2022年のふりかえり「年間読書ベスト24」(その4)
2023/01/04
昨日の続きです。
一昨日は①〜⑥、昨日は⑬〜⑱でしたので、
今日は⑦〜⑫の6冊を。
記事の最後に24冊のリストを再度記しておきます。
著者の雲黒斎さんやこの本の内容については、
9/2に書いた記事でコメントし、
本書から寺子屋塾とちょっと似ている部分を引用し
紹介もしています。
ライブ配信動画も記事中に紹介したものだけでなく、
いろいろあるので、観てみてください。
とくに「存在の相転移」シリーズや
「フラットランド」シリーズがオススメです。
8/20にNHKで放映された
「最後の講義」に柄本明さんが出演された回を
塾生たちと一緒に観た話を10/23の記事に
書いたんですが、それがきっかけとなって
柄本さんに関心を持つようになって手に入れ
読んだのが本書でした。
NHK-Eテレで以前放映されていた
「ようこそ先輩・課外授業」という番組に
柄本さんが出演された回をもとにテキストや
画像が編集されています。
放映されたのが2001年7月8日という
20年以上前のもので、
動画ではないので、子どもたちの表情や反応など
細かいところを読みとるのが難しいんですが、
演劇というものに向き合う柄本さんの姿勢は
変わっていないようにおもいました。
ベイトソンといえば〝ダブルバインド〟という
概念で知られる人類学者。
本書はベイトソンの世界を知るためには
格好の入門書ではあっても、生物の発生学から進化論、
学習論から情報コミュニケーション論、
精神医学などさまざまなカテゴリーのテーマが
同列に扱われているので、
最初のうちはいったい何を論じようとしているのかが
見えなくて戸惑うことでしょう。
結局、人間の精神や認識というものを考えていくと
包括的な視点を持たざるを得ないわけなんですが。
むかし思索社から出ていた単行本を
買って読んだ記憶があるのに
書棚を一所懸命探しても出てこない本が時折あり、
この本もそうしたことから再度買い直した1冊。
ベイトソンの著作はいずれも単行本が
古書でも入手が難しく、
ものすごいプレミアム価格になっているので
『精神の生態学』も是非このような形で
岩波文庫から再刊してほしいところ。
本書を入手して読み始めたことは
11/11に投稿したこちらの記事に書きました。
野木さんの書かれた脚本で制作されたドラマのうち
わたしが観たのは『空飛ぶ広報室』
『逃げるは恥だが役に立つ』『アンナチュラル』
『獣になれない私たち』『MIU404』の5作品です。
ドラマを観ていない人は、まずドラマを観て下さい。
『逃げ恥』『獣なれ』『MIU404』は
シナリオ集も出ているのでオススメです。
本書をセレクトするか、ユヴァル・ノア・ハラリ
にするか迷ったんですが、結局こちらにしました。
いま、読書会で読んでいる
近内悠太さんの本のテーマ「贈与」も
本書ではかなりウェイトが高く論じられています。
3年間にわたって行われた大学の授業内容をもとに
10年かけてまとめられた5冊の本の合本で、
中沢版『共同幻想論』とでもいうべき労作。
NHKのETV特集で本書が取りあげられた番組を
観たことを3/4にこちらの記事に投稿したので、
書きたいことはほぼそちらに書きました。
【2021年に買った本&読んだ本セレクト24】
①甲野善紀+方条遼雨『上達論 基本を基本から考える』
②﨑谷博征『慢性病の原因は「メタボリック・スイッチ」にあった』
③細谷功×佐渡島庸平『言葉のズレと共感幻想』
④近内悠太『世界は贈与でできている』
⑤山口周『知的戦闘力を高める 独学の技法』
⑥宮野公樹『問いの立て方』
⑦雲黒斎『あの世に聞いたこの世のしくみ』
⑧柄本明『「絶望」の授業』
⑨グレゴリー・ベイトソン『精神と自然』
⑩小田慶子ほか『脚本家・野木亜紀子の時代』
⑪中沢新一『カイエ・ソバージュ』
⑫谷川俊太郎(作)+合田里美(絵)『ぼく』
⑬U.ルッツ編(大島かおり木田元共訳)『アーレント=ハイデガー往復書簡』
⑭いがらしみきお『ぼのぼの人生相談 ひととくらべちゃだめなのさ』
⑮福澤諭吉(齋藤孝・訳)『現代語訳 文明論之概略』
⑯島宗理『インストラクショナルデザイン 教師のためのルールブック』
⑰大友良英・稲葉俊郎『見えないものに、耳をすます 音楽と医療の対話』
⑱ブレイデイみかこ『他者の靴を履く アナーキック・エンパシーのすすめ』
⑲松尾睦『仕事のアンラーニング 働き方を学びほぐす』
⑳井上正保編著『健康不安と過剰医療の時代』
㉑松尾匡『自由のジレンマを解く』
㉒為末大『為末メソッド 自分をコントロールする100の技術』
㉓柊木匠『わたしは宇宙のかけら』
㉔Kan.『問題は解決するな』