キレない子どもを育てようとする前にできること(つぶやき考現学 No.58)
2024/03/20
いま表面化している子どもたちの問題は、
けっして子どもたちだけの問題でなく、
むしろ大人たちの問題ではないだろうか。
なぜなら、子どもたちは、
大人社会の中で育つのだし、
子どもたちは、大人社会を映し出した
鏡のような存在だからだ。
キレる子どものことだけ問題視して、
キレる大人(自分)のことは
なぜ問題視しないのだろう。
自分だけは絶対にキレないというような
顔をしている大人たちが、
子どもにキレないことを強要するから
ますますキレる子どもが
増えていくのではないだろうか。
キレない子どもに育てたいと願う
親の気持ちが大切であることは
いうまでもない。
でも、それを願う前に、
人間はちょっとしたことであっても
キレてしまうことがある存在だと
大人も子どももみんなが自覚することこそ
必要なのではないだろうか。(1998.5.26)
※井上淳之典のつぶやき考現学 No.58
COMMENT:
創業25年を迎えた2019年に
それまでに書いてきた詞の形をした文章を
100余セレクトして〝つぶやき考現学〟と称し、
ナンバーリングしました。
この寺子屋塾blogでは、2021年秋より
そのつぶやき考現学をほぼ週1ペースで
ランダムにセレクトして紹介してきましたが、
まだ投稿していない残りの詞は、
この詞を入れて6つになっています。
1998年5月に書いたNo.58は、
「キレない子どもを育てるには」という
講演会のチラシを見ながらおもったことを
詞の形で書いてみたものでしたが、
この詞を書いた1990年代後半は、
突発的に暴力的になってしまう子どもたちが
増えてきているという言説が
唱えられ始めた時代でした。
昨日投稿した記事のコメントに書いたような、
どの子ももともとそのままで
育つ力をもっているという考え方に立てば、
まわりの大人たちが教えようとすればするほど、
育てようとすればするほど、
子どもたちが本来持っている
成長の力を歪めることになってしまいかねません。
よって、まわりの大人にできることは、
子どもたちだけでなく、
大人自身もまたキレる存在に
なりかねない存在であることを常に自覚し、
子どもたちがもともと持っている育つ力を
信頼しするとともに、
その力が自ずと発現することを邪魔しない姿勢が
何よりも大切なのではないでしょうか。
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