わからせようとしないことで安心感が伝わるらくだメソッド
2023/02/27
寺子屋塾生の板倉くんが昨年11月から始めた
らくだメソッドの算数・数学教材の
2巡目の学習についてのblog記事を
2/24から3回にわたって紹介してきました。
いま、彼は小3教材を学習中なので、
この先は、1学年分の学習を終えたタイミングで、
1学年分ずつまとめて紹介していく予定でいます。
それで、今日は、
板倉くんが書いたblog記事に対する
わたしのコメントを記しておこうかと。
昨日紹介した分までで全部で63記事あり、
個別の記事に対してコメントするとなると
膨大な量になってしまうため、
概ね全般的な印象コメントのような形に、
なってしまうんじゃないかなとおもうんですが。
彼の記事内容は、プリント全体の構成や
部分部分を構成するパーツに対するコメントを
記したものもあれば、
彼自身が学習してみて生まれた気づきや
感想を記したものなど
いろいろな視点から書かれていました。
らくだメソッドで学習したことがある人間でないと、
内容についてはわかりにくいところが
少なくなかったかもしれませんが、
前口上の記事(その1)に書かれていた様に、
彼自身が学習しながらblogを書く目的は、
数学に対して考えていることをまとめることであり、
らくだメソッドがどんな教材なのかを
読者にわかってもらうことが目的ではないのです。
「ただやる」という文言も
こちらの記事にありましたが、
そもそも、らくだメソッドの場合、
算数数学の概念が「わかる」ことを主目的に
作られていない体験学習教材なので、
記事を読まれてわからない、わかりにくい、
という感想が出て来ても、
何ら不思議ではないのですが。
わたしたちは、人から教えられることに
あまりにも慣れすぎてしまっていて、
わかりやすいこと、理解できることが
良いことだと考える人がすくなくないのですが、
では、たし算の概念さえわかっていれば、
たし算の問題が解けるようになるかというと
必ずしもそうではありません。
「わかること」と「できること」とは
次元が異なることなので。
たとえば、自転車の乗り方について、
人からコトバで教えられて、
乗れるようになる人は現実にはいません。
誰かから教えられなくても、
自転車に乗って身体を動かし練習しているうちに、
ほとんどの人が、
いつの間にか乗れるようになってしまうように、
自分がどうして自転車に乗れるようになったのかを
他の人にコトバで説明できなくても、
つまり、アタマでわかっていなくても、
自転車に乗れるようになってしまうのですから。
板倉くんは、
2022-12-26【小1のプリントを通してやってみて】
の記事の最後に、「らくだプリントには学習者に
安心感を与えるようになっていると感じました」
と書いてました。
こちらの記事のタイトルにあった
「鈍感力」というコトバも
面白いなとおもったんですが、
なぜ、らくだメソッドで学習していると、
安心感が生まれるのか、
その理由のひとつは、教えていない、
つまり考え方をわからせようとしていないことが
挙げられるんじゃないかと。
2022-12-11【「1回でやれるようになる」という観念】
の記事中に書かれていたように、
らくだメソッドのプリントには
説明の文章がほとんど書かれていないのですが、
問題を解くために必要なことは
すべて書いてあります。
どうしても解き方がわからないときには、
プリントの裏に書いてある解き方を見たり、
答を写したりしてもOKと伝えてあるので、
学習者から質問を受けたり、
問題が解けない状況に
突き当たったりしたときには、
プリントに書かれている内容が
正しく伝わっているかどうかを
わたしが確認することがあっても、
プリントに書かれている内容以上のことを
説明することは、ほぼありません。
わからなくても、
わからないまま、ただやればいいからです。
すべてのプリントに設定されているめやす時間内と
ミス3個以内というルールがあり、
自分がいまやっているプリントの問題が、
できたかどうかを自分で判断する基準が明確なので
わからなくても先に進んでいくことができ、
しかも、合格するまで何枚繰り返してもOKなのです。
過去には、同じプリントを100枚以上
繰り返した人がいましたが、
プリントをやり続けて合格しなかった人は
かつて1人としていなかったことも
わかっていますから、
先に進む早さが遅いからといって
叱ることもありません。
もちろん、大脳思考優位な大人にとっては、
身体を動かして「ただやる」
ということが逆に難しいので、
そのこと自体がその人の学習課題となることが
少なくないんですが。笑
なぜらくだメソッドのような
レアな教材が生まれたのかということや、
らくだメソッドの具体的なつくりに関することは、
来月になったら、開発者である平井雷太さんの
著書に書かれている内容などもご紹介しながら
詳しく書いてみようとおもっていますので、
おたのしみに!