偶発的に生まれたメソッドだから遊びが学びに
2022/11/19
今日は夕方日没前に伊坂ダムまで出かけて
いつもの3.6kmあるダム湖の周りを
1時間弱で歩いたんですが、
冒頭の写真はそのときに撮影した紅葉です。
土曜はらくだメソッド関連や塾生関連の記事を
投稿しているんですが、
塾生の一人がらくだメソッドと親和性の高い
動画を見たと教えてくれたので、
その内容をシェアしながら
すこしコメントしてみようとおもいます。
その塾生からもらったメッセージには
「遊びと学びについてのお話がらくだメソッドの
〝教えない教育〟と重なるお話だと思いました。
時代がやっとらくだメソッドに追いついてきたかも。
結論的には12:40あたりからですが、個人的には
遊びについて考察されていて面白かったです。
井上さんがファシリテーションのお仕事を依頼される
理由がようやくらくだメソッドとつながり
私にも理解ができました。」とあったんですが
その動画とは、走る哲学者・為末大さんの
YouTubeチャンネル「為末大学」で、
今年の6/8にアップされた動画です。
概要欄に次のインデックスが書かれているんですが、
時間のある方は、まずはご覧になってみて下さい。
0:00 大事にしている「遊び」について
0:27 遊びなのか、本気なのか
1:14 ホイジンガによる『ホモ・ルーデンス』
1:57 ロジェ・カイヨワによる遊びの分類
3:23 スポーツ:身体と環境のあいだで遊ぶこと
4:31 自由である、計画どおりでない、秘密がある
4:52 命令されると「遊び」ではなくなる
6:12 計画通りでない:変化できる
8:22 発見により面白くなる
9:23 探索を「面白がる」ことの重要性
11:07 学びとは知識を網羅的に、質感を持って実感できること
13:05 「遊ばせる」ことはできない
13:48 遊びをファシリテートできる教育者が必要
ゲームの要素を学習などに活かすという意味で、
〝ゲーミフィケーション〟という言葉があるんですが、
寺子屋塾で提供しているプログラムには、
「インタビューゲーム」「経営ゲーム」など、
ゲームという名がついているものが多いとなぁと
感じておられる方は少なくないでしょう。
らくだメソッドは、算数や数学などの勉強を
ゲーム感覚で学べるようにつくられています。
一口にゲームと言っても様々なスタイルがあり、
らくだメソッドの場合は、1枚1枚のプリントが
易しいものから難しいものへと
スモールステップで構成され、
しかもすべての教材に合格基準が設定されていて、
1面をクリアしたら次の面へ進むことができる
パズルゲームやアドベンチャーゲームのような
スタイルで作られているので。
しかも、際だって特徴的と言えるのは、
ゲームの要素を活かした教材を開発しようと
最初から意図してつくったわけではなく、
親子の関係で教材づくりを行ったために、
結果的にそうならざるを得なかったところでしょう。
「遊びは強制した瞬間に遊びでなくなってしまう」
と動画のなかで為末さんも話されているとおり、
親が子に勉強を教えようとすると
だいたいケンカになってしまいますよね。
だから、結果的にというか、
「教えない」「自分から進んでやる」という
セルフラーニングスタイルの教材が
偶発的に生まれてしまいました。
前記したように、教えてくれた塾生が、
わたしがファシリテーションを学ぶ場づくりの
仕事を方々から依頼されるようになった理由が
ようやくわかったと言われたんですが、
それもまた偶発的にそうなってしまったわけで
わたし自身が目指していたわけではないのです。
寺子屋塾の教室は、そうした偶発的に生まれた
らくだメソッドを基本教材に運営しているので、
その場もまた、
日々何が起きるかがわたし自身も予想できず、
偶発的要素が濃く、発見の連続になっていくのは
必然といっていいでしょう。
もちろん、その場をファシリテートするというのは
タイヘンなことも少なくないですが、
毎日楽しく仕事ができることが何よりも有難く、
これ以上刺激的で面白いことはありません。
寺子屋塾の教室は、多くの小中学校や
高校の教室のように、
1年間を通じて日々同じメンバーが
同じ場所に集う形の集団ではなく、
ゆるやかにつながるコミュニティだと
常々おもっているんですが、
ゲームセンター型コミュニティと言うべき
そのあり方の詳細については、
また日を改めて書いてみたいとおもいます。
※紹介した動画に関連する為末さんの最近のblog記事