失われた30年 その原因はどこに?(解答考察篇2)
2023/02/19
昨日投稿した記事では、2/7のblogに書いた、
失われた30年 その原因はどこに? という問いの
解答について、出口治明さんや森嶋通夫さんの考察を
ご紹介したんですが、今日もその続きです。
森嶋通夫さんが『なぜ日本は没落するか』に
書かれている話で、
わたしがナルホドとおもったことのひとつは、
日本が戦後に経済発展した理由と、
この30年間の経済が停滞してる理由は
どちらも同じで、
そこには日本の教育システムの問題が絡んでいる
という指摘でした。
本をお持ちでない方は、次の記事などを
ご覧になってみてください。骨子がわかります。
昨日の記事にも書いたように、
森嶋さんは2004年に亡くなられているので、
森嶋さん自身のナマの声を伝える情報や記事は
ネットで検索してもあまり出てきません。
それでも、2000年に日本生命の主催で行われた
イベント「未来日本への警鐘」での
森嶋さんの基調講演や、その後に行われた
パネルディスカッションのやりとりが書き起こされて
PDFファイルで読めるようになっていますので、
アクセスしてみてください。
さて、今日は考察その2として、
最近このblogでは頻繁に登場している
山口周さんの考察をご紹介しようとおもいます。
時間のある方は、つぎのYouTube動画のうち、
前半の山口さんの講演部分(50分)だけでも
ご覧になってみて下さい。
山口さんは、なぜ日本経済が停滞しているのか
という問いに対し、とてもシンプルに、
「優秀な人が一所懸命仕事をしたから」と
ひとことで答えられています。
「えっ? どゆこと?」っておもいますよね?
その事例として携帯電話の話をされているんですが、
2007年の時点で日本企業は、
携帯電話市場においてまだまだ元気で、
こんな風にたくさん携帯をつくっていました。
ところが、15年経ってこんにち
日本企業で携帯電話をつくっている企業は
ほぼ無くなってしまっています。
なんと4兆円市場が消えてしまった!
ボロ負け!惨敗!
その理由のひとつに山口さんが挙げられているのは
2007年にアップル社が発売したiPhoneの登場でした。
マーケティング戦略に則って、
顧客調査をきちんとやって統計分析し、
商品デザインをしてつくってきた日本企業が惨敗!
かたやアップル社のように、顧客調査を全くせず、
自分たちがワクワクする製品をつくる
わがままな会社が
いまや世界のトップ企業に。
客観が主観に負けてしまったんです。
つまり、これまでの世の中においては、
客観的な視点を踏まえながら、
問題の解決を正確かつ迅速にできる人が
「優秀な人」と呼ばれてきたわけですが、
冷蔵庫や洗濯機、エアコンなどは、
どこの家庭にも普通にあるようになり、
便利なモノに溢れる現代。
いうなれば、生活の中での困ったこと、
つまりその解決すべき〝問題〟自体が、
こんにちでは少なくなってしまったと。
では、次の時代のトレンドは?とか、
具体的にどうすればいいかについては
少し前に投稿したこちらの記事などにも書きましたし、
タグ山口周からたどっていただくか、
などの著書をご覧ください。
本書の骨子はこちらの書評記事にほぼ書かれています。
長い記事ですが、前半と後半が何故か
まったく同じ内容でダブっているので、
半分読めば大丈夫です。