何も目指さない世界に安心していられること(つぶやき考現学 No.37)
2021/12/20
「ただやる」といっても、
「やりさえすればいい」
ということではありません。
むしろ、目的や結果、効率ばかりを
重視していくと、
だんだん「やりさえすればいい」に
なってしまうのではないでしょうか。
でも、プロセスに着目すれば、
「どのようにやるか」に
次第に意識が向くようになっていくんです。
「どのようにやるか」に意識が向かうと、
「自分がどうすればいいか」よりも、
「どういう自分でありたいか」が
大事だということが見えてくる。
「毎日やる」は、
目的ではなく前提なんです。
だから、「毎日やる」を
目標や目的に置いている限り、
未来に目指している何かがある限り、
たぶん、できるようには
なっていかないことでしょう。
目指すのでなく、
おのずと毎日できてしまうような
自分であるためには、
いつ、いかなるときも、
自分自身から目を離さないことなんです。
頑張らなくてもその姿勢が持続し、
あたりまえになってくると、
いま、ここを大事にして、
余計なことを考えずに、
「ただやる」しかないんだということが
きっと納得できることでしょう。
つまり、「ただやる」とは、
言い換えれば、何も目指さない世界に
安心していられることなんです。(2019.6.20)
※井上淳之典のつぶやき考現学 No.37