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「ヨシタケシンスケ展かもしれない」を観てきました

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「ヨシタケシンスケ展かもしれない」を観てきました

「ヨシタケシンスケ展かもしれない」を観てきました

2023/02/21

昨日の記事ではヨシタケさんの名言を

ご紹介したんですが、

名古屋の矢場町にある松坂屋美術館で開催されていた

「ヨシタケシンスケ展かもしれない」を

1/13(金)に観てきました。

冒頭の写真は、

絵本専門雑誌「MOE」2022年5月

「ヨシタケシンスケ展かもしれない」特集号

会場で手に入れたクリアファイルです。

 

「はじめに」

この展覧会の一番の見どころは?

ヨシタケさん曰く

「この展覧会に来ているお客さん」つまり、

わたしのような物好きな人間とのことです。笑

 

でも、わたしにとって、いちばん

大きなインパクトを受けた展示品はこれでした。

20年間で書かれた枚数の総合計は

2万枚近いとも言われるアイデア&スケッチのうち

約2000枚が次の写真のように

壁一面に展示されていたことです。

これスゴイでしょう?

 

6穴バインダーのミニリフィルですから、

原寸はH120mm×W80mmで、

1枚1枚はこんな感じなんですが。

 

つまり、昨日ご紹介した名言のとおり、

1冊1冊の絵本は、

けっしてそのときの

おもいつきだけでつくられているわけではなく、

どうでもいいような日常の

細々としたことの丁寧な観察と

記録の積み重ねの末に生まれているわけですね。

 

今回の展覧会の開催にあたっても、

ヨシタケさんはA4用紙80枚の

企画についてのアイデアメモを書かれたと

「MOE」の特集号にありました。

 

つぎは、ヨシタケシンスケさんの身長を

絵本を積み上げ高さで示したもの。

それから、ヨシタケさんの書かれたスケッチが

すべてではないですが、

ほとんどが白黒って気がつかれたとおもうんですが、

彼は色を塗ることが不得意なんですね。

 

それで、あるとき

色づけの技術を磨くぞ!と一念発起して

144色のカラーマーカーセットを購入したものの、

10年経ってもほぼ新品状態 (^^;)

 

色を塗る作業は、他の人に任せているらしいです。

 

あと、造形作品もいろいろ。

ヨシタケさんは大学時代は

造形美術を専攻されていたとのことで、

次のは大学時代の作品。

西日

ぶくぶく観音

「ハンガーなで肩」って笑えますネ〜


 

ようするに、立体物がお好きなようで。

次のは船の模型イロイロです。

こんな風に変わった形をしている立体物を

いろいろコレクションしては、

スケッチして絵本の素材にしてしまう。

(『それしかないわけないでしょう』より)

 

これは入口に置いてあったもので、

こういう展示作品じゃないものまで

展示物にしてしまうアイデアが

ヨシタケさんならではの発想ですね。

 

あと、おもわず「クスッ!」と笑ってしまう

こんなものも会場のあちこちに。

 

1冊の本が、どういうきっかけから生まれ、

アイデアメモから

スケッチ

構成、

原画まで、

創作プロセスが垣間見える展示でした。

 

 

ヨシタケさんの経歴で面白いところは、

「絵本作家になりたいとおもったことがなかった」

ってところですね。

 

それにもかかわらず、毎年

全国の絵本屋さん3000人に聞いて決めている

年間ランキングの

第13回MOE2020絵本屋さん大賞では、

『あつかったら ぬげばいい』が

第1位のグランプリを獲得しただけでなく、

12位までにヨシタケさんの絵本が

なんと5冊も入っているんです。
 

 

40歳で絵本作家としてデビューというのは、

キャリアとしては遅咲きの方と言えるでしょうが、

それまで積み重ねられたストックの厚みが

尋常では無かったという風にも言えるわけで。

 

デビュー作で代表作とも言われている

『りんごかもしれない』は、

編集者さんから

「絵本を描いてください」って言われたから

描いてみようということになったもので、

「リンゴをいろいろな視点から見てみたら、という

お題に答えてください」と提案されなければ

描けなかった作品とのこと。

 

だから、これが最初で最後の絵本だとおもって

自分の好きな絵本を全部読み返し、

嫌いだった絵本を全部おもいだし、

自分の好きな要素を全部入れてやろうと

おもいっきり、自分自身がたのしみながら

描かれたとのこと。

 

わたし自身、学生時代は教育の仕事に就きたいと

おもったことがなかった人間だったので、

こうした話には、より共感するんですが。

 

あと、優れた創作物は、

けっしてその人ひとりだけの力で

できているのではないということを

常々実感しているんですが、

ヨシタケさん自身が、自分は編集者さんから、

テーマをもらえないと描けないということを

誰よりも自覚されていて

結果的に、自分ひとりの力だけによらない

優れたコラボレーション作品が

生み出されているんだということが

とてもよくわかる展示内容でした。

 

グッズ売り場の入口にはこんなものが。笑

 

ひさしぶりに行けてヨカッタと心の底からおもえる

たのしい展覧会でした。

 

「ヨシタケシンスケ展かもしれない」公式サイト

によると、2023年はいまのところ、

鳥取と福岡で開催がきまっているようですが、

たぶん他でもやりたいというところが

続々とでてくるんじゃないでしょうか。

 

展覧会に行けず、ヨシタケさんのことを

もっと詳しく知りたいとおもわれた方には、

『ものは言いよう』を読まれることをオススメします。

 

 

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