「自分の殻を破るには」菊池雄星選手へのインタビュー記事にコメントしてみました
2024/12/14
昨日投稿した記事の続きです。
昨日は、12/10朝日新聞朝刊に載っていた
菊池雄星選手へのインタビュー記事から、
わたし目線の独断と偏見で
インタビュー記事からピックアップした
菊池語録をご紹介したんでしたね。
それで、昨日の記事の最後に予告したように、
ピックアップした菊池語録の
ひとつひとつに
わたしがその言葉を選んだ理由や
内容についての補足などをコメントしてみましょう。
(引用&コメントはここから)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
●どんなにいい機器があっても、
なぜ練習するかを理解しないと意味がありません。
→「なぜ練習するかを理解する」というのは、
どういう状態になるために
それをするのか、
最終的に自分の得たいものが
何なのかを明確にしておくことで、
これは、寺子屋塾のプログラムでいうと、
未来デザイン考程の「理念設定」です。
また、この言葉の前、記事の冒頭あたりで、
菊池さんは単発的なイベントとして
交流するだけでなく、
日常的に継続的な関わりをもつことが大事だという、
とても大切な話をされていて、
この姿勢は寺子屋塾でも
大切にしていることなんですが、
短く言葉をピックアップするという形では
紹介出来なかったことを
補足しておきます。
●方法ではなくて、教える順番が大事なんです。
→何でもかんでも
方法を教えればいいってものじゃなくて、
学習者の成長段階に沿う内容のことを
タイムリーに教える必要があり、
これは、どういうプロセスを踏むかという
手順の大事さにも通じる話ですね。
らくだメソッドもスモールステップで
学習する順番を意識しながら
つくられているんですが、
学習が上手く行かない理由の多くは
だいたい易しすぎるか難しすぎるかの
どちらかなんです。
武道家の方条遼雨さんは、
「難易度設定」という言葉を
使われていました。
●少しずつうまくなるのではなく、
コツをつかむと一気にうまくなります。
練習するのは、うまくなるきっかけをつかむためで、
そのチャンスは、100回練習するよりも
1千回練習した方が多くなる。
努力は、ひらめくためにするんです。
→これは、寺子屋塾の学習においても
根幹部分と言ってもいい重要な話で、
1日1枚のプリントをやることは
そのプリントをやった時間の分だけ
日々少しずつ成長できるからではありません。
つまり、毎日続けていると
学習するコツをつかむ機会が
それだけ増えるってことなんですが、
そうしたコツをつかむためには、
漫然とやり続ければイイってものではないし
たとえば、「そもそも学習するとは
どういうことなのか?」という問いは、
人から強制されてやっているのでは、
なかなか浮かばないんですね。
結局、そうしたコツのようなものは、
非言語的であり、一人ひとり個別に異なるので、
指導者には教えられないというか、
学習者が自分で、自分にあったものを
実体験の中から自らつかむしかありません。
●この施設に週1日くるだけで、
野球がうまくなることはないと思います。
残り6日の時間の使い方を、
どう教えていくか。
→ホームスクーリングって言っているんですが、
進学塾で7年間
子どもたちに教えていたときの経験から
結局、教室にやってきている
わたしの目の前だけで学習していても、
限界があるって気づいたので、
寺子屋塾では、
教室に通うのは原則週1回としつつも
毎日学習のしくみづくり、
つまり、学習そのものを日常化し
イベントにしない工夫を心がけてきました。
たとえば、「日常が舞台で、教室は楽屋」という
言い回しもよく使っているんですが、
この舞台とは、子どもの場合は、
家庭生活の場における学習であり、
大人の場合は、生活や仕事の場であって、
残りの6日間の日常こそが自分にとっての
本番なんだという意識が大切なんだと。
つまり、寺子屋塾の教室は
その本番の6日間にどう実践できたかをテーマに
浮かんだ問いをわたしに投げかけたり、
自由に対話したりできる場として
設定しているので。
でも、わたし自身もそうだったんですが、
最初からうまく質問できる人、
自分の現状に照らした
適切な問いを立てられる人なんて
ほとんどいません。
結局、人から強制的にやらされるのではなく、
自分で決めて、自分でやってみないと、
問いは浮かばないし、
自他に対し問いかけたり、
質問しあったりするコミュニケーションが
日常化するようにと考えているから、
インタビューゲームをいつもやっているんです。
●僕は中学2年までは控え投手でした。
決して才能に恵まれているとは思っていないです。
ただ、『やり続けること』には自信があります。
才能や身体能力の不足は、
習慣形成でカバーできます。
●メジャーでも、身体能力が高い選手は
ゴロゴロいますが、
活躍するのは日々の練習をしっかりする選手です。
●やはり努力も欠かせません。
うまくなる魔法は一つもありません。
→11/25吉本隆明さんの本を引用して
ほぼ同じ主旨の話を紹介したばかりでした。
・10年やり続けたら才能なんて関係ない(吉本隆明『ひとり 15歳の寺子屋』より)
日々の小さなこと、
1日のわずかな時間を無駄にしないで
どこまで大事にできるかが
結果として決定的な違いを生むのです。
●結局、『自分事と捉えられるか』
ではないでしょうか。
自分の能力に制限をかけるのは、
いつも自分です。
→自分の能力に制約をかけているのは、
他でもない自分だという自覚があれば、
そういう自分自身に対して、
意識しにくい無意識領域を含めて
その仕組み、構造を理解し、
常にその状態を観察し続けようとする姿勢が
どれだけ重要なことなのかが
わかりますね?
「自分が自分自身の見張り役になる」
———これがセルフラーニングの基本姿勢です。
●意志ではなく、
仕組みに頼った方がいいですね。
→自分の意志の力で頑張ろうとする人は、
自分のコンディションに振り回されやすいので、
ムラができやすく
すぐにバテてしまいがちです。
続けるためには、
続けることを目的にしないで、
自分の中に余白や空白部分をつくることや、
頑張らなくても自然に続いてしまうような
仕組みをいかに作るかに
意識を向けるのが得策!
●『知』とは知識や知恵だけでなく、
データ活用力や情報リテラシーなどを含みます。
これから世の中では、
加速度的な情報の洪水が起きます。
運動力学や栄養学などの情報を
正しく乗りこなす能力が、
スポーツ選手にも求められます。
→昨日の記事でも書きましたが、
データ活用力や
情報リテラシーを身につけることは、
これからの時代に本当に重要だとおもいます。
このブログでは、
過去に50本以上書いていますので、
詳しくはそちらを参照ください。
●AIが出てきて仕事の形も変わっていくなかで、
自分で考えて、自分で問題を解決できる、
そういう自立した人間は、
どこの世界に行っても
結果を出せるのではないでしょうか。
物事への取り組み方や、
目標設定の仕方を教えることは、
野球以上に大事だと思います。
→AIの登場でこの社会が
どのように変化するかという話は、
寺子屋塾の教室でも対話のテーマとして
日常的に頻繁に登場しています。
石黒浩さんと平田オリザさんのコラボによる
ロボット演劇の話も
最近投稿したばかりでしたね。
・「対立項で問いを立てる」(公私融合の仕事術三原則③)ってどういうこと?
●『いい時も悪い時も、いつも一緒だよね』と。
感情的にならず、
精神的に安定している人こそ一流です。
そんなリーダーのいるチームは強いです。
→リーダーシップのあり方というのは、
さまざまな考え方があるとおもいますが、
人間としての成熟度合いが
何よりも問われるように感じています。
とは言え、人間としてどれだけ
成熟しているかどうか基準がないばかりか
だれもその基準は決められないし、
結局、問題はそうであることを
各々がどう自覚しているかでしかないんですが、
2月に、そもそも成熟した大人とは
どういう人のことを言うのかというテーマで
8回にわたる長い長い記事を書きましたので、
ゆっくりじっくりご覧ください。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
●2021.9.1~2023.12.31記事タイトル一覧は
こちらの記事(旧ブログ)からどうぞ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
☆寺子屋塾に関連するイベントのご案内☆
12/15(日)14:00〜16:00第30回 易経初級講座
12/22(日)10:00〜 ワンデイ経営ゲーム塾