「対立項で問いを立てる」ってどういうこと?(その2)
2024/11/11
昨日投稿した記事では、塾生の一人から
対立項で問いを立て、融合させて
新しい価値を生むように努めるとは、
具体的にどういうこと?と問われたときに、
平田オリザさんと石黒浩さんの
ロボット演劇プロジェクトのことがおもい浮かび、
2本のYouTube動画をシェアしました。
「質問する」という行為が、
良し悪しや正解を探すためのものという
前提があると、
「対立軸で問いを立てる」ということが
いったいどういうことなのか、
なかなかピンとこないかもしれません。
そもそもこの〝良い質問〟とは、
どういう質問のことを言うのでしょうね?
という問いかけをしましたが、
考えてみましたか?
そもそも〝問い〟というのは、
自分の頭で考えるための〝道具〟のようなもの。
このことを前提とするのであれば、
すぐに答えが見つからないような問い
つまり、予め正解が用意されていないことは、
考える価値のある
すぐれた問いの条件のひとつではないかと
おもいうかぶことでしょう。
もちろん、答えが簡単に見つからない
問いといっても、
現状を見ずして未来を予測するというような、
考えたところで仕方がないような質問や、
あらかじめ決まった正解が
用意されているような質問もあります。
でも、あらかじめ正解が用意されている質問は、
質問というよりも、
「クイズ」と言った方がいいのではないかと。
いかに早く正解にたどり着けるかとか、
いかにたくさんの知識を
正確に記憶しているかということにかけては、
ここ十数年の間に人工知能AIが
次々に人間を凌駕し打ち負かしてきましたから。
たとえば、2011年には、
アメリカの人気クイズ番組「ジェパディ」で
人間の元チャンピオン2人を
IBM製の人工知能WATSONが破って
優勝していますし(上の写真)、
チェスも将棋もトランプのポーカーも
いまや人間はAIに勝てません。
とはいえ、チェスや将棋、ポーカーに興じることを
人間は止めてしまったわけではありませんし、
そうであればこそ、
AIにできなくて人間にできることとは何かと
問う姿勢は、今なお大切だとおもうのです。
森清さんの公私融合の仕事術三原則①②を
拝借して表現するなら、
それを考えるプロセスを通じて、
全体像を把握することや、
物事の本質に迫ることのできるような
問いを自ら発見することではないかと。
昨日の記事で紹介した
石黒さん、オリザさんのYouTube動画の中には、
次のようなとっても良い問いがありましたね。
・精神と肉体にまたがるコアになっている
真の人間性とは何か?
・演劇のリアルというのは
どういう所から生まれてくるのか?
とくに、石黒さんの問いは、
目に見えない精神と目に見える肉体、
その両方にまたがる人間性を問うという意味で、
対立軸で考えることにも通じていますね。
ところで、一昨日の開高健さんの名言の記事で
冒頭に載せた写真の片隅に、
「悠々として急げ」という言葉があったことに
気がつきましたか?
開高健さんがよく口にされていて、
色紙などに好んで記されていたこの言葉は、
開高さんのオリジナルではなく、
もともとは、ローマ帝国初代皇帝アウグストゥスの
「フェスティナ・レンテ」を
訳したものとのこと。
この「悠々とする」と「急ぐ」は
表面的に解釈するなら逆方向の言葉なので、
この二つを同時にやろうとするとは
いったいどういうことなんだろう?って
おもってしまいますよね。
でも、「悠々とする」ことと「急ぐ」ことの
上位にある目的が何かを意識することで、
この両者を融合することは可能なんです。
つまり、良い結果に早くたどり着こうとするなら、
ゆっくり行くのがよいわけで。
「急がばまわれ」ということわざもありますが、
ただ急ぐだけでは、結果的に
良い結果にはたどりつけないわけで、
急ぐならば回り道をしなさいと。
ピアノの練習でも、まずはゆっくりと
正確に弾くことから始めますし、
らくだメソッドのプリントでも
早く合格したいのならば、
ゆっくり正確に問題を解くことから始めるのが
実は一番の得策なんです。
※クイズ番組の写真はこちらのページより拝借しました <(_ _)>
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