探究型読書について
2022/05/27
金曜は読書関連の記事を投稿しているんですが、
「探究型読書」をご紹介。
探究型読書とは、
2020年8月に出版された『探究型読書』の帯には、
著者の思考モデルを借り、
短時間で高速に情報編集する。
全く新しい読書法。
とあるんですが、
松岡正剛さんが主宰される編集工学研究所が開発した
「自ら考える力」を育てるための、本を活用した
新しい学びのスタイルといってよいでしょう。
令和4年度(2022年)より高等学校では、
それまでの「総合的な学習の時間」に替わって
「総合的な探究の時間」が始まっていることを
ご存知でしたか?
そもそも「本を読む」とはどういうことでしょうか?
編集工学研究所のwebsiteに、
「ものの見方を変える読書」と題された
はじめに からの抜粋が書かれていますし、
また、著者のおひとりである安藤昭子さんが、
2018年に行ったレクチャーとワークショップの内容が
次のページに記されています。
探究型読書「Quest Reading」5つの心得
本質を追求し続けるための、手段としての読書
アマゾンのページにも探究型読書5つの心得について、
概要がわかる説明が出ていますので、
これらをお読みになれば、
「本を手掛かりにして、考えること」を推奨する
新しい読書法について、全体像をある程度掴むことが
できるんじゃないかとおもいます。
2015年秋から開催している読書会つんどくらぶでも、
松岡正剛さんの『多読術』をお題本にしたことがあり、
このblogでも、読書については、
ショーペンハウエルの『読書について』に記された
言葉をご紹介したこちらの記事や、
福沢諭吉の名言を取り上げて書いたこちらの記事など、
これまでにもいろいろコメントしてきました。
むかし、寺子屋では、
よみかき、そろばんを教えたと言われていますが、
本は読んで、書かれていることを理解すれば
それで終わり、というわけではありません。
また、読書とは、
本を読んでいる時間のことだけを
言っているわけでもありません。
どんな本を、どのようにして選ぶか、
読む前に何を考えるか、というところから
既に読書は始まっていますし、
そして、読んだ後も、読んだ本を手がかりに、
いかに考えるかが大事でしょう。
知識は、わざわざ頭の中に詰め込まなくても、
インターネットを検索すれば
イッパイ情報が出て来ますから、
百科事典に手足が生えたような人間には、
それほど価値がないことになりますし
学びのスタイルそのものが、
大きく変化しつつあると言えるわけで。
逆に言うと、インターネットで検索すれば
すぐに出てくるような情報を
頭の中にどんなにたくさん詰め込んでいても
それだけでは仕方がありません。
検索しても出てこないような情報を
自ら生み出せるような知恵を
いかに身につけるかに価値があり、
寺子屋塾ではそうした学びの場づくりを
これからも探究していきたいと考えています。