どうしたら質問力を高めることができますか?
2022/06/03
昨日書いた記事に、
コミュニケーションにおいて、
自ら問いを立てる姿勢の大事さや、
学習者自身から問いを発することの大事さについて
認識を深めてほしいという想いから、
インタビューゲームを
寺子屋塾における最も重要なプログラムに位置づけ、
体験出来る場を定期的に設けたり、
インタビューゲームの3つのルール
1.何を聞いてもいい
2.答えたくないことは答えなくていい
3.聞かれていなくても話していい を
そのまま教室でのルールとしてたりしてきました。
わたしは塾生たちから
どんな問いを投げかけられても困らないように、
わたし自身が常日頃から何がわかっていて、
何がわかっていないかについて
自覚的であろうと努めるのみならず、
わからないことに対して問いを立て、
その問いをさらに考察して深めたり、
関連する問いをいつも模索したりしているわけです。
と書きました。
では、どうしたら問う力、質問力、対話力といった力を
高めることができるのでしょうか。
5/26に書いた記事
講座で事前に課題を出していた意図について
には、
毎回受講生全員に、
講座で使用するテキストを事前に送付し、
「テキストを読んで3つ質問を考えてくる」という
課題を出していました。
と書いたんですが、その講座で、
「どうしたら質問力を高めることができますか?」
という質問を頂いたことがあり、
そのときは、次のような話をしました。
そうですね、「質問」「問い」「対話」に関する
本がたくさん出版されていますから、
そういう本を読むことも大事だとおもいますが、
残念ながら本を読むだけでは、
質問力を高められることは
あまり期待できないんじゃないでしょうか。
わたしもそういう本を100冊ぐらい読みましたが、
読んでヨカッタなとおもえるような本は、
そのうちの10冊ぐらいでしたし。
でも、100冊読んでみて、読んで価値のある本は
10冊ぐらいなんだと気づくことができれば、
100冊読んだことも
あながち無駄ではなかったかもしれません。
それで、ご質問は、
質問力がどうしたら育つかでしたね。
「問いを3つ書いてきて下さい」という
事前課題だったのに、
付箋は10枚入っていたでしょう?
あれ、どうしてだとおもいましたか?
『集団創造化プログラム』のテキストは
難しいコトがたくさん書いてあるので、
3つしかおもいうかばないことって
まず、ないので、最低でも10個ぐらいは楽に
おもいうかぶじゃないかとおもうんですね。
だから、まず10個書き出してみるんですよ。
それで、その書き出した10個の中から、
自分で3つに絞り込んでみる
という風にやってみましたか?
ポイントは、「問いを3つ書いてきて下さい」という
事前課題なのに、
「なぜ付箋が10枚入っているんだろう?」
という風に、問いが浮かんだかどうかなんですね。
10枚の中から3枚に絞ってみることを
繰り返しやっていれば、
情報の集約度は自ずと上がっていくし、
自分にとって大事なものは何なのかという軸も
自然に育っていくわけです。
つまり、質問力を身につけようとするのでなく、
結果として質問力が身に付くような行動を
あたりまえのようにやり続ければいいわけで、
ふだんからそういうふうに
思考回路を鍛えようと心がけるだけでなく、
それを日常のなかで実践していることが
大事だとおもうわけです。
講座の最初にインタビューゲームを
体験して頂いたんですが、
あのプログラムは、インタビュアーが主役で、
聞く側が問いを発して聞かないことには、
コミュニケーションが始まらないんですね。
それと、1回やってそれで卒業ということはなく、
わたしも今までに100人以上の人とやりましたが、
一度もうまくやれたなとおもえた試しがありません。
でも、一度もうまくやれたなとおもえていなくても、
その都度やったことを丁寧にふりかえって
気づいたことを整理していくということを
100人の人とやり続ければ、
結果として、それをやる前とは
まったく違うコミュニケーション観が
自分の中に生まれてきたりするんですね。
「ゲーム」と名づけているのは、
楽しみながら何度でも繰り返してやってほしいという
おもいがあってのことなんですが、
「自分から質問する」
「躊躇無く問いを出す」スタイルの
コミュニケーションを
どう日常化していくかが大事なんです。