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コンテキスト・リーダーシップについて 〜山口周さんの動画・文字起こし(その1)〜

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コンテキスト・リーダーシップについて 〜山口周さんの動画・文字起こし(その1)〜

コンテキスト・リーダーシップについて 〜山口周さんの動画・文字起こし(その1)〜

2026/09/28

8/14から投稿し始めた二巡目

TVドラマ『逃げ恥』名セリフ&名場面集も

昨日投稿した(その45)の記事にて

区切りをつけました。


今回二巡目の記事では、

一巡目のように

全体を総括する文章を書いていません。

 

どんな流れ、経緯から二巡目を投稿し始めたか、

その理由やきっかけ等については、

(その1)、(その2)の記事に記したものの、

なぜ学習塾を主宰しているわたしが

なぜTVドラマのシナリオに

コメントするような記事を

延々100回とか、45回とか書き続けているのか、

不思議におもわれている方も

少なくないのではないかと。
 

それで、ドラマのシナリオを読み解くということと

寺子屋塾の学習が

どのように関係しているのかということも含めて

そのあたりを解き明かす記事を

書いていこうとおもいたちました。


この寺子屋塾ブログではお馴染みの山口周さんが

4月に新しい著書

『コンテキスト・リーダーシップ』を出版され

その内容を紹介されている

YouTube動画2本を文字起こしして

今日から5回にわたって投稿する予定です。

 


【最高の上司、最悪の上司】リーダーの評価は「印象」で決まる

 

この動画は、PIVOT CAREERのチャンネルで
2026.4.15に配信されたもので、

インタビュアーMCはPIVOTの磯貝初奈さんです。


(文字起こし・ここから)
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磯貝:優れたリーダーと凡庸なリーダーは、どこで分かれるのか。

山口:それは、結局「印象」ということですよね。そして、その印象はコンテキストで決まるんです。

 

磯貝:なぜ、コンテキストが必要になってくるのでしょうか?

 

山口:「いいリーダーとはどんなリーダーですか」「ダメなリーダーとはどんなリーダーですか」と聞くと、よくリストが出来上がるんです。左側に「任せる」と書かれている。一方で、右側に「丸投げする」と書かれている。では、これらは何が違うんですかと聞くと、みんな答えられないんですよ。最高のリーダーがやっていることと、最悪のリーダーがやっていることは、行為としてはほとんど同じです。でも、それが受け手にとってどう意味づけられるかが、すごく変わる。

これを見ていると面白くて、二つ矛盾があるんです。「仕事を任せてくれる」と「仕事を丸投げする」は、ほぼ同じ行為です。それなのに、一方は最高の上司、一方は最悪の上司になる。また、「指示が的確で明確」というのも、最高の上司に入っているんです。一方で、「最高の上司は任せる」とも書かれている。 これは矛盾していますよね。

 

磯貝:では、どう気をつけていけばいいのでしょう?

山口:そこで、その行為の前後がすごく大事になるんです。(以上ダイジェスト)

 

 

なぜコンテキストが重要か

磯貝:皆さんこんにちは。PIVOTの磯貝です。今回のテーマは「コンテキスト・リーダーシップ」です。 ゲストにお迎えしたのは、独立研究家の山口周さんです。よろしくお願いいたします。

 

山口:よろしくお願いします。

 

磯貝:山口さんには以前もPIVOTにご出演いただいております。今回お越しいただいたのは、新しく『コンテキスト・リーダーシップ――最高の上司と最悪の上司は文脈で決まる』をご出版なさったということで、良い上司と悪い上司を分けるものは何なのか、いろいろお伺いしていきたいと思っています。ずばり、優れたリーダーと凡庸なリーダーは、どこで分かれるとお考えですか?

 

山口:部下の印象ということですね。

 

磯貝:印象!

 

山口:はい。優れたリーダーと凡庸なリーダーを決めるのは誰か、という話です。 決めるのは周囲の人たちですよね。ですから、周囲の人たちがそう考えれば優れたリーダーだし、いかに能力があったり、思いがあったりしても、「この人はダメだな」と思われたら、凡庸なリーダーということになります。受け手の印象がすべて、ということだと思います。

 

磯貝:本の中でも、自己評価と他者評価の、リーダーとしての評価のずれのようなものが、かなり切なく、残酷な形で示されていました。 「こんなに違うんだな」という例もいろいろあったと思います。やはり、自分でどう思うか、「これをやったはずだ」ということではなく、最後に決めるのは部下の方である、ということですね。

 

山口:組織は一種の劇場なんです。そこにいる人たちは、舞台に上がっている俳優でもあると同時に、観客でもあるわけです。

そのドラマを見て、皆さんが「このドラマの中のこの上司はいい上司だな」とか、「ダメな上司だな」と思うのと同じように、組織の人たちも観客として、「この人はダメなリーダーだな」とか、「この人はすごいリーダーだな」と思うわけです。

本書の枠組みで言えば、その印象はコンテキストで決まります。それを操作しないことには、能力をいくら高めても、リーダーシップをいくら高めても、しょうがないという話です。

 

磯貝:今、劇場のお話も出ました。 観客から見て、良いリーダーであるためには、良い演じ手であることが重要なのでしょうか?

 

山口:良い演じ手であると同時に、観客が「この人はやっぱり良いリーダーだな」と思うには、そういう脚本があるからなんです。

その脚本を、本書では「コンテキスト」と言っています。その脚本が、オーディエンスから見て、良いリーダーとしての振る舞いにふさわしい文脈になっているかどうか。 それが重要なんです。でも、あまり皆さん考えていないので、本にした方がいいなと思ったわけです。

 

磯貝:いかに良い脚本が読めるようになるか、というところをお伺いしていきたいと思います。本日は二つテーマをご用意しました。一つ目が、「なぜコンテキストが必要なのか」。 二つ目が、「ビジネスパーソンに必須の七つのマクロコンテキスト」です。まず前半です。 今、その重要性がなかなか認知されていないという話もありましたが、改めて、なぜコンテキストが必要になってくるのでしょうか?

 

山口:もともと僕は、組織開発の領域を専門にやっているコンサルタントです。 リーダー育成のワークショップをいろいろなところでやるんですけれども、前から不思議だったことがありました。これはアメリカでも、日本でも、ヨーロッパでもそうなんですが、「良いリーダーとはどんなリーダーですか」「ダメなリーダーとはどんなリーダーですか」というものを挙げていただくエクササイズがあります。それをやると、よくこういうリストが出来上がるんです。

 

たとえば、良いリーダーとはどんなリーダーですかと聞くと、「任せてくれる」。これは必ず出ます。それから、「ビジョンが明確でぶれない」「コミュニケーションをよく取ってくれる」「成長させてくれる」「指示が的確」「厳しいフィードバックをくれる」といった話が出ます。

 

一方で、最悪の上司を挙げてくださいと言うと、「仕事ぶりをディスられた」「上からの仕事を丸投げされた」「方針がコロコロ変わる」「マイクロマネージする」といったものが出てきます。みんなこれを見て、「そうだよな、そうだよな」と納得するんです。でも、僕は前からこれを見て、不思議だなと思っていました。左側に「任せる」と書いてありますよね。一方で、右側に「丸投げする」とある。

 

磯貝:同じ感じですよね。

 

山口:これ、何が違うんですかと聞くと、みんな答えられないんです。

 

磯貝:そんなに明確に分かって分けているわけではないんですね。

 

山口:その場で、みんな考えるんです。「言われてみると確かに」となって、よく出るのが、「最終的に責任を取るつもりがあるかないかが重要なんだ」という答えです。責任を取るつもりがあるなら「任せる」だし、責任を取るつもりがなければ「丸投げ」だと。でも、それはあなたがそう思っているだけです。「任せる」と「丸投げ」の判断は、部下がしますよね。

 

しかも、その瞬間に判断します。部下から見て、上司に責任を取るつもりがあるかどうかは、どうやったら分かるんですかと聞くと、みんな言葉に詰まってしまうんです。あるいは、「能力があるけれども、あえてやらせるのが任せるで、自分に能力がなくてやれないことをやらせるのが丸投げだ」 という人もいます。でも、それも部下からしたら、上司に能力があるかないかは分からないですよね。 実際にはできるかもしれないわけです。しかも、これについては大体コンセンサスが取れないんです。

 

「その定義で皆さん納得しますか」と聞くと、必ず「僕はちょっと違うと思います」という人が出てくる。ということは、「任せる」という行為について、行為として合意の取れた内容はないんです。「任せる」も「丸投げ」もそうです。

 

面白いのは、人工知能に聞いてもばらけるんですよ。たとえばChatGPTに「任せる」と「丸投げ」の違いを説明してくださいと言うと、一応それらしい説明が出てきます。 それをGoogleのGeminiに投げると、相当ずれた説明が出てくる。これは非常に特徴的です。

基本的にAIは行列、つまり統計ですから、世の中的にコンセンサスの取れた回答があると、必ずそれを返してきます。 一般論的なものが出来上がっていれば、正解が出てくるんですね。

 

たとえば、「アインシュタイン方程式とはどんな方程式ですか」と聞くと、Deep ResearchもGeminiもChatGPTも、まったく同じ式を返してきます。でも、「任せる」と「丸投げ」は何が違うんですかと聞くと、Deep ResearchもGeminiもChatGPTも違う答えを出してくる。これは何かというと、世の中的な中央値がないということなんです。

 

「任せる」と「丸投げ」の違いもそうです。たとえば、「的確な指示をくれる」というのは、どう考えても良いリーダーがやることですよね。 でも一方で、最悪の上司に「マイクロマネージ」が入っている。マイクロマネージとは、細かく指示を出すということですよね。では、「マイクロマネージ」と「的確な指示を出す」は何が違うんですかと聞くと、また大混乱するんです。「的確すぎるのがマイクロマネージだ」とか、いろいろな答えが出てくる。「的確」は良いことだったんじゃないの、となってくるわけです。では、その「的確」と「的確すぎる」の境目はどこで決まるんですか、と聞くと、また意見が分かれる。

 

磯貝:too matchはどこからですか、みたいな話ですね。

 

山口:そうです。要するに、コンセンサスの取れた、世の中的な平均値としての答えはないわけです。にもかかわらず、 「任せる」 「的確な指示を出す」 「ビジョンを明確に示す」 というのは、みんな「どう考えても良いリーダーのやることだ」と言います。でも、ほとんど同じような、違いを説明できない行為が、最悪のリーダーのやっていることとしても羅列されているんです。

 

それでみんな、「そうだよな。では、最高の上司がやっていることをこれからやっていこう」「最悪の上司がやっていることはやめよう」 と言う。でも、その行為の中身を説明できないなら、最高の上司のやることをやっているつもりで、部下からは最悪の上司だと思われている可能性がありますよね。

 

磯貝:そうですよね。よくリーダー論を勉強しようと思って見ると出てくるのが、この左側にあるような、最高の上司の行動や振る舞いです。それを見て一生懸命そちらを目指した結果、部下からは実は右側の「最悪の上司」だと思われている可能性が全然ある、ということですね。

 

山口:あります。本屋さんに行くと、この手の本はたくさん並んでいます。「最高のリーダーは傾聴する」「最高のリーダーはビジョンを示す」「最高のリーダーは任せる」こう書いてあります。でも、それは最悪のリーダーと何が違うんですかと言うと、みんな説明できないんです。

 

僕が組織開発のコンサルタントをやっていたのは、2010年代の10年間ぐらいです。 その間、ずっと不思議だなと思っていました。世の中を見ると、「優れたリーダーはビジョンを出す」「優れたリーダーは傾聴する」「優れたリーダーは任せる」という本が出ている。でも、世の中に優れたリーダーはなかなか出てこないですよね。

 

磯貝:出てこないですね。

 

山口:単純に考えれば、優れたリーダーがやっていることをやればいい、という話なんです。でも、なぜ出てこないのか。考えてみると、理由は単純です。最高のリーダーがやっていることと、最悪のリーダーがやっていることは、行為としてはほとんど同じなんです。

 

磯貝:同じ行動をコピーペーストしたとしても、どう取られるかは変わってきてしまう、ということですね。

 

山口:そういうことです。つまり、最高の上司と最悪の上司がやっていることは紙一重だ、ということなんです。

 

 

評価を左右する「文脈」の力

磯貝:切ない話ですね。

 

山口:切ないです。

 

磯貝:皆さん、最高を目指したい、最悪は避けたいと思うはずです。 でも、ここが紙一重であるという時に、どう気をつけていけばいいのでしょうか?

 

山口:それがコンテキスト、文脈だということなんです。その行為の前後がすごく大事です。特にフォロワーからすると、行為を受けた瞬間、その未来はよく分かりません。 後のことは分からないので、前がすごく重要になるわけです。

 

たとえばドラマを見ていて、「この人はダメなリーダーだな」というキャラ設定がある程度できているとします。その人が、「磯貝さん、この仕事ちょっと任せていい?」 と言ったら、観客は、「あ、また丸投げだよ」「この責任感のない人が、また仕事をサボろうとしている」 と思うわけです。そういうキャラ設定ができている人が、「磯貝さん、この仕事お願い」と言うと、観客はもう「丸投げだ」と思うんです。「これ、受けちゃダメだよ」「その後、大変なことが待っているよ」と観客は思います。

 

一方で、その人が部下思いで、必ず最後は責任を取ろうとする。 部下を育てるという意識もすごくある。 そういう印象が、キャラ設定として出来上がっている人が、「磯貝さん、この仕事お願いしていい?」 と言うと、「あ、ここは任せたんだな」と思うわけです。多少大変であったとしても、「この人が任せてくれるということは、今後の自分のためになるはずだ」という解釈をする。本の中では、それを「意味づけ」と言っています。ある行為が「丸投げ」なのか「任せる」なのか。 「ビジョンを明確に示す」なのか、「独りよがりで熱苦しいことを言っている」なのか。「的確な指示を出す」なのか、「マイクロマネージする」なのか。行為としての違いは、ほとんどありません。

 

でも、それは受け手にとって、意味づけがすごく変わるんです。片方は最高のリーダーになる。 片方は最悪のリーダーになる。これを見ていると面白くて、二つ矛盾があるんです。たとえば、「仕事を任せてくれる」「仕事を丸投げする」というのは、片方は最高、片方は最悪です。ほぼ同じ行為が、最高と最悪になる。では、「任せる」のが良いのだと思って、一人で全部やってしまうような人が、「君も任せないと」と言われて任せるようになる。すると今度は、二つ目の矛盾が出てきます。それは何かというと、「指示が的確で明確」 というのも最高の上司に入っているんです。最高の上司は、指示を的確に出す。 一方で、最高の上司は任せるとも書かれている。これは矛盾していますよね。

 

磯貝:はい。

 

山口:では、どちらが最高なのか。 どちらをやればいいのか、という話になります。

 

磯貝:最高になるように教えてほしいのに、「どっちをすればいいの?」となりますね。

 

山口:そうです。最悪の上司も同じです。たとえば360度評価で、「山口さんは丸投げします」というフィードバックをもらうとします。「ちょっと丸投げしすぎだと思います」と言われる。そうか、ではこれからはちゃんと指示を出すようにしよう。そう思ってやると、次のフィードバックで、「山口さんは最近マイクロマネージしています」と言われるわけです。細かく口出ししてきます、と。真逆の行為なのに、両方とも最悪の上司に入ってしまっているんです。

 

一度最悪ルートに入ってしまえば、どちらをやっても「最悪」と言われてしまうんです。これ、下もそうです。「ビジョンが明確でぶれない」というのは、最高の上司の評価で必ず出てくると思います。でも一方で、「独りよがりで人の意見を聞かないし、頑固なんです」 というのも出ます。「ビジョンが明確でぶれない」というのと、「独りよがりで独善的で頑固」というのは、ほとんど同じですよね。でも、片方は最高、片方は最悪と言われる。一方で、 「人の意見を柔軟に取り入れて方針を変えてくれる」 というのも、最高の上司の評価でよく出てきます。

 

でも、「ビジョンが明確でぶれない」 というのと、「柔軟に方針を変えてくれる」というのは矛盾していますよね。「独りよがりで頑固だ」と言われたリーダーが、「もう少し部下の意見も取り入れて柔軟にやらないと」と思って、「何々さんがそう言うなら、その方向に変えようか」と言う。すると今度は、「あの人は本当にコロコロ方針が変わって、軸がない」と言われるわけです。

 

では、どうすればいいのか、という話になります。これはもう、その中のコンテキストで、「この上司はいまいちだな」 と思われてしまうと、何をやっても最悪と言われてしまうんです。文脈を設計し、編集し、操作しないと、最高のリーダーがやっている行為をやっても、すべてネガティブに取られる。最後は、「もう俺、やってられないよ」となって、ブレイクダウンする。そういうことです。

 

磯貝:そうですよね。最悪ルートに入っていることに気がつかずに、一所懸命「最高の上司たらん」とする人から見える世界としては、「最高の上司がやっていることを自分もやっているはずだ」「これだけ自分はそちらに向けて努力をしている」なのに、返ってくる評価は全部真逆のものになる。それでは、折れてしまいますよね。この例で言うと、たとえば「任せるか、随時指示を出すか」を考える瞬間には、もう結論は決まっているということでしょうか?

 

山口:そうですね。 そういうことです。キリスト教神学的に言うと、「予定説」というものがあります。最高のリーダーと最悪のリーダーは、あなたが何をやっても、もう変わらない。あらかじめ決められている。これはキリスト教、プロテスタンティズムの予定説ですけれども、リーダーシップに関しても、かなり予定説的なところがあるということです。(16分20秒あたりまで)
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(文字起こし・ここまで)

 

この続きはまた明日に!(^^)/

 

 

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・山口周「ラーンとマスターを混同してませんか?」(「今日の名言・その20」)
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