいうAIと戦争との融合みたいなものは、必然なので、もう、しょうがないんですか?
落合:戦争の歴史を振り返れば、鉄砲が来る前は、馬と剣と弓矢と投石機などで戦っていたと思うんですけど。鉄砲が来て、大砲で強くなって、第一次世界大戦になって新兵器がたくさん出てきた。産業革命の影響で、工業製品として戦争の道具が作れるようになって、飛行機や戦車が出てきたりして。最後、第二次世界大戦中に出てきたのが核兵器だったり、その途中で、暗号を解読したり計算したりするためにコンピューターが出てきたり。コンピューターは、戦争によって生み出された道具なので、もともと。そうすると、AIが戦争によって進歩するかと言われたら、「そんなことはない」と言いたいが、そんなことは多分、多分にあって。国防用によってAIが進歩することもあるでしょうし、自動兵器というのは、何より人の承認がいらず、人がいらない殺し合いの道具なので、進化としては非常に正しい。倫理的には正しくなく、工業的には正しい進化をしている、という。
佐々木:アモデイさんも、2つのところだけで齟齬があったという話をしていました。自律型兵器と、市民の監視。ここだけは、あまり受け入れられないと。自律型兵器も、それ自体を否定しているというよりは、まだ精度が高くないので、今のままではよくない、という言い方でしたよね。
落合:そうですね。要は、1つは通信の秘密という話じゃないですか。もう1つは自律型殺傷兵器の話で。「精度がよくないから」という議論は、恐らく早晩、あまり意味がなくなるので。精度の問題というのは、克服しちゃうものですから。ある一定のレンジで、例えば2026年の終わりまでにその精度に達するのか、達しないのか。もしくは、2027年の終わりに達するのか、達しないのか、というぐらいのレンジだと思うんですよ。でも、確実に運用することを考えるのは、強い側の論理なので。弱い側の論理からすれば、今すぐにでも使えるものであるならば、ある一定の精度で使っちゃうと思うんですけどね。そういうものが今、どんどん投入されるようになってきているので、非常に不安定だな、と思います。
佐々木:そういう意味では、自動化競争がどんどん行われて、かつコスト競争ですよね。安いほうがコスト面で優位なので。その2つの競争が、もうずっと限りなく続くんですかね。(16分42秒あたりまで)
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(文字起こし・ここまで)


