寺子屋塾「易経実践コース」の内容について
2021/10/26
寺子屋塾でこれから開講する易経の学習で、わたしが担当する「易経実践コース」は、
らくだメソッドや経営ゲーム等と同様〝教えない〟スタイルのもので、
分からないことを分からないままやってみる姿勢を大事にしていきます。
プログラムは以下のように極めてシンプルなものです。
①1日1回易を立てる(日筮・サイコロ3つによる略筮法)
→テキストの該当する卦辞と爻辞、その説明文を読む
②易経の文言と世の中の現象との関連について考えてみる
→週1回Facebookグループに投稿しシェア
ちなみに、わたしが今日立てた易の卦は、以下の通り風沢中孚の二爻で、
2016年1月1日起算で今日が2126日めでした。
10/26(火) 61.風沢中孚の二爻変、風雷益に之く
・ふうたくちゅうふのにこうへん、ふうらいえきにゆく
[卦辞、読み下し文、直訳、大意]
中孚。豚魚吉。利渉大川。利貞。
中孚(ちゅうふ)は、豚魚(とんぎょ)吉(きち)。大川(たいせん)を渉(わた)るに利(り)あり。貞(ただ)しきに利(り)あり。
風沢中孚の時、豚や魚にまでその誠が及んで吉。大川を渡っても良い。貞正であれば良い。
上卦の風(巽)は従順さ、下卦の沢(兌)は喜びの性質を表します。「孚」は包み込むような愛おしさや慈しみのことで、「中孚」で真心や誠実さを意味し、いかなる困難にも揺るがない固い絆で結ばれた信頼関係、真の友情を暗示する卦です。風沢中孚の時は、心を開いて誠意をもって行なえば、相手にも天にも伝わり万事順調に進みます。ただし、心に何ら真実のない人にとってはすべて裏目に出る時でもあり、大勢で過ごすよりも、お互いのよさをじっくり実感できる1対1の関係がよい時と言えます。何かを選ぶ際には、目先の損得ではなく真心が感じられるかどうかで決めること。
[爻辞、読み下し文、直訳、大意]
鳴鶴在陰。其子和之。我有好爵。吾興爾靡之。
鳴鶴(めいかく)、陰(いん)に在(あ)り。其(その)子(こ)之(これ)に和(わ)す。我(われ)、好爵(こうしゃく)有(あ)り、吾(われ)、爾(なんじ)と之(これ)を靡(とも)にせん。
親鶴が山陰から鳴けば,子鶴もそれに応じて鳴く。ここに、うまい酒を盛った盃がある。ともにこの酒を飲み交わそうではないか。
「爵」は盃のこと。以心伝心の時です。喜びも利益も人と分かち合うことが大切です。
[キーワード]
・風沢中孚:誠実
・風雷益:増加
[表面に表れたヒント]
・気持ちが通い合い、言葉を必要としない。
・表に見えるものよりも内に秘められたものを信じること。
・いくら離れていようとも通じる。
[ヒントを解釈する指針]
・誠意はいくら離れていようとも通じる。言葉など要らない。道は開かれる。
[背後に隠された機微]
・互いに助け合い、互いに益し合い、勢いはますます盛んとなる。