失われた30年 その原因はどこに?(解答考察篇)
2023/02/18
2/7のblogで、失われた30年 その原因はどこに?
という記事を投稿しました。
すぐ答が出せる人は、多くないかもしれないので、
少し時間を置いてから
考察篇を書くつもりでいたんですが、
間があまり空いてしまうと、
問い自体の存在が忘れ去られてしまうでしょうから、
そろそろ書いておこうとおもいます。
問題篇の記事を未読の方は、そちらをご覧下さい。
まず前提として、この問いについては
明確な正解が予め用意されているわけではないので、
これから書こうとしている話は、
解答というより考察でしかないんですが。
それと、次の日経平均株価の推移グラフは
こちらのサイトより拝借したものなんですが、
平成元年における日本の経済は、
いわゆるバブル経済の頂点にあったことは、
明らかに読み取れるとおもいます。
森嶋通夫さんの本のタイトルに
「没落」という文字が使われていますが、
どこに基準を置くかで、当然見方は変わります。
たとえば、60年代、70年代の高度成長期の日本や
バブル期の方が異常だったと見做すならば、
平成の30年間で、常態に戻ったという見方も
できるわけなので。
日本社会全体を見たとき、
総人口は平成20年をピークに平成23年以後は
ずっと減少の一途をたどっているので、
それにもかかわらず、経済規模が
この先もずっと成長し続けるなんてことはあり得ず、
幻想にすぎないという指摘もあります。
また、そもそもGDPという指標自体が
時代にそぐわなくなってきているという指摘もあり、
国の豊かさをGNH(国民総幸福量)という
指標を用いて継続的に表現している
ブータンという国もあります。
さて、基準をずらす話や、
新しい指標の話はいったん脇に置くとして、
経済成長が横ばい状態にある原因についてです。
出口治明さんは
NHKの番組「最後の講義」のなかで、
日本経済が低迷しているのは、
GAFAのような新しい企業、
その予備軍とされるユニコーン企業が
日本では生まれなかったためで、その原因として
次の3つを挙げられていました。
1.女性の社会進出の低さ
2.多様性の低さ
3.勉強時間の不足(働き過ぎ)
出口治明さんの「最後の講義」については、
番組の全部を書き起こした記事があるんですが、
この内容自体がとてもスバラシイものなので、
ぜひこちらをご覧ください。
それから、前の記事でもご紹介した、
『なぜ日本は没落するか』についてですが、
この本は、森嶋通夫さんによって
50年後の日本を予測し1999年に著されました。
森嶋さんは2004年に亡くなられているんですが、
本書は驚くほど的確に
現代日本の状況を予見していると言われています。
なぜ森嶋さんがそのように予見できたかについては、
ぜひ本書を読んで頂きたいとおもうんですが、
経済学者である森嶋さんが、経済学だけでなく、
社会学、歴史学、教育学などさまざまな学問の
知見を統合し、総合的に考察されていて、
の終わりの方で語られていた、
「アジアの人々との協調と、
自分の頭で考えられる教育と人材の必要性」
という教育についての指摘は、
わたしにも全面的に共感できるものでした。
見逃された方、こちらのサイトで動画をご覧になれます。