ジャコメッティの問いかけ(「今日の名言・その2」)
2021/12/25
ひとつの彫刻はオブジェではない。 それはひとつの問いかけであり、 質問であり、 答えである。 それは完成されることもあり得ず、 完全でもあり得ない。
※アルベルト・ジャコメッティのことば (1901~1966:スイス生まれの彫刻家) |
2017年の夏に家族でヨーロッパを旅行した際、
デンマークのコペンハーゲン郊外にある
ルイジアナ近代美術館に行きました。
その館の常設展示品にジャコメッティの作品があり、
とりわけ「ジャコメッティの部屋」と題された
展示室(1枚目の写真)が印象に残っています。
その部屋は、全面が窓となっていて、
自然と人間、アートの融合というコンセプトが、
室外の景観も含めた建物のレイアウトにまで
行き届いていて素晴らしいものでした。
ジャコメッティは多くの塑像造形作品を残し、
20世紀最大の彫刻家のひとりと言われています。
彼は、空間芸術とされる静物オブジェに
どうしたら生きている躍動感やイノチという
時間的な概念を吹き込めるかという
実現不可能な課題にチャレンジし続けました。
ジャコメッティの塑像に特徴的な
極端に細いスタイルは、
無駄なモノをすべて剥ぎ取り
本質のみ表現しようという
姿勢の現れのように感じています。