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6月度の易経実践ふりかえり

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6月度の易経実践ふりかえり

6月度の易経実践ふりかえり

2022/07/03

日曜は古典研究カテゴリーの記事を投稿しています。

 

月が替わって7月が始まったので

易経実践グループ6月度のふりかえりを。


前々月5月度のふりかえりはこちらです。

 

6月の月筮 50.火風鼎の初六(かふうていのしょりく)
 方針12.天地否の九四(てんちひのきゅうし)

 

6/1(水) 48.水風井の九五(すいふうせいのきゅうご)
6/2(木) 16.雷地豫の六三(らいちよのりくさん)
6/3(金) 08.水地比の上六(すいちひのじょうりく)
6/4(土) 34.雷天大壮の九二(らいてんたいそうのきゅうに)
6/5(日) 34.雷天大壮の九三(らいてんたいそうのきゅうさん)
6/6(月) 61.風沢中孚の六四(ふうたくちゅうふのりくし)
6/7(火) 18.山風蠱の九二(さんぷうこのきゅうに)
6/8(水) 22.山火賁の六五(さんかひのりくご)
6/9(木) 22.山火賁の六四(さんかひのりくし)
6/10(金) 21.火雷噬嗑の六五(からいぜいごうのりくご)
6/11(土) 40.雷水解の六五(らいすいかいのりくご)
6/12(日) 45.沢地萃の九四(たくちすいのきゅうし)
6/13(月) 28.沢風大過の初六(たくふうたいかのしょりく)
6/14(火) 52.艮為山の九三(ごんいざんのきゅうさん)
6/15(水) 21.火雷噬嗑の六五(からいぜいごうのりくご)
6/16(木) 13.天火同人の六二(てんかどうじんのりくに)
6/17(金) 57.巽為風の初六(そんいふうのしょりく)
6/18(土) 44.天風姤の上九(てんぷうこうのじょうく)
6/19(日) 43.沢天夬の上六(たくてんかいのじょうりく)
6/20(月) 05.水天需の九二(すいてんじゅのきゅうに)
6/21(火) 48.水風井の初六(すいふうせいのしょりく)
6/22(水) 13.天火同人の初九(てんかどうじんのしょく)
6/23(木) 02.坤為地の六四(こんいちのりくし)
6/24(金) 16.雷地豫の初六(らいちよのしょりく)
6/25(土) 17.沢雷随の上六(たくらいずいのじょうりく)
6/26(日) 18.山風蠱の六四(さんぷうこのりくし)
6/27(月) 25.天雷无妄の六二(てんらいむぼうのりくに)
6/28(火) 03.水雷屯の六二(すいらいちゅんのりくに)
6/29(水) 18.山風蠱の九二(さんぷうこのきゅうに)
6/30(木) 11.地天泰の六五(ちてんたいのりくご)

 

※爻について
初 5回
二 7回
三 3回
四 5回
五 6回
上 4回


内卦 15回 外卦 15回
陰爻 20回 陽爻 10回

 

※考察

6月で特筆すべき点は、まず
2日連続で同じ卦が出たのが2回あったこと。

6/4〜5 雷天大壮

6/8〜9 山火賁 

確率的に考えると、64回に1回の割合なので、

2ヶ月に1回ぐらいの頻度なんですが、

易には確率論だけでは割り切れないところが

あるように感じられます。

 

また、同じ卦が続くこととともに、

64卦の順番で隣りにある綜卦が

続けて出たことも特記すべき点でしょう。

 

たとえば、

6/24〜26は16.雷地豫→ 17.沢雷随→ 18.山風蠱 

6/18〜19に43.沢天夬→ 44.天風姤

のように順番に出たり、

順番としては逆ですが、

6/9〜10に22.山火賁→21.火雷噬嗑という風に

続いたことがありました。

 

つぎに、5月は31日のうち24日も陽爻が出て、

陽爻が多かったんですが、

6月は陰爻の方が陽爻の2倍となり

半年を通しての陰陽の比率は

ほぼ1:1に近くなってきました。

 

1月から6月まで、半年分のデータを示すと

次のとおりです。

 

     陰爻   陽爻

ーーーーーーーーーーーーー

1月  14回  17回

2月  12回  16回

3月  19回  12回

4月  17回  13回

5月   7回  24回

6月  20回  10回

ーーーーーーーーーーーーー
半年計 89回  92回

 

短期間でみたときには偏りがあっても、

長期間ではバランスはとれてくるのでしょう。

 

課題としては、月筮として得た火風鼎の初六や、

方針として得た卦爻と

1ヶ月をふりかえっての印象が

あまり重ならないところです。

 

日筮は「これかな」とおもえる日が時々ありますが、

長期的に見てふりかえるということを

もう少し観察の解像度を上げていく必要が

あるかもしれません。

 

さて7月はどうなるでしょうか。

 

※コメントとして書いたこと(抜粋)

 

●雷地豫は一つ前の綜卦である15.地山謙と視点を反転させて考えてみてください。豫卦は楽しむ心、情熱の意味で、動いていく陰爻の側から見ているのに対し、謙卦は謙虚、遠慮の意味ですから、動かない陽爻の側から見ているわけです。卦辞「侯を建て師を行るに利あり」とは、直訳すれば「しかるべき人物を立てて戦を仕掛けてもよろしい」となり物騒な感じがしますが、あくまで戦はたとえであり以前からの計画を実行する好機と解したり、内卦の坤は衆が従う意味をもつので、民を治めることに解したりします。(2022.6.2)

 

●水地比は、坎(水)も坤(地)も上下がシンメトリー(対称形)なので、外卦と内卦をひっくり返した関係でもあり、一つ前の綜卦07.地水師と対比して捉えるとよいでしょう。師は集団を表し、軍隊であり戦う意味をもつ卦ですから、吉本隆明さん的に言えば共同幻想の領域。それに対して比は二者関係を表し、パートナーシップで親しむ意味合いをもつので対幻想の領域といえるでしょう。五陰一陽でただひとつしかない五爻の陽爻に親しもうとして集まってきますが、卦辞に「後夫は凶」とあるように、なかにはよろしくない者も混ざっていて、各爻はどのように交わるかを具体的に述べているわけです。爻辞の説明に記した通り後夫とは上六のこと。(2022.6.3)

 

●山火賁の「賁(ひ)」は、卉(「草」「盛ん」を意味する漢字)と貝の合字で、色美しい貝、彩りという意味から転じて「飾り」を表すようになった卦で、一つ前の綜卦21.火雷噬嗑(ぜいごう)との対比について考えてみて下さい。賁は「表面を飾る、見栄えを良くする」ことから cover の意味、噬嗑の噬は「嚙むこと(→震→雷)」、嗑は「合うこと(→離→火)」で、「余分なものを除去する」ことから discover の意味になるので、逆の方向性であることがわかりやすいかと。賁は、ものの価値をより効果的にするために粧うことで、表面を飾って中味を誤魔化すことではありません。食べ物も綺麗な器に盛り付けることで、より美味しさが引き立つわけですが、かといって器を食べるわけではありませんから、不相応に凝った器に盛り付けたり、器だけに気を取られてしまったりするのは困るわけです。飾ることはともするとそういう傾向に陥りやすく、卦辞に「小さなコトなら進んでよい→大事を為すときではない」とあり、六五の爻辞も質素倹約を吉としているのは、そうした虚飾に走る姿勢の戒めと解するのが妥当でしょう。(2022.6.8)

 

●沢地萃は「集まる」意の卦ですが、綜卦である次の地風升と対で捉え方を考えてみるとよいでしょう。いずれも四陰二陽の組み合わせでできているんですが、萃は陽爻に陰爻が集まってくるという風に陽爻の側から見ているのに対し、「昇り進む」意の卦である升は、陰爻が陽爻に向かって進んで行くという風に、陰爻の側から見ているわけです。また、萃がエネルギーを溜めるということで内側に向かう陰の方向とすれば、升は溜めたエネルギーを使って外側に向かう陽の方向という捉え方もできるでしょう。6/12はインタビューゲーム4時間セッションで、終了後も打ち上げ懇親会があり、まさに人やモノがさまざま集まってくる沢地萃の1日でした。(2022.6.12)

 

●沢風大過は、上下対称の卦象のため綜卦は自分自身ですから、まずは陰陽を反転させた錯卦27.山雷頤との関係を考えてみるとよいでしょう。頤は「養う・摂取・費やす」意味の卦でしたから、大過は口から食べ物を入れすぎ、頭に情報を詰め込み過ぎ、養分摂り過ぎでオーバーフローの状態と捉えればよいでしょう。卦辞に「棟撓む」とあり、大きな柱が曲がってしまうほど無理がかかった非常事態でもありますから、「制御・削減・淘汰」をどのように進めて行くかがテーマとなります。もうひとつは、二陰四陽の大過に対して、四陰二陽の62.雷山小過があり、陽が過ぎることと陰が過ぎることの対比関係に注意することで、この卦をより深く理解できるように感じました。あと、通常は正位(陽位陽爻・陰位陰爻)が良しとされるところが、この卦では逆になっているのも注意。(2022.6.13)

 

●天火同人は、同志が集まり団体を作っている状態。綜卦の14.火天大有は、モノが集まってたくさんある状態。爻同士の関係が、他の卦とちょっと違うところが特筆すべきところと言って良いでしょう。たとえば、ふつう二爻は中を得ていて正位にあり、しかも隣同士の比爻も陰陽の組み合わせになっているから、良い意味に解すことが多いのですが、卦自体がいろんな人が集まって集団を形成するという意味のため、「身内ばかりと付き合っていて恥ずかしい態度」という風に、逆の解釈になるというところが何とも易の面白い所ですね。(2022.6.16)

 

●沢天夬と次の綜卦44.天風姤は、ともに乾為天を挟んだ十二消長卦であることと、どんな対の意味になるかを考えてみるとよいでしょう。夬に氵をつければ「決」ですから、沢から水があふれ出て決壊する〝別れ〟の意で、姤のつくり「后」に「辶」をつければ邂逅の「逅」ですから〝出会い〟の意となります。卦辞爻辞に書かれた言葉が突飛で一瞬戸惑いますが、唯一の陰爻が上六にあり、力も徳もない小人が最も高い地位に就いているような状況にたとえ、五つの陽爻がそうした上六を駆逐せんとするときの心得を述べていると解してみてください。難しい状況に際して手順を踏むことやタイミングを見計らうことの大切さを教えてくれる卦。ちなみに沢天夬の上六については、易学史に残る占例があり、幕末の開国論者・佐久間象山が、十五代将軍、徳川慶喜からの要請を受けて京都へ上がろうとした時この卦爻を得て、自分が中道に斃れる運命にあることを悟ったといわれています。象山は京都からの帰途、三条木屋町で刺客に斬りつけられて絶命し占断のとおりとなりました。(2022.6.19)

 

●易の六四卦は奇数卦と偶数卦をセットにして対の意味を考えると、理解しやすいと書いてきましたが、水雷屯と次の04.山水蒙の場合は、人間に例えると生まれたばかりの赤ん坊、幼児の段階なので、まだ性質、特徴のようなものがはっきりしていないため、綜卦や錯卦で対比を考えるよりも、進む意味合いを持つ卦として、35.火地晉や46.地風升、54.風山漸と対比させたり、また、上卦と下卦をひっくり返した40.雷水解と比較した方がわかりやすいでしょう。水雷屯を赤ん坊自身にたとえるなら、山水蒙は、その親や先生など外からの視点や関わりとなります。屯を坎為水、水山蹇、沢水困の三大難卦に次ぐ難卦であるとか、四大難卦のひとつだという人もいます。たしかに、軽率な前進は危険で、意欲だけでは乗り切れませんが、卦辞には元亨利貞の四徳が全部揃っているので、苦しい時であることは確かでも、産みの苦しみであり、無から有を生み出すときに避けて通れない道とも言えます。時間がかかっても決して凶意の卦ではないので、困難はあっても焦らず諦めないことが肝要でしょう。(2022.6.28)


 

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