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オイゲン・ヘリゲルの言葉に触発されて(「今日の名言」その1)

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オイゲン・ヘリゲルの言葉に触発されて(「今日の名言」その1)

オイゲン・ヘリゲルの言葉に触発されて(「今日の名言」その1)

2021/11/05

 

 的を狙わずに自分自身を狙う。
 さすれば的はわたしと一体となる。

 

オイゲン・ヘリゲル『日本の弓術』より

 

 

的に当てよう!と頑張れば頑張るほど、

的は自分から逃げていってしまい、

矢はなかなか的に当たらない。

 

だから、的と自分が一体化してしまえば、

的に当てようとしなくても

自然と当たってしまうという、

いわゆる弓術の極意について述べられた

有名な言葉です。


でも、この言葉の意味を解釈しようとすると、

ヘリゲルが言いたいことは

あまりよく分からないかもしれません。

 

結局〝言葉とは月をさす指〟にすぎないので、

指自体を見てても仕方がなく、

いったい何をさしているのか、

指のさす先を見る必要があるので。


たとえば、時間軸に着目していうと、

未来に目標を立てたり、

「〜しよう」と頑張ったりすることは、

現在と未来との間の乖離というか

溝をつくり出してしまいがちで、

いつまで経っても未来はやって来ず、

望みは実現しないわけで。

 

だから、必要なことは、現在という時間に対する

自分の認識を拡げてしまうことなんだと。


つまり、わたしたちは言葉で考えるため、

たとえば、時間についてであれば、

「過去」「現在」「未来」という風に分けてますが、

それはあくまで便宜上名前をつけただけというか、

人間の頭の中にある観念世界内のことで、

実際は、そんなふうに分かれていません。


よって、〝過去と未来の間に現在があるんじゃなく、

過去も未来も現在の中にある〟と、時間に対する

自己認識のほうを書き換えればいいわけですが、

そのことを頭で分かっても仕方がなく、

それを現実の生活の中でも実現できているかどうか、

常に実践している自分であるかどうかが

大事なわけです。


寺子屋塾では、このような

時間に対する自己認識をアップデートする練習を、

算数プリントを通じてやっていると言っても

過言ではないわけなんですが、

大脳優位に傾いている人は、

〝考えず、ただやる〟ってことが

なかなかできないんですね。


だから、まず、身体を動かして、

いま目の前にある

プリントそのものを大切にするということが

なかなかできなくて、アタマだけで考えて

「毎日やろう!」と目標を立てたり、

未来の方に意識を過集中させて、

頑張ってしまったりするわけです。

 

つまり、このように大脳というのは、放っておくと

すぐアレコレ考え始めてしまうんですが、

「〜しよう」ということよりも

「〜しないでおこう」というふうに、

ブレーキをかける方が断然得意なので、笑

プリントはますます自分から遠のいていき、

どんどんやれなくなってしまう・・・


それで「1日1枚は目標ではなく前提」と言ったり、

「らくだメソッドのプリント学習は、

 目の前にある1枚のプリントを大切にして、

 〝自分ガ~〟〝わたしガ~〟という

 ガ(我)を抜く練習なんです」と言ったり、

こうして過去の偉人が遺した名言を紹介したり、

日々手を変え品を変え、表現しているんですが、

前にも書いた通り、

〝言葉とは月をさす指〟にすぎないので、

言葉だけで伝えようとすることには、

どうしても限界があるんですね。


結局、わたし自身ができることは、

こうした生き方を、

実際に日々の生活の中で体現できているかどうか、

常に問い続けることでしかありませんから、

らくだメソッドのプリントだけでなく、

自宅の庭の写真をFacebookに投稿し

その日の天気や予定を書くことを日課としたり、

易経のサイコロを毎日振り続けたり、

論語499章を1日1章ずつ読んだり、

500円貯金をし続けたり、

こうしてblogを毎日更新したりしているわけです。

 

まず、身体を動かしてやってみることが先で、
あくまで大脳は補助的に使うことが大事なんです。

 

つまり、らくだプリントを1日1枚

自分で決めて

欠かさずやり続けようとすることは、

すぐ大脳主導に傾いてしまいがちな姿勢を、

どこまで身体主導にできるかという

鍛錬になリ得るのではないかと。

 

そして、こんなふうに

日々の些細なことを

日常化していく実践は、

今日という日を丁寧に生きようとする姿勢が

現実の生活にもしっかり根を下ろし

形づくっていくことにもつながるだろうし、

長いように見える人生も、

煎じつめて言えば、

そうした1日1日の小さなことの

積み重ねでしかないんじゃないかと。


そうした姿勢が、指導者のわたしから

このように言われたからということではなく、

自分自身の心の内側から

生まれてきているものとして、

日常アタリマエの立ち居振る舞いとなったときには、

冒頭に紹介したヘリゲルの言葉のように、

自分の身体と目の前にあるプリントとが

一体化していることでしょう。

 

そうなったときには、きっと

「毎日プリントをやろう!」などと気張らなくても

無理なく身体がス〜ッと自然に動いて、

結果的に毎日やれるように

なっているんじゃないかとおもうんですが・・。

 

・・・などと言いつつ、わたし自身もこんなに

たくさんの言葉を書き連ねてしまったということは、

大脳優位な状態にあるのかもしれませんね。(^^;)

 

 

今日は、ドイツの哲学者オイゲン・ヘリゲルの著書に

書かれていた言葉に触発され、

当塾のらくだメソッドの学習内容に絡めながら

丁寧にコメントしてみました。

 

この寺子屋塾blogでは、こんなふうに

古今東西の先人たちが残した言葉や

現役で活躍されている方々の名言などを

紹介しながらコメントする記事を時折書き、

ゆくゆくはシリーズ化していくつもりですので、

これからもご愛読いただければ幸いです。<(_ _)>

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