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1月度の易経実践ふりかえりと易経入門講座のこと

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1月度の易経実践ふりかえりと易経入門講座のこと

1月度の易経実践ふりかえりと易経入門講座のこと

2022/02/06

これから日曜は、易経、仏典、論語などを素材に

古典研究カテゴリーの記事を書いていきます。

 

まずはお知らせから。

2/27(日)から易経の入門講座がはじまります。


月1ペースで4月まで第4日曜に開催し

全3回で1コースとしますが、

全回出席できなくても1回だけの参加もOKです。

 

詳細はこちらのfacebookイベントページ

ご覧いただければとおもいますが、

内容についてはあまり詳しく書いていないので、

直接井上まで気軽にお問い合わせください。

 

定員がすくないので、申込みはお早めに!

 

 

つぎに、易経実践グループ1月度のふりかえりです。

 

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2022年の年筮 26.山天大畜の六五(さんてんたいちくのりくご)


1月の月筮 28.沢風大過の九五(たくふうたいかのきゅうご)

 

1/1(土) 33.天山遯の九四(てんざんとんのきゅうし)
1/2(日) 31.沢山咸の上六(たくざんかんのじょうりく)
1/3(月) 14.火天大有の九四(かてんたいゆうのきゅうし)
1/4(火) 10.天沢履の初九(てんたくりのしょきゅう)
1/5(水) 49.沢火革の九四(たくかかくのきゅうし)
1/6(木) 59.風水渙の九二(ふうすいかんのきゅうに)
1/7(金) 40.雷水解の六五(らいすいかいのりくご)
1/8(土) 52.艮為山の上九(ごんいざんのじょうきゅう)
1/9(日) 44.天風姤の上九(てんぷうこうのじょうきゅう)
1/10(月) 52.艮為山の九三(ごんいざんのきゅうさん)
1/11(火) 62.雷山小過の九三(らいざんしょうかのきゅうさん)
1/12(水) 64.火水未済の六三(かすいびせいのりくさん)
1/13(木) 42.風雷益の六四(ふうらいえきのりくし)
1/14(金) 55.雷火豊の初九(らいかほうのしょきゅう)
1/15(土) 18.山風蠱の九二(さんぷうこのきゅうに)
1/16(日) 33.天山遯の九三(てんざんとんのきゅうさん)
1/17(月) 21.火雷噬嗑の六三(からいぜいごうのりくさん)
1/18(火) 56.火山旅の九三(かざんりょのきゅうさん)
1/19(水) 48.水風井の初六(すいふうせいのしょりく)
1/20(木) 20.風地観の初六(ふうちかんのしょりく)
1/21(金) 24.地雷復の九三(ちらいふくのきゅうさん)
1/22(土) 61.風沢中孚の六四(ふうたくちゅうふのりくし)
1/23(日) 05.水天需の九二(すいてんじゅのきゅうに)
1/24(月) 45.沢地萃の上六(たくちすいのじょうりく)
1/25(火) 51.震為雷の上六(しんいらいのじょうりく)
1/26(水) 05.水天需の初九(すいてんじゅのしょきゅう)
1/27(木) 05.水天需の上六(すいてんじゅのじょうりく)
1/28(金) 19.地沢臨の六四(ちたくりんのりくし)
1/29(土) 35.火地晉の上九(かちしんのじょうく)
1/30(日) 04.山水蒙の六四(さんすいもうのりくし)
1/31(月) 39.水山蹇の初六(すいざんけんのしょりく)
 

※爻について
初 6回
二 3回
三 7回
四 7回
五 1回
上 7回

内卦16回 外卦15回
陰爻14回 陽爻17回

 

※コメントとして書いたこと(抜粋)

 

●八純卦(重卦)のひとつ艮為山ですが、物事をありのままに見る〝心のあり方〟がテーマの卦と言ってよいでしょう。卦辞を読むと、他の純卦はすべて「元亨利貞」四徳のいずれかが備わっているのに、何故かこの卦にだけはひとつもなく、ただ「咎(とが)なし」とあります。宋学を大成した朱子(1130〜1200)はこの卦を64卦のなかで「最もよき卦」と賛嘆したとの言い伝えも。人はとかく欲につき動かされ、勝手なおもいこみをし、虫のいい期待に胸を弾ませるものです。世の中の事象がいかに目まぐるしく動こうとも、己の心さえ止まるところに止まっているなら、迷うことも振り回されることもなく、すべて落ち着くべき処に落ち着くから、易の作者もこの卦にだけは、四徳の施しようがなかったのかもしれません。(2022.1.8)

 

●1/8と同じ艮為山が出ました。64卦のなかには山雷頤や火雷噬嗑、風沢中孚など、卦象の形からも意味が読み取れる卦がありますが、初二、三四、五上の各二爻をワンセットで考えることがあります。大成卦の雷天大壮であれば、小成卦の兌(沢)を含んでいるわけで、雷天大壮を兌の詮卦と呼んでいます。たとえるなら、大きな絵画を少し距離を置いて見ることで、全体の形が良く見えることとも似ていると言っていいでしょう。2日前に、艮為山について「物事をありのままに見る〝心のあり方〟がテーマの卦」と書きましたが、風地観の詮卦が艮(山)であることと関連づけられると、そのことが納得できるようにおもいます。乾と坤は詮卦がそれ自身同じなので、詮卦をもつ卦は次の6つと言われています。
雷天大壮(らいてんたいそう)→兌(沢)
風沢中孚(ふうたくちゅうふ)→離(火)
地沢臨(ちたくりん)→震(雷)
天山遯(てんざんとん)→巽(風)
雷山小過(らいざんしょうか)→坎(水)
風地観(ふうちかん)→艮(山)
  (2022.1.10)

 

●火水未済の六三は、爻辞を読むと「進めば凶」とあるのに「大川を渡るのに利あり」と矛盾する内容になっているために、解釈が難しく、本当は「不利渉大川」で「利あらず」と書いたつもりが「不」が抜け落ちてしまったという見方まであるようです。本田濟『易』には、「周易折中」を挙げ、三爻は下卦の最終、険難を脱して事を成し得る時であるのに、陰爻で気弱く、自ら努力しようとしないからコトは済らない。位が「不中」「不正」だから、積極的に行動すれば凶。だが、臆病な慎重さの故に、下卦「水」を脱しようとしていると見て、大川を渉るには有利であるとしています。未済は全爻が不正なので、力はないが、全爻が応じているので、用意周到に準備し、まわりの力を借りようとする姿勢があれば、良い結果につながるだろうという見方は、無理がないように感じました。(2022.1.12)


●山風蠱の「蠱」は、今日の日本ではほとんど見ない漢字ですが、訓読みで「まどわす」「たぶらかす」で、形の通り皿の上に虫が3つということで、お皿の食べ残しが腐って虫がわいている状態で、イメージしやすいでしょう。11.地天泰の状態でいい気になりすぎ、初爻と上爻が入れ替わったのに、中味(二爻から五爻まで)はそのままで腐ってしまったわけです。あと、爻辞には父母の失敗の後始末をするといった言葉が見られるのですが、ようするに親(家族)の問題、内部的な問題にどう向き合うかがこの卦のテーマなのでしょう。綜卦の関係にあるひとつ前の17.沢雷随(したがう)とどういう対比にあるかが見つけにくいかもしれませんが、人で見ると、沢雷随は沢→三女(若い女性)を雷→長男(年上の男性)が追いかける状態、山風蠱は山→三男(若い男性)を風→長女(年上の女性)が誘いかける状態となり、「蠱惑(こわく)」という熟語もあり納得できます。あと、卦辞の「先甲三日、後甲三日」の解釈が難しくいろんな説があるのですが、「3日前から準備をして3日のうちに終わらせる」と訳して「迅速さ、用意周到さ」の意味に捉えるのと、十干で見て「甲」の3つ前は「辛」で、3つ後は「丁」であることから、「辛抱強く、丁寧に」の意味に捉えるのと二通りあるようです。(2022.1.15)


●天山遯の「遯」は、豚に辶がついているんですが、豚は逃げ足の速い動物であることから、逃れる、退く、避ける、隠れるという意味になったとのこと。7月(旧暦6月)を示す十二消息卦のひとつで、乾為天(0)→天風姤(1)→天山遯(2)→天地否(3)と陰がだんだん増え陽を消し去ろうと下から迫ってくるので、4つの陽爻が上へ逃げていくと見るわけです。小人には、教育を施して導いたり、制するために争うなどいろいろな対処方法があるわけですが、闇昧な小人から身を守る保全策としてなら、逃げるという手もアリだと。「三十六計逃げるに如かず」「逃げるは恥だが役に立つ」ということわざもあるくらいなので。三爻は後ろ髪を引かれて右往左往しているとありますが、6つの爻辞がそれぞれ逃げ方に個性があってオモシロイです。(2022.1.16)

 

●「噬嗑(ぜいごう)」とは日常ではほとんど聞かない言葉ですが、異物を噛み砕くという意味。中国は漢字の生まれた国ですから、漢字でいう象形文字のような発想と同じ感覚で、卦象が6本の爻の形からもイメージできるものがあり、火雷噬嗑もそのひとつです。主治医の豊岡憲治先生がご存命だった頃、半年に1回の定期検診でいつも最後に易を立てて下さったんですが、火雷噬嗑だったときが何度かあり頻度が一番多かったので、この卦が出るたびそのことをおもいだします。たとえば、2006年夏、先生のところに通い始めたときの治療目標だった鬱症状については、2015年夏に待望だった山天大畜が出て「ほぼ寛解したようだ」と言われ(病気が治って状態が良くなると山天大畜が出る)、しかもその半年後の2015年冬が雷水解だったので(雷水解は「難問解決、この好機を活かす、残っている問題はこの機会に片づける」)、ほぼ問題はクリアされたと考えていたんですが、2016年夏に診て戴いたときに3度目の火雷噬嗑が出たのです。それで、もし、まだ残っている課題があるとすれば何だろうということで、「障害を噛み砕く」火雷噬嗑の卦意から、心身の状態が良くなったことで気持ちが少し緩んで、食べ物に対していい加減な姿勢になっていたことにおもいあたり、ナルホドなぁ!と自分の中で腑に落ちる感覚があったのでした。
豊岡先生の易については、こちらのblog記事などを読んでみて下さい。(2022.1.17)

 

●昨日は1/17の卦、火雷噬嗑のコメントに豊岡先生のことを書いたんですが、もしかすると1/18の卦はそこから火山旅につながったのかもしれません。というのは、2006年6月頃、鬱症状がかなりひどくなって仕事や生活面に大きな支障が生じたため、治療に専念しようと腹を括って毎日インターネットを検索していて、漢方と生活指導を中心にされているとよおかクリニックを発見。当時クリニックは青森市内にあったんですが、全国探しても豊岡先生のような治療を行っているお医者さんはなかなか見つからず、訝る妻を説得し、病院の近くにある宿を予約して青森行きを決めたのは8月のお盆過ぎの頃のことでした。結局青森には9/3から9/9まで1週間滞在したんですが、その青森行きを占って出た卦が火山旅で、しかも爻まで同じ九三だったことをおもいだしたからです。そのとき、「旅先で宿が火事に遭い・・・」の爻辞を読んだときには、さすがに絶望的な気分になったものでしたが、幸い旅館の火事には遭わずにすみました。でも、その当時の自分の状態がまさに火山旅の卦の通りで、どうしてそういう状況のときに、64もある卦の中でこれを出してくるのか、易は何でもお見通しのようで本当に恐れ入ったものです。火山旅の卦辞「旅。小亨。旅貞吉。 」はなかなか意味深で、旅行に行くなと禁止しているわけではないし、「すこしは通る」とも書かれていて、必ずしも凶意ばかりを示していません。「貞なれば吉である」とはつまり、あくまで行きたくて出かける旅ではないけれど、明晰さと不動心を失わなければ、そうした失意の旅の中にこそ意外なチャンスが転がっているんだとも受け取れますから。もちろん、こうしていまになってふり返ってみて初めて言えることではありますが、その青森行きがきっかけとなって長年苦しんだメンタルの課題が解決し、まさにその卦辞の通りになったのです。(2022.1.18)

 

●八卦の順序と成り立ちは、易経では基礎中の基礎なのでしっかりと理解しましょう。乾→兌→離→震→巽→坎→艮→坤(けん だ り しん そん かん ごん こん)と何度も呪文のように唱えていれば、自然に憶えてしまいますから。震(雷)の卦徳は「動」で、動くことは陽の性質のひとつではあるんですが、乾から数えて4番目にあって一番陰に近く(陽の最後尾で陰との境界)、健やかなる乾とはちょっと違うわけで、ガッキー主演2018年のTVドラマ「けもなれ(獣になれない私たち)」に登場していた九十九社長のような震為雷です。笑。(2022.1.25)

 

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