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ゲーテ「自分の内部を探したまえ」(今日の名言・その57)

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ゲーテ「自分の内部を探したまえ」(今日の名言・その57)

ゲーテ「自分の内部を探したまえ」(今日の名言・その57)

2023/03/13

 

 自分の内部を探したまえ。


 そうすればきみらは
 すべてを見出すだろう。


 そして、もしもきみらの外部に、
 自然——あるいは他の名前で
 呼んでもいいが——があり、
 それがきみらの内部に見出したもの
 すべてを肯定し、
 祝福してくれるならば、
 きみらは心から喜ぶがいい。

 

※ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(Johann Wolfgang von Goethe、1749〜1832・ドイツの詩人、劇作家、小説家、自然科学者)『自然と象徴 自然科学論集』より「箴言と省察」1080

 

 

この名言についてのコメントを記す前に

昨日投稿した記事の最後に記した

問いについてコメントしておきたいんですが、

考えてみましたか?

 

もちろん、『夢十夜』の作品のどこかに、

「明治の現代にはなぜ仁王が埋まっていないのか?」

という問いに対する正解が

書かれているわけではないので、

たぶん、簡単にはわからないだろうし、

おそらくこの問いを10人に聞けば

10通りの答が返ってくるんじゃないかと。

 

でも、そうだからこそ、

『夢十夜』は一流の文学作品として、

100年の月日を経ても

こうしてこんにちまで残っているのでしょう。

 

まず、最初は自分で読み、考えてみることが

何より大事だとおもうんですが、

ネットを検索すれば、

現代に於いて漱石研究の第一人者と言われる

石原千秋さんが書かれた記事が紹介されている

こちらのページなど、

多くの人が書かれたさまざまな見解が見つかります。

 

『夢十夜』の原文を読まれた方は、

そうした評論文や解釈も、いろいろ読んでみると、

意見百出というか、

そこに正解がないということも実感でき、

また、ご自身にしっくり来るコメントも

どこかに見つかるかも知れません。

 

シェアした映画『ユメ十夜』第六夜も

ご覧になりましたか?

 

かなりぶっとんでいて面白いですよ〜

10分あれば観られるので、

まだの方はぜひどうぞ!

 

 

さて、ここ数日このblogで書いてきたテーマに

沿った名言は?と問うたときに、

最初にスッと浮かんだのは、

冒頭に紹介したゲーテの言葉でした。

 

自分の内側をちゃんと観察さえすれば、

そこにすべてがあるんだと。

 

でも、このゲーテの言葉は、

後半に書かれていることが

とりわけ大事なようにわたしにはおもわれます。

 

以前、この今日の名言シリーズで

米光一成さんの

自分が自を考えるためには、

 他を観察しなければならない。

をご紹介したことがありました。

 

自分ひとりだけで、自分が何者であるのか、

自分の内部に何があるのかを考えようとしても、

歪んだレンズを

歪んだレンズで観察するような

歪みの拡張が進んでしまうので、

自ずと限界があるというか、

錯覚に陥っていることに気づかなかったり

独りよがりな勘違いに

終わってしまったりすることも

少なくありません。

 

よって、まわりとの関係性を意識しながら

自分を見る視座を

自分の外部に置く姿勢が重要ではないかと。

 

ただ、わたしがこうして書くコメントは、

あくまでわたしの解釈にすぎないので、

あまり真に受けないでほしいですし、

今日投稿したこの記事も、

ひとつのきっかけづくりにすぎないので、

ゲーテ自身の言葉にじかに触れてみようと

おもって頂くきっかけになれば嬉しいです。

 

ということで、これ以上の言葉を重ねても

屋上屋を架すことにしかならないでしょうから、

ゲーテの名言を296個集めたこちらの記事から、

冒頭に記した名言やその周辺テーマ、

当塾で行っている

〝セルフラーニング〟スタイルの学習に

関連しそうなゲーテ自身の言葉を20個だけ抜粋し、

わたしのコメントを結ぶことにしました。

 

文豪ゲーテ、天才ゲーテの名に相応しい

奥行きの深さと幅広さをもった思索の痕跡が

あらためて垣間見えるようにおもいます。

 

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・いかにして人は自分自身を知ることができるか。観察によってではなく、行為によってである。汝の義務を成さんと努めよ。そうすれば、自分の性能がすぐわかる。

 

・生まれてからずっと、世界は自分に影響を与え続けている。だから独創性ということに対する一種の幻想はやめたまえ。

 

・すべてを自分自身のおかげだと思うとしたら、それ以上進歩はできない。

 

・他人を自分に同調させようなどと望むのは、そもそも馬鹿げた話だよ。

 

・性に合わない人たちとつきあってこそ、うまくやって行くために自制しなければならないし、それを通して、われわれの心の中にあるいろいろ違った側面が刺激されて、発展し完成するのであって、やがて、誰とぶつかってもびくともしないようになるわけだ。

 

・若い友人たちにいくらすすめても足りないと思うのは、自己省察を学ぶことです。詩の言葉をあやつることがいくらか容易になっても、それに伴って、内容にますます重さを加えるべきことを忘れてはならないからです。詩の内容は、自分の生命の内容に他ならないのです。

 

・人間は内面から生きなければならない。芸術家は内面から制作に向かわなければならない。人間も芸術家も、たとえどのように振舞おうと自分の個性を打ち出してゆく他はない。そういう気持ちで元気いっぱい仕事にかかるならば、間違いなく彼は自分の生命の価値を自然から与えられ高邁さ、または優雅さを表出することとなる。

 

・人間というものは、自分の欲するままにどちらに向かおうと、どんなことを企てようと、結局はいつでも、自然によってあらかじめ画された道に戻ってくる。

 

・一貫したものは環境においてでなく、自分みずからのうちに求めよ。

 

・自分が経験したことは理解していると思いこんでいる人がたくさんいる。

 

・「やる気になった」というだけでは、道半ば。

 

・自分一人で石を持ち上げる気がなかったら、二人でも持ち上がらない。

 

・人間が自分に与えることのできる最も驚くべき教養は、他の人たちは自分のことなど求めてはいない、という確信である。

 

・あらゆることは、すでにほとんど人によって考えつくされている。しかし大事なことは、それを自分で考えてみることである。

 

・人はほとんど知らない時にのみ知っている。知識とともに疑いが強まるのだから。何でも知らないことが必要で、知っていることは役に立たない。

 

・人生において重要なのは、生きることであって、生きた結果ではない。

 

・人間を堕落に導くもっとも大きな悪魔は、自分自身を嫌う心である。

 

・人に欺かれるのではけっしてない、自分で己れを欺くのである。

 

・人生に成功する秘訣は、自分が好む仕事をすることではなく、自分のやっている仕事を好きになることである。

 

・自分を信頼しはじめたその瞬間に、どう生きたらいいのかがわかる。

 

 

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