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2021年の年間読書ふりかえり(その2)

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2021年の年間読書ふりかえり(その2)

2021年の年間読書ふりかえり(その2)

2022/01/02

昨日の続きです。

●2021年に買った本&読んだ本セレクト20
①崎谷博征『ウィルスは存在しない』
②ユヴァル・ノア・ハラリ『サピエンス全史』
③響月ケシー『あなたへ』
④出口治明『本の使い方』
⑤藤田一照『仏陀が教える愉快な生き方』
⑥亀田和久『亀田講義ナマ中継 生化学』
⑦生田哲『心臓病・糖尿病・がんの原因は慢性炎症だった』
⑧三田紀房『ドラゴン桜2』
⑨星野源『いのちの車窓から』
⑩村山昇『働き方の哲学』
⑪安藤礼二『思想家にとって戦争とは何か 吉本隆明』
⑫野木亜紀子『MIU404 シナリオブック』
⑬松岡正剛監修『情報の歴史21』
⑭松村圭一郎『はみだしの人類学』
⑮夏井睦『傷はぜったい消毒するな』
⑯堀内恭隆『シンクロニシティ・マネーの法則』
⑰まついなつき『恋する女はみんなバカ』
⑱Kenji『不安が希望に変わる ゼロ・リセットマジック』
⑲嶋中雄二『景気の転換点を読む』
⑳犬飼ターボ『成功者がくれた運命の鍵 チャンス』



⑪は、ここ3年以内に出された吉本評論本の中でも、

2019年秋に出た本書は、

吉本隆明とは何者だったのか、

その思想と表現の全体像を描き、可能性の中心を

浮き彫りにしようとしている点で読み応えある1冊。

2020年夏にまとめられた

高岡健『吉本隆明の〈こころ〉学』と、対象分野や

執筆する視点、スタンスが異なり

甲乙つけがたかったことを付け足しておきます。

 

⑫は2020年夏期にTBS系で放映され好評だった

TVドラマの脚本。

『空飛ぶ広報室』や『逃げ恥』が

既存の原作を踏まえて脚本化されたのに対し、

MIU404は原作のない野木のオリジナル作品。

シナリオを読みながらドラマを観ることで

脚本家の果たす役割が垣間見え、

演劇作品が総合芸術であることを認識でき、

ドラマづくりの面白さが楽しめる1冊。

 

⑬は1990年に初版がNTT出版から出され

1996年に出された増補版以降の情報年表を

追加した再増補版で、一家に1冊

座右に常備しておきたい待望の出版。

松岡正剛という人を紹介するのに相応しい書物を

もし1冊だけ挙げるとするなら間違いなくこれ。

 

⑭は入門書ながら根源的な問いに満ちていて、

「文化人類学」の核心に触れたような

読後感さえ得られる理由は、
「学びのきほん」シリーズの1冊1冊が

とても丁寧につくられていて、

執筆者の人選とテーマ設定そのものが

的確かつ秀逸で高いクオリティを

保っているためでしょう。

このシリーズのいずれにもハズレがなく

よく売れていることにも納得します。

 

⑮は、傷と細菌の関係を踏まえながら、

現職の医師が、そもそも消毒は何のためにするのか、

そもそも治療とは何か、といった根源的問いに

真摯に応えようとしている点で希有な1冊。

新型コロナ騒動が始まって以降、

効果がまだハッキリ検証されていないような

手指の消毒行為を

多くの人たちがなぜ無批判に受け入れ、

日常的に実行しようとするのかとっても不思議で

問いが浮かんだことで本書を手に取ったんですが、

①の冒頭に記されているパスツールの話を裏付ける

エピソードを発見できたこともラッキーでした。

 

⑯は2020年の読書ふりかえりで挙げた

『ベストパートナーと宇宙一カンタンにつながる方法』

に続く著者3冊目の本で、

本書の面白いところは、

お金に対する感覚のアップデートを説いている点で、

②のハラリ氏が

「お金は人類が生み出した最大のフィクション」と

喝破したことにも通じる

最先端の考え方と言ってよいでしょう。

結局恋愛もお金も、自分の価値観を映し出している

〝鏡〟にすぎないという点で共通しているわけです。

 

⑰には「21世紀対応〝自立する恋愛〟考」

という副題があり、2020年に59歳で亡くなった著者が

40歳のときに書かれた本書のまえがきには

「この本は恋愛論ではなく、単に人を好きになる

システムは不思議だなあと思って、

その不思議をみつめていただけの本」とあり、

恋愛論を超えた恋愛論と言っていいかもしれません。

 

⑱は、チャンネル登録者数12万人の人気YouTuberで

「現実創造研究家」の肩書きをもつKenjiさん

初めての著作なんですが、

Amazon2021年上半期にメンタル・心理学部門

ランキング1位となった本書は、

著者の実体験をもとに書かれていて、

ヘタな心理学者の書いた本よりもずっとわかりやすく

人間の心のしくみを解き明かしています。

 

⑲の著者は、景気循環について

主に太陽の黒点活動というファクターとの因果関係を

研究しているエコノミストとしては異端的な人物。

コロナウィルス感染者数(PCR検査陽性者数)が

なぜ増えたり減ったりするのか、

その原因については、おそらくウィルスという

仮想敵を追いかけ分析するだけでは

解き明かすことには限界があり、

もちろん現段階では仮説にすぎないけれども、

たとえば本書のような、太陽活動や気候変動が

人間に及ぼす影響などを視野に入れて考えることの

可能性と必要性を示唆しているように感じた1冊。

 

⑳は、2003年に書かれた著者の第1作。

小説形式で書かれたビジネス書としては

古典的著書と言っていい本書を、

ビジネス書をほとんど読まないわたしが

この場で20番目にセレクトしている理由は、

たぶん本書を手に取って読んで下されば、

どなたにもわかっていただけることでしょう。

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