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アレクサンダー「誰も自分が本当に正しいかどうかは問わない」(「今日の名言・その19」)

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アレクサンダー「誰も自分が本当に正しいかどうかは問わない」(「今日の名言・その19」)

アレクサンダー「誰も自分が本当に正しいかどうかは問わない」(「今日の名言・その19」)

2022/05/30

 正しいことをすることは、

 私たちが最も避けたいことである。

 なぜなら、私たちが「正しいことをしよう」と

 考えること自体が、邪魔するからだ。

 

 すべての人は正しくありたいと願う。

 しかし、誰も「自分が正しいと考えていること」が

 本当に正しいのかどうかを考えようとしない。


※フレデリック・マサイアス・アレクサンダー(1869~1955・オーストラリア出身の舞台俳優、アレクサンダー・テクニークの創始者)のことば


以前に書いたblog記事「起きた問題を楽しむ」

らくだメソッドは、教材の開発にあたって

野口整体の考え方に大きな影響を受けたと

書いたことがあります。

アレクサンダー・テクニークは、

野口整体と全く別のものではありますが、

習慣的な反応から自分を解き放つ技術であり、

その発想や原理という点において、らくだメソッドと

とても親和性の高いプログラムのひとつと

言ってよいでしょう。

 

F.M.アレクサンダーは舞台俳優だったんですが、

ある公演の時、突然声が出なくなってしまった。

 

医師からは「疲れているんだろう」と言われ、

もし本当にそれが原因なら休めば治るわけですが、

一時的に良くなっても、また舞台に出ると、

声がでなくなってしまう状態が続いていたのです。


そこで、自分の身体自体が悪いのではなく、

自分の〝行為〟が悪いんじゃないかと気づくのです。

 

そこから数年にわたって

自分の身体の〝動き〟を観察し続けるなかで、

人間の身体には〝自然な〟方向性(ダイレクション)が

あるとわかり、その自然な方向性を妨げるような習慣を

自分が無意識に身につけてしまっていたことが

声を出なくさせてしまっていたと気づいた。


しかし、〝自然な〟方向性に沿った動きを

自分の意志の力で実践しようとしても、

できないんですね。

 

なぜなら、日常はあれやらなきゃ、これやらなきゃと

次の行動から次の行動へと忙しくて、

そういう行動に追われている日常では、

〝自然な〟方向性なんて意識する暇がありませんから。

 

だから、方向性が自然に出るような状態に

自分がなることが大事なんだと気がついて、

行動自体を抑制する〝インヒビション〟という方法を

見つけ出すんです。

 

つまり、問題は声に関係する口や喉だけでなく、

身体全体の方向性に関わるものであるから、

身体全体の使い方自体を見直す必要があると。

 

そして、身体本来の自然な機能を妨げている

習慣的な体の使い方を変えていくことは、

自分の思考パターンを変えていくことでもあるんだと。

 

 

さて、冒頭のアレクサンダーの言葉についてです。

 

たとえば健康な人は、自分が健康であるということを

意識する必要がありません。

 

正しいことをしようとすることは、

モトの自分が正しくないと認めることですから、

そんなことは何が何でも避けたいことだし、

自然であろうとすることは、

もうその時点で既に不自然な状態だというわけです。

 

よって、人は意識するしないに関わらず、

だれもが自分が正しいと考えて

行動していることになるわけですが、

無意識にのうちに身につけてしまった

自分の行動パターンに

もし、自然に反するような動きがあったとしたら、

そのことにどうやって気づくことができるでしょうか。

 

「自分が正しいと考えていること」が

本当に正しいかどうかに気付くためには、

日常、自分の無意識の行動や思考パターンに対して、

どこまで自覚的な姿勢でいられるかが大切でしょう。

 

アレクサンダー・テクニークや野口整体ではそれを、

身体に直接働きかけるワークとして行うわけですが、

らくだメソッドを活用することで、

類似の発想を学習面で応用することが

可能になるように考えているわけです。

 

※冒頭の画像はこちらのページから拝借しました

 

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