2000社の会社を黒字にした社長のノート
2022/04/07
木曜はマネジメント関連の記事を書いているんですが、
今日は長谷川和廣さんという方が書かれた
という本の紹介を。
「寺子屋塾で行われている未来デザイン考程や
経営ゲーム塾でのトータルゲームの体験って、
現実の会社経営にプラスになるんですか?」
というご質問を頂くことがあります。
わたしが未来デザイン考程を学んだのが
寺子屋塾を起業する直前だったんですが、
その価値が本当に実感できるようになったのは、
起業後10年くらい経ってからのことでした。
この話は以前にも
このblogに書いたことがありましたが、
そう実感するに至ったポイントとは、
結局のところ何だったのか、
それをごくごく端的に表現するとすれば、
・〝現状把握(課題分析)〟の重要さ
・〝転原自在〟の姿勢を常に手放さない
(転原自在=何事も最終的にカギを握るのは自分)
の2点に尽きるようにおもうのです。
ただ、マネジメントの現場に即して
この2点を表現するとなると、
会社規模やまわりの環境、業種、顧客の属性など
さまざまなバリエーションが出て来てしまうため
だれにも共通して実感できるような
汎用的に表現するのは易しくありません。
つまり、未来デザイン考程は、
優れた思考ツールであることは間違いないのですが、
情報の集約度がすこし高すぎるがために、
現場との繋がりが見えにくいのが
ウィークポイントであるわけです。
それで、この
『2000社の会社を黒字にした社長のノート』は
未来デザイン考程とは直接関わりの無いところで
生まれた書物ではあるんですが、
マネジメントにおけるいわゆる要所について、
現場感覚の伴った「プロの仕事術」指南書として
平易な言葉に噛み砕いて表現されている
1冊といってよいでしょう。
著者の長谷川さんは、十條キンバリー
ゼネラルフーズ、ケロッグなど
7社のグローバル企業で経営幹部や
代表取締役社長を務め、
ときには〝再生コンサルタント〟として、
2000社を超える赤字会社を
黒字化した実績のある凄腕の経営者!
50年以上にわたり、仕事中や移動中に
「おやっ!」と思ったことを日々書き留め、
「OYATTO NOTE」(おやっとノート)と
名づけられたノートの数は283冊に達します。
その「OYATTONOTE」から抜粋して作られたのが
この本『社長のノート』なんですが、
2009年7月に出版された第1弾が好評を得たため
第2弾、第3弾と続々出され、
全3冊で25万部を超えるベストセラーに。
本書はこの『社長のノート』シリーズ3冊の
エッセンスを凝縮し
第3弾出版後に生まれた新たな気づきも追加し
再編集したベスト版とのことです。
それで、この本に書かれている内容と、
未来デザイン考程のポイントに
どんな風に繋がりが感じられたかについて、
2つほど具体例を挙げてみましょう。
P.18に書かれている
3.仕事上手な人は6つの能力を持っている
には、
1.問題を発見しているか
2.問題についての情報を分析しているか
3.最重要の問題は何かを見抜いているか
4.問題解決のための目標を設定しているか
5.目標を達成するための戦略を作りあげているか
6.戦略を具体的な行動に落とし込んでいるか
とあり、この手順は未来デザイン考程において、
「現状把握→未来予測→要所解明→方法立案」
としている手順と重なります。
また、P.96に書かれている
66.PDCAの前にやるべき重要な作業
には、PDCAサイクルという手法は広まったけれど、
効果的に活用出来ている会社はほぼ無いに等しい。
現状を把握し、課題分析がなされていない状態で、
PDCAを廻しても仕方が無く、
わたしが見てきた赤字企業のほとんどが、
「経営課題が分析されていないままで
PDCAを廻している」
という共通点があったと記されていて、
なるほど!とおもいました。
この本を紹介しているYouTube動画もあるので、
試しにご覧になってみてください。