早川義夫『たましいの場所』より(「今日の名言・その5」)
2022/02/07
思想書に思想が書かれているとは限らず、
思想も芸術も猥褻も、
良い本と良い本屋と良い客 より |
いつだったか正確にはおもいだせないのですが、
わたしが早川さんのことを初めて知ったのは、
『ぼくは本屋のおやじさん』を読んだときでした。
初版が1982年なので、たぶん20代前半の、
離転職リピーターだった頃、
本屋という仕事に興味があって手に取ったのが
動機だったように記憶しています。
早川義夫といわれてピンと来ない方でも、
わたしと同世代あるいは同世代以上の方なら、
1972年に3人の女子大生グループ
「サルビアの花」といえば
記憶されている方があるかもしれません。
早川さんがジャックスのメンバーとして
活動されていたのは60年代後半ですから、
その当時小学生だったわたしには接点がなく、
著者が「サルビアの花」の作者で
ミュージシャンだったと結びついたのは
だいぶ後からでしたが。
早川さんとわたしとの共通点を
4つ挙げるとするなら、
①音楽と詩をこよなく愛している
②本屋さんがやれちゃうぐらい本好き
③シャイで無邪気で子どもみたい
④エッチなこと大好き・・・笑
その早川さんが23年経営された書店を閉じられ
ミュージシャンに復帰された1994年は、
ちょうどわたしが寺子屋塾を始めた年でもあり、
べてるの家のご縁でつながった
北海道浦河町の知人Kさんが早川さんの
新しいアルバム「この世で一番キレイなもの」
のことを教えて下さり、
出逢い直しとなったのです。
さて、前置きが長くなってしまいました。
そもそも書物とは、出版され、
多くの人の目に触れるものですから、
ある1冊の書物を書物たらしめているものは、
社会的な視点、社会的な価値であることが
少なくありません。
たとえば、わたしがある1冊の本に
猥褻さを感じたとしましょう。
でもそれは、社会がその本を
猥褻な本だと認めているから
猥褻を感じるのではありません。
社会が規定するものと、
自分の心の内側から沸き起こってくるものとを
混同しないようにありたいものです。