寺子屋塾

自分の可能性を自ら切り開く人間はいかにして育つか

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自分の可能性を自ら切り開く人間はいかにして育つか

自分の可能性を自ら切り開く人間はいかにして育つか

2022/04/05

こちらのblogにどんな記事を投稿するかについて

記事カテゴリーを曜日別に設定したのが

2月1日でしたので、これで2ヶ月間

このスタイルで書いてきたことになります。

 

途中、塾生の学習ふりかえり文を4ヶ月分

まとめて全部紹介したかったときだけ、

曜日別のルールを外し、3/5から3/13まで

9日間連続で同じテーマで書いた時がありましたが、

他の日は、決めたカテゴリーに沿った内容の記事を

投稿してきました。

 

このやり方で2ヶ月間続けてみて

バランス的にもちょうど良い感触があるので、

曜日別のカテゴリー枠は

これからも原則として継続していきますが、

今後は原則ばかりに囚われることなく

柔軟に運用していきたく、

自分の中に、いまこのテーマで

記事が書きたいという気持ちが起こったときには

あらかじめ設定したテーマに囚われずに

書きたい記事を書くようにしていくつもりです。

 

・・・ということで、今までの通例からすれば

火曜は生活デザイン・ヘルス関連の記事を

投稿する曜日なんですが、

今日はそれよりも書きたいことが出て来たので、

早速そのルールを外して

らくだメソッド関連の話題を書こうとおもいます。

 

 

当塾では、らくだメソッドを開発された

平井雷太さんの提唱される〝セルフラーニング力〟

育つ関わりを大事にしています。

 

このセルフラーニング力というのは、

そのまま訳せば「自ら学ぶ力」とになりますが、

その前提として、何を学ぶかを自分で決める力や、

そのプロセスで生じてくる〝うまくいかない状況〟を

自分でのりこえる力なども含み、

宮台真司さんの言葉(新版の本の帯をご覧下さい)を

お借りするなら、

あらゆる状況で自己推進する力と言っていいでしょう。

 

日常的によく使われる

「自学自習」という言葉を敢えて使わずに、

「セルフラーニング」としている理由は、

日本で「自学自習」という言葉を使うと、

強制的にさせられる自習や

学ぶ内容を先生が決めている印象が強く、

何を学ぶかを自分で決める力という部分が

抜け落ちて伝わりがちなためです。

 

「自ら学ぶ力」が育つ関わりということから、

当塾に小中学生の塾生が入塾された場合、

そのお子さんの保護者の方には、

お子さんに対し「今日はプリントやったの?」や

「今日は教室へ行く日でしょ?(通塾コースの場合)」

といったような声かけ、はたらきかけを

一切しないようにお願いしてきました。

 

・・・とは言っても、現実にこのお願いを

最初から100%守れる保護者の方は

ほとんどいらっしゃいませんので、

保護者の方には、このことが、

らくだメソッドの学習においては

いかに大切であるかを

折に触れてお話しするようにしています。

 

子どもが塾の宿題をやれないとき、

保護者の方には声かけを手伝ってもらうように

お願いする塾が少なくないようですが、

当塾の場合は、その逆ということです。

 

もちろん最近では、大人の塾生が8割以上になり、

小中学生の塾生はほとんど

お母さんが一緒に学習されているので、

後の方の「『今日は教室へ行く日でしょ?』という

声かけをしないで下さいね」という話は、

しなくてもよくなってしまったんですが。笑

 

開塾当初はほとんど小中学生ばかりだったのに

次第に大人が増えて行った理由については、

また日を改めて書いてみたいとおもいます。

 

らくだメソッドを開発された平井雷太さんの著書

『セルフラーニング どの子にも学力がつく』には、

なぜ「自分で学ぶ力」が大事なのか、

セルフラーニングの要所が

端的に書かれた文章があるので、

それを紹介してこの記事の結びとします。


(引用ここから)
ーーーーーーーーーーー
気がついてみればこんな当たり前のことなのに 
なぜ親はその逆ばかりに一生懸命になるのだろう
だれだって勉強ができるようになりたいと思っている 
だれだって自分の可能性を開きたいと思っている。


しかし、自分の子どもだけはそうではないと
うちの子どもは私が何もいわないと
勉強しないと思い込んで
毎日毎日勉強しなさいと声かけて
時には嘆いて、悩んで、絶望して
自分の手には負えなくなると、
塾や家庭教師に任せている... 


これは何も親だけに限ったことじゃない 
学校の教師にしても
嫌がることをむりやりやらせることが
勉強だと錯覚して
せっせと宿題を出して、
やってこなければ罰をあたえている
親や教師が子どものために熱心になればなるほど
がんばればがんばるほど、
勉強ぎらいに拍車をかけて、勉強ぎらいを量産して
こんな現実を日々くり返しているにもかかわらず
性懲りもなく同じことを続けている
 
気がついてみればこんな当たり前のことなのに
なぜ親は、その逆ばかりに一生懸命になるのだろう
だれだって「いわれていやいややる勉強」と
「自分からすすんでやる勉強」では
どちらが本当の学力を育てるかわかっているはずなのに
親はせっせせっせと本当の学力が

育たないやり方を選んでいる
手をかけて、面倒をみて、わからなければ教えて
そんなやり方をするから、
自分から決してすすんで学習しない子ども
いわれたことしかしない子どもが
育っているにもかかわらず
性懲りもなく同じことを続けている
 
だから、私の塾にくる親にはお願いした
「お母さん、この塾に子どもを入れたいなら
 二つだけ約束を守って下さい。 
 1.らくだのプリントやった?

  との声かけを一切しないこと
 2.らくだに行く時間でしょ?

  との声かけをしないこと」 
 
私が塾でやったことは、しないことだけだった 
採点をしない、宿題を出さない、
生徒のやる教材を決めない 
たったそれだけのことで、
子どもの目の色が変わってきた 
私がしなければ、
子どもがするのは当然の結果だったのだ
自分で採点し、自分で宿題の枚数を決め、
自分で学習する教材も決める
 
気がついてみれば当たり前のことだった
子どもの勉強に、
なぜ親や教師が口出しする必要があったのだ 
いわれるからやる気がなくなる、
いわれたことしかしなくなる
だから、親や教師も子どもの勉強に口出ししなくなれば
子どもが自分からすすんで学習するようになるのは
自然のなりゆきだったのだ


子どもが採点をごまかしてもいいではないか
実際の時間より速くできたと申告してもいいではないか
自分の能力以上のプリントに挑戦してもいいではないか
そんなことにめくじらを立て、怒り、
力づくでやめさせる親や教師がいるから
子どもの学習のはずが、
親や教師の学習になってしまったのだ
自分の学習を事こまかに注意してくれる人がいるなら
自分は親や教師のいいなりになっていればいいと
そんな親や教師に自らの学習の管理までを
任せてしまう子どもが育ったのだ
自分の勉強ができない原因を
親や教師のせいにする子どもが育ったのだ
 
だから、どんな学習のやり方をやっていようと
押しつけや強制や命令をしてはいけなかったのだ
そんな学習のやり方をしていて、
困るのは子ども自身
そのことを子どもが自分で気づく必要があったのだ
だから、親や教師は
よけいなお世話さえしなければよかったのだ
子どもが採点をごまかしても、
実際の時間より早くできたと申告しても
自分の能力以上のプリントに挑戦しても、
困るのは子ども自身なのだ
このやり方で学習を続けると、
先に進めなくなると
子ども自身が自覚すれば、
だれからも注意されなくても 
そんなことを永遠にくり返すことはなくなるのだ
 
だから、子どもが自分から

すすんで学習するようになるのは
きわめて簡単なことだった
親や教師がよけいなお世話をやめるだけでいい
自分がいかに子どものじゃまをしているか
自覚するだけでいい
たったそれだけのことで、
自分の可能性を人に頼らず
自ら切り開いていく子どもが

育つ結果になったのだ。(1989.9.14)

 

※写真は1990年に出版された初版と2005年に

 出版された新版の表紙です

 

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