寺子屋塾

孔子と門人・冉求との対話(「論語499章1日1章読解」より)

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孔子と門人・冉求との対話(「論語499章1日1章読解」より)

孔子と門人・冉求との対話(「論語499章1日1章読解」より)

2022/02/13

論語は全部で499章あるんですが、

2019年の元旦から2020年5月13日まで

約1年半の間、1日に1章ずつ読んで

その内容をfacebookに投稿することを

日課としていました。

 

昨年11月の半ばに

そのことをふりかえって書いた文を

このblog記事から3回にわたって

ご紹介したことがありましたが、

論語499章のなかでも大事だとおもわれる章を

④古典研究関連のカテゴリーで

少しずつ紹介していく予定です。

 

今日は、孔子と門人・冉求との対話を書いた

雍也・第六の10番(通し番号129)です。


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【雍也・第六】129-6-10
[要旨(大意)]
能力がなくて「できない」とおもっていることは、実はできないと自分で決めつけて、やろうとしていないだけである。

  
[白文]
冉求曰、非不説子之道、力不足也、子曰、力不足者、中道而廢、今女畫。 
 
[訓読文]
冉求曰、子ノ道ヲ説バザルニ非ズ、力足ラザルナリ、子曰ク、力足ラザル者ハ、中道ニシテ廢ス、今女ハ畫ス。
 
[カナ付き訓読文]
冉求(ぜんきゅう)曰(いわ)ク、子(し)ノ道(みち)ヲ説(よろこ)バザルニ非(あら)ズ、力(ちから)足(た)ラザルナリ、子(し)曰(いわ)ク、力(ちから)足(た)ラザル者(もの)ハ、中道(ちゅうどう)ニシテ廃(はい)ス、今(いま)女(なんじ)ハ画(かく)ス。
 
[ひらがな素読文]
ぜんきゅういわく、しのみちをよろこばざるにあらず、ちからたらざるなり、しいわく、ちからたらざるものは、ちゅうどうにしてはいす、いまなんじはかぎれり
 
[口語訳文]
冉求が言った。「先生が説かれる道に心が惹かれないのではありません。わたしの力が足りないだけです」。先生(孔子)が言われた。「力が足りない者は、力を尽くして途中で投げ出すものだ。しかし、今のお前は、初めから自分はできないと決めつけている」。
 
[井上のコメント]
口語訳文と要旨に書いた通りなので、この章の内容そのものに対し、とくにコメントすべきことはないのですが、常々わたしが寺子屋塾の教室で塾生たちに話している言葉とほぼ同じ言葉を孔子が門人に対して語っていて、おもわず笑ってしまいました。本当に、真実はとってもシンプルで、「ただやる」だけなんですが、大脳思考優位の人たちはとくに、この「ただやる」ということができないわけですね。だから、自分の可能性を広げようとするのではなく、なにが邪魔しているかをちゃんと観察するというか、現状把握に尽きるのではないでしょうか。

 

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