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安田理深「問うとは、自明のものを疑うこと」(「今日の名言・その9」)

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安田理深「問うとは、自明のものを疑うこと」(「今日の名言・その9」)

安田理深「問うとは、自明のものを疑うこと」(「今日の名言・その9」)

2022/03/28

 問うということは
 分からないものを問うというのではない。
 問う必要のないほど
 はっきりしたものを疑うのです。
 それが本当の問いです。
 
 自己というのは問うたことがないでしょう。
 自己以外のものは問うけれども

 自己は問わない。
 自明のものだと。
 しかし、自明のものを疑うことが問いなのです。

 

※安田理深(1900~1982・浄土真宗大谷派の僧籍をもつ在野の仏教学者)のことば

 


これは5年ぐらい前にネットで見つけたもので、

twitter安田理深botから取りました。

 

どこから取られた言葉なのか、出典は不明ですが

こちらの名言集に紹介されている言葉も

深い思索に裏打ちされているものばかりです。

 

安田師は、wikipediaの記述によれば、

その学識の広さ深さから

何度も大学教授などの誘いがありながら、

生涯にわたって無位無官を貫かれたという方。

 

残念ながら著作には今までご縁がなかったのですが、

たくさんあるようなので、

いずれ手に入れて読んでみたいとおもっています。

 

 

さて、この言葉を読んで最初におもいだしたのは、

2022年3月に没後10年を迎えた

吉本隆明さん生前の最後の肉声を収めている

『フランシス子へ』という本に書いてあった

最近、知り合いの精神科医の先生とふたりで

「ホトトギスの会」をつくったという話。

 

「ホトトギスの会」のホトトギスとは、

皆さんよく知っている鳥のことなんですが、

そのホトトギスが実在しているということを

どうやったら証明できるのかを研究する会で、

吉本さんは、古本屋の主人に頼んで、

ホトトギスのことを書いてある本を探してもらい

四万円分も買って読んでみた。

 

だけど、要するにみんなホトトギスのことは、

最初っから「いるもんだ」って思いこんでいるから、

紋切り型になっちゃって

「いる」って感じが全然しないし、

ちゃんと書いてある本は

簡単に見つけられなかったんだと。

 

まさに、「自明のモノを問う」という話ですね。

 

また最近では、この世の中に、

新型コロナウィルスというものが存在していて、

そのウィルスが原因となって

感染症という病気を引き起こすという話がありますが、

そう考えられるようになったのは、

たかだか150年ほど前のこと。

 

たしかに、時代が新しくなるにつれて

科学や医学は進歩してきていると言われています。

 

でも、その一方で「進歩」というのは、

ある一定の条件や環境を前提とし、

ひとつのモノサシに基づいて言える言葉であって、

あくまでひとつの仮説にすぎないという話もあり、

その仮説は、果たして本当に

正しいと言えるのでしょうか?

 

さて、あなたならば、

どうやってその仮説の正しさを証明しますか?

 

みんなが「これが正解だ」と言っていることを

疑いもせず信じることと、

みんなに「自明のこと」とされていることを

問うことと、

どちらが大切だとおもいますか?

 

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