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なるべく1度で約分しなさい(その1)

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なるべく1度で約分しなさい(その1)

なるべく1度で約分しなさい(その1)

2024/07/25

今日はらくだメソッド算数教材の話題を。

 

小学4年生の前半は2けた以上のわり算

後半は小4-22から分数の単元に入り、

小4-33から最後の小4-41までは

すべて約分の問題で構成されています。

 

ちなみに、現在の学習指導要領では、

分数の約分単元は

小学5年生に配当されているんですが、

平井雷太さんが教材をつくられた頃は

小学校4年生に配当されていました。

 

この分数の約分単元には、

とても大事なことがたくさん詰まっているので

それを書こうとおもったんですが、

7年前に塾生が書いたブログ記事を紹介しながら

旧ブログに一度書いたことがあったので、

今日はまずその記事をリライトして

ご紹介しましょう。

 

 

(引用ここから)

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金曜だったので、

19:00頃は中村教室にいたんですが、

Facebookを覗いていたら、

塾生の太郎ちゃんこと塩坂太郎さんのblogの

更新記事が流れてきました。
 

らくだメソッドのふりかえり文なので、

たぶん、学習されていない人が読まれても

あまりピンと来ないでしょうが、

面白い内容だったので、
わたしの方で若干内容を補足してご紹介します。

 

ちなみに、小学4年の算数教材は全部で41枚あり、

小4-33から41まで9枚のプリントは

分数の約分を学習する単元です。




 

彼がこの記事で言及している小4-36のプリントは
次の写真のように、
分数の約分問題ばかり
全部で99問ならんでいるんですが、
前半の54番までの問題は、冒頭に
「わけてしても、1度でしてもよい」という指示が、
また、55番から99番までの後半の問題には、
「なるべく1度で約分しなさい」という
指示があります。
 
算数_小4-36.jpg
太郎ちゃんのblog記事の原文は
こちらあるんですが、
以下に全文をそのまま引用します。
 
小4-36は、もうすでに2回やっていて、
2回とも目安の時間内に解けていました。
 
けれど、自分の中で
ズルしているわけではないのだけれど、
時間内に「できる」ことを意識しすぎて、
問題の中にある一つの言葉を、
素直に聞いていないなという自分に
違和感を感じ、
今日はその言葉を忠実にきいて
もう一度やってみました。
 
その言葉というのは、
「*なるべく1度で約分しなさい」 
 という言葉です。
 
約分自体はできるのですが、
「約分がどうできるか?」ということを、
 このメッセージは
僕に伝えてくれていたのだと思います。
 
たとえば、12/32。
 
1度で約分しなければ、まずは「2」で割って
6/16 … 3/8 と解いていけばよくて、
それなら時間内に「できる」のです。
 
でも、「*なるべく1度で約分しなさい」 
という言葉の通りにやると、
最大公約数の「4」を瞬時に見つけることが
まだ「できない」わけです。
 
そんなわけで、今日は
以前合格できたプリントが
不合格になりました。
(目安の時間内に終わりませんでした)
 
「できた」プリントが、
自分の意識を変えたら
「できない」プリントになるわけだから、
普段の自分は、「できない」よりも、
「できる」方向へ自然と
流れてしまっていることがあるように思います。
 
でも、この段階で一度で最大位公約数を
見つけることが「できる」ようになることが、
この先のプリントの課題を
1つずつクリアしていくためには
絶対に必要になることだと思いますし、
「*なるべく1度で約分しなさい」
という言葉を
なかったことにし、
 「できる」ことを優先させたことで
いつか必ず壁にぶつかる時が
くるのだと思います。
 
自分をみつめるというのは、
改めて難しいことだと思います。
いつも自然と「できる」方向へ流れてしまう。
 
自分が気づかぬうちに。
 
それがいいことで、
順調なことのように思ってしまいます。
 
でも本当は、その「できる」ことが、
 自分を見えなくしていることがあるのです。
 
「できない」体験から、
自分に気づいていくことは、
とっても楽しいことです。
 
新しい自分に気づけるわけだから。
 
それは「できた」経験からは得られない
「新しい自分」であり、
自分の中にいた、けど気づいていなかった
「新しい自分」です。
 
その自分に気づけるのは
「できない」という体験からだと思います。
 
日常の中をよ~くみれば、
きっと「できない自分」に
たくさん出会えると思うけれど、
自然と「できる」方向へ
流れてしまっているのだと思います。
 
なので、まずは1枚のプリントを通して
「できない体験」を大切にする。
 
その体験の中で「できない」ことを通して
見えてくることへの実感、
そして、その楽しさを感じ、
日常の「実はできてない」体験に
少しでも目をむけて、
今の自分の中にいる、
「新しい自分」
「気づいていない自分」を
感じていきたいと思っています。
 
小4-36_塩坂太郎.jpg
 

この記事を読んだわたしは、
すぐにプリントして、
その時に教室内にいた塾生たちに配り、
各々感じたことをシェアし合いました。

ちょうど先週は、こちらのblog記事でご紹介した
為末大さんの「マインドセット」について
話していたこともあり、
 
「〝できることは良いことで、
 できないことは良くないこと〟という
 マインドセットにはまっている人は、
 少なくないよなぁ・・」
 
 という意見、
 
「できるできないを判断するモノサシは
 一律で無く、
 それぞれが勝手に決めてるだけ
 ということに気づいて、
 そのモノサシを
 自分で自由にスライドできるようになったら、
 人間の可能性は
 もっと開かれていくんじゃないか?」

 

など、彼のこの記事のお陰で
他の塾生たちとも

なかなか有意義な意見交換ができました。

わたしが、この太郎ちゃんの記事で

とりわけ面白いとおもったのは、
「できない」自覚から「できる」に
向かっていくことに納得しつつも、
「できる」方向へ
自然に流れていってしまっていいものか?
という問いが浮かんで、
それって結局は
「できることが良いことで、
できないことが良くないこと」っていう
マインドセットにはまっているんじゃないかと
気がついているところです。

つまり、順調で良いことだとおもっていた
「できる」ことが、
自分を見えなくしていることもあるんだと
気がついたからこそ、
「なるべく1度で約分しなさい」という指示文が
いったい何を自分に伝えようとしているのか?
という問いが浮かんで、
これから先の課題を見据えつつ
「ただ約分すればいいんじゃなくて、
 1度で(分母と分子の最大公約数で)
 約分できるようになることも
 これから先の課題のことを考えると大事なんだ」

と気がついたわけですね。

それにしても、痛感するのは、
つくづくこのらくだメソッドが
よくできている教材だということで、
とりわけ、自ら学ぶ姿勢の大事さ
ということだけでなく、
学習者自身が「学力を身につけたい」と
おもったときに、
ちゃんとその学習者の気持ちに
応えられる内容になっているところです。

・・・って記事を書いていたら、
太郎ちゃんのblog記事の
新しいエントリーが届いたんですが、
今日ご紹介した記事の続編のような中身だったので、
明日もまた彼のblog記事を
ご紹介することになるかもしれません。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(引用ここまで)
 
ちなみに、上記で引用した
塩坂くんの記事の後に書かれた
続きの記事については、
以前にこのブログで紹介したことがあるので、
未読の方は次からどうぞ!
 
このテーマ、明日の記事に続きます。

 

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