目の前の事実をありのままに見ること(つぶやき考現学 No.94)
2022/01/14
あの・・できない体験って
何ら否定的な現象じゃないんですよ。
にもかかわらず、それを
否定的な現象だとおもってしまうのは、
その事実をちゃんと事実として
受けとめていないというか、
あなた自身が「否定的」に
見ようとしているだけなんです。
言い換えれば、目の前にある
「できない」事実だけを見ているのでなく、
自分が過去に形づくった記憶や観念をもとに
「できない」事実に対して、
否定的な評価を意味づけしながら
見ているからなんですね。
つまり、目の前の事実と
自分が意味づけしている観念の世界と
混同したものを事実だと勘違いして
おもいこんでいるためで、
ひとことでいうなら、
目の前のことを見ているようでいて、
ちゃんと見ていないという
ただそれだけのことなんですが。
だから、できない体験が
なぜ大事なのかというと、
自分のつくった「観念」の方にではなく、
いま体験している目の前の事実だけに
意識を向ければ、
「否定的な現象」なんてものは
どこにも存在しないということに
気づくことができる
またとないチャンスだからです。
いま、ここで起きていることだけを
事実としてちゃんと受けとめ、
その事実と自分の「観念」とを
切り離して見ることさえできれば、
どんな事実も
何ら否定的な現象などではなく
だれもが「肯定的」な現象だと
気づくことができるからなんです。(2019.4.2)
※井上淳之典のつぶやき考現学 No.94