TVドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」原作マンガ（全11巻）のこと
2022/04/08
金曜は読書関連の話題を書いているんですが、
今日はTVドラマ『逃げ恥』の原作漫画のことを。
ドラマや映画には、原作がなく
オリジナル脚本の場合もありますが、
TVドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」の場合は、
講談社の月刊雑誌『mimi』2012年22号から
2017年2月号まで連載された
海野つなみさんの書かれた漫画が原作です。
逃げ恥の場合、連載中にTVドラマ化が決定され、
連載が完結する前からドラマの放映が
始められたことも特筆すべきことでしょう。
また、TVドラマの人気にこたえる形で
2019年3月号から連載が再開され
2020年4月号まで１年間の期限付きで
続編のような形で
みくり、平匡の結婚後の出産までの物語が
書き足されました。
その、原作漫画の書き足された部分が
2021年のお正月に新春スペシャルと銘打ち
２時間半のTVドラマとして放映され、
そして、その共演がきっかけとなって
ガッキーと源さんの交際が始まって
2021年５月、結婚に至ったという話は
皆さんご存知のとおりです。
このblogでも、
と題した記事を７回にわたって書いたので、
未読の方はぜひご覧いただければとおもいますが。
わたしの場合、『逃げ恥』体験は、
ＴＶドラマが先だったので、
原作漫画はドラマを観た後に読んだんですが、
ドラマの脚本を担当された野木亜紀子さんは、
逃げ恥シナリオ集のあとがきに
エモーションを重視したドラマに比べ
思考実験的要素が強い理知的な漫画でありながら、
笑えて、ぐっときます。
ドラマと原作はパラレルワールドのようなもので、
同じようで違う道をたどっており、
それでも同じことを伝えている......はずです。
「はず」 というのも、常に原作の哲学を
遵守することを自分に課してはいるものの、
私が思う「作品の根幹」が果たして正しいのか、
勝手な思い込みではないのか、
常に自問自答しながら書いているからです。
「踏み外していませんように」と願いながら、
信じた道をひた走るしかないのです。
と、原作を脚本化することへの不安や難しさを
正直に告白されています。
二次元世界のマンガですから、当然のこととして
人間が演ずる三次元ドラマとはトーンが異なり、
ところどころ違った展開があったりしますが、
それでも原作のセリフが
原作とは違う場面で使われていたり、
ドラマに相応しい言い換えがなされていたりして、
野木さんの丁寧で真摯な姿勢が感じられ
ナルホド！とおもうことが沢山ありました。
また、海野さんは、原作コミックス第１巻あとがきに
連載が始まったばかりで
展開が読めない不安な気持ちや
登場人物の名前の由来などが書かれているんですが、
以下に原文のままご紹介！
（引用ここから）
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37冊目の単行本です。
連載では『回転銀河』以来の現代ものでしょうか。
『くまえもん』はまたちょっと違うし...。
今回の話は、今までの連載とは
違う作り方をしているので、
自分でもどう転ぶか全然見えません。
『デイジー＊ラック』も
同じような感じではあったんですけど、
あれは別冊から本誌に移って
すぐ打ち切りになったので...。
今回は大丈夫かな。いまだに恐る恐る描いています。
一応 最後の展開とオチ（？）は考えてあるので、
いい感じでそこにたどりつけますように。
「みくり」や「ちがや」という名前は植物の名前です。
「実栗」と「茅」。
みくりサイドの名前は みんな植物由来です。
お父さんの名前を全然考えてなかったのですが、
第１話は 背景の描きだめもなく
とにかくギリギリで原稿をやっていて、
最終ページに世帯主の名前を書く欄を見て
どうしようと思いました 。
結局、当時ハマっていた昼ドラ『赤い糸の女』の
栃彦さん（フルネーム が石母田栃彦ってどんな）
しか浮かばず、もういーやと思って
「森山栃男」 にしてしまいました。
ちなみに、津崎さんは水系。
「平匡」は魚のヒラマサからとりました。
風見さんは風系、あとは沼田さんとか、日野さんと、
自然よりの名前です。
ことわざサブタイトルと共にお楽しみください。
あ、ちなみに『逃げるは恥だが役に立つ』というのは、
ハンガリーのことわざからつけました。
ネタ帳を見たら、何やらいろいろメモしてました。
「猫がみつめる方向には霊がいる」って、
これ、ことわざ・・・?
これを書いている今は マンションのリフォームのため、
ウィークリーマンションに仮住まい中です。
結構古くて狭いのと、アシさんと2人で
PCを使ってると
ネットにつながりにくくなるのがストレス。
ああ、早く元の家に戻りたい...。仕事やりにくい...。
リノベーションで間取りも変えたので、
新しい家が楽しみです。
今年はさらに、パリとチェンマイに
行きたいと思っていて、
パリの方は漫画家の友達と一緒に6月に行く予定です。
初パリです。フランスは、
スイスに行った時モンブランに登ったくらいでした。
ロープウェイで一気に
富士山より高い山に登れるのです。すごいなあ。
遊んでばかりではなく仕事も、ということで、
今年もまたモーニングに 読み切りを
描きたいなあと思ってます。
パリの往復のフライトの中でネームやります...。
そこしか時間ないので。
昨年は モーニング で初登場で
巻頭カラーで読み切りを描かせてもらうという、
確実に人生のベスト10に入るであろう
経験をさせていただきました。
なかよしでデビューして、いろんな雑誌を流れ歩き、
特に看板になることもなかったのですが、
頑張ってるといいこともあるんだなあと。
モーニングで描いたことで、読者層も広がりました。
十代でデビューして、来年もう25周年か。
早いなあ・・・。頑張ったな、私。
新しい方もですが、
ずっと読んでくださってる方にも感謝です。
2巻は 結構話が進みますので、どうかお楽しみに!
『逃げ恥』、男の人で好きだと
言ってくださる方も多くて、嬉しいです。
続きも頑張ります！ ではでは、また！
（引用ここまで）
ＴＶドラマ『逃げ恥』は観たけど、
原作漫画は読んでいないという方には、
ぜひ読んでほしいとおもいます。
