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情報洪水の時代をどう生きるか(その2)

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情報洪水の時代をどう生きるか(その2)

情報洪水の時代をどう生きるか(その2)

2022/12/02

今日は金曜なので、いつもなら読書関連の話題を

投稿しているんですが、昨日書いた記事

「情報洪水の時代をどう生きるか(その1)」を

ふりかえりながら続きを書くことにしました。

 

もちろん、書物との向き合い方というのも、

情報洪水の時代にあっては、

とても関連の深いテーマで、

途中で本の紹介なども、必要に応じてするように

「読書」というテーマも意識しながら

書き進めていくつもりではいるんですが。

 

少し前にマネジメントカテゴリーで

「起業のポイント」について記事を書いたときには、

週1回のペースで続けて7回書くスタイルでしたし、

そのやり方で書くこともできるんですが、

今回は、曜日で設定したカテゴリーに囚われずに、

集中的に1つのテーマについて書くことに

チャレンジしてみようとおもいます。

 

 

さて、まずは、昨日書いた記事のふりかえりを。

 

昨日の記事の最後を、

次のような文章で締めくくりました。

 

毎日書くには

書くための時間を確保しなければなりませんから、

そうした姿勢自体が、

外界から情報を入力するに費やせる時間について

制約を設けることにもつながります。


また、「書くこと」を日々習慣化していくことで、

それを継続することさえ諦めなければ、

出力(表現)スキルは自ずと身に付いていきますし、

いまの自分が何に対して関心が向いているのか、

どんな内容について書くのか(入力)について、

常に意識を向け、自覚的にならざるを得ません。

 

あくまで結果としてですが、

大げさに言えば、自分の人生理念というか

生きる方向軸がどこに向かっているのかという

なかなか意識化が難しいテーマについても、

書くことを継続していくことで

徐々に定まっていくことにもつながるわけです。

 

以前にこのblogで、

火事の現場に消防自動車が居るからといって、

だれもその消防自動車が火事の原因だと考えない。

けれども、多くの人が、結果として駆けつけた

消防自動車を火事の原因としてしまうような

「原因と結果の取り違え」をやっている、という話を

何度か紹介したことがありました。

 

「理念」や「生きる方向軸」を持つことは

姿勢として大切なことではあるんですが、

最初からこれが明確に見えている人なんて

現実にほとんどいません。

 

たしかに、理念や方向軸というものが

明確に定まっているなら

どんなにまわりが情報に溢れていても、

それに振り回されることなく

生きることができるようにおもえるんですが、

それは勘違いでもあるんですね。

 

「理念」や「生きる方向軸」を言い換えると、

「自分にしかない〝本心〟を問う」ということです。

 

つまり、この〝本心〟というのは、

「自分自身が本当に大事だとおもえるような

固有の価値観に従って選択をしているのだろうか?」

という問いかけを、常にし続けることなんですが、

多くの人は、内発的な動機付けである、

「自分自身が」「固有の」ではなく、

外発的な「社会通念」であるとか、

「世間的に成功」とされているイメージに

引っ張られて意志決定をしているんじゃないかと

おもえる節があるので。

 

たとえば、自分が「何が好きか」も

「何が得意か」も、

最初からわかっていたわけではなく、

いろいろやってみたからこそ、

後からだんだんわかっていったことですよね?

 

そういう意味から、

最初から「理念、方向軸が大事だ」とは書かず、

「書く」という行為を手段として

日々それを習慣化し、日常化することによって、

結果として方向軸が定まってくる

という風に記したわけです。

 

らくだメソッドのプリント学習についても、

同じことが言えるんですが、

「毎日書く」ことや

「毎日プリントをやる」ことを

目的として掲げようとする人は

たいてい行き詰まります。

 

あるいは、「書きさえすればイイ」

「プリントやりさえすればイイ」ってことに

なってしまいかねません。

 

 

さてさて、前口上とふりかえりだけで

終わってしまいそうな雰囲気なんですが、

今日の本題を。

 

「書く」ことを日常化しようとしたときに、

どういうことが起きてくるかというと、

書くネタが切れてきてしまうことですね。

 

だから、そんな中で書き続けようとすれば、

日々書くネタを集めなければならず、

ちゃんと「観察」していないといけません。

 

つまり、それまで漠然と過ごしていた時間も、

「今日は何を書こうか?」と考えながら

一瞬一瞬を過ごすように変化してきますから、

そうした姿勢が日常化し持続するようになれば、

結果として「観察力」が育ってくるわけです。

 

ポイントは、観察力を育てるために

どうすればいいのかを考えるのでなく、

結果として自ずと観察力が育ってしまうような

しくみを日常生活のなかに具体的に組み込んで、

無理なく実行できるかどうかなんですね。

 

「自分がどうしたいかがわからない」という話も

時折耳にするんですが、それはおそらく、

自分のことは自分が一番良く分かっているという

おもいこみのようなものが邪魔をしていて、

自分自身に対しての「観察力」が足らないから、

そうなってしまうんじゃないかと。

 

11月にNHK−Eテレで放映されていた

「Switchインタビュー達人達」

養老孟司x太刀川英輔 を観てたんですが、

 

その番組の中でも、結局世の中の人たちは、

すぐれた仕事を為すのには、

特別なセンスや能力が必要だって考えるようだけど、

本当はそんなことはなくて、

大事なのは結局、観察力なんじゃないかって話が

お二人の対話の中で浮き彫りになっていました。

 

 

あと、これまでたくさんの本と出会ってきましたが、

「観察力を鍛える」ということで

自分の今までの人生において、

これが本当に役に立ったとおもえる1冊を紹介して、

今日の記事を締めくくろうと。

 

20歳のとき、当時地下鉄上前津駅の地下街にあった

日進堂書店でたまたま手にした、

J.クリシュナムルティ『既知からの自由』という本。

 

もちろん、17歳のときに庄司薫、

18歳のときに高橋悠治という出会いがあったからこそ

20歳のときに出会ったこの書物の価値を

自分は受け止めることができたのでしょう。

 

これは、その当時に手にした十菱珠樹 訳ではなく

2007年に出た新訳版ですが。

 

原書は1969年に出されているようなので、

もう半世紀前の書物ではあるんですが、

いまのわたしが読んでも

古さを全く感じさせない内容のものです。

(つづく)

 


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