天才とはバカであることを自覚している人(つぶやき考現学 No.55)
2022/04/13
物事の本質を見ようとしない人は、
自分の見ている世界だけがすべてだから、
見えているところだけを見て、
「わたしはすべてわかっている」と
錯覚している。
物事の本質を見ようとする人は、
自分に見えないものが無数にあると
わきまえているから、
見えていないところを見て、
「わたしは何もわかっていない」と
自覚している。
謙虚さと素直さとは、
言い換えると、「わたしはバカである」
という自覚のことであり、
これからの不確実性の高い時代を
生きのびていく上では何より大切だ。
よって、〝天才〟とは、
「わたしはバカなんだ」と
常に自覚している人のこと。
天才スティーブ・ジョブズも言ってました、
Stay hungry! Stay foolish!と。(2015.4.28)
※井上淳之典のつぶやき考現学 No.55
COMMENT:
人が成長するために「素直さ」は欠かせないものです。
でも、よくある勘違いなんですが、
素直さというものを
「ハイハイ」と人の話を何でも鵜呑みにして聞く
受動的な姿勢のことだとおもっている人が
案外少なくないようで。
素直さは、能動的な姿勢と日々の鍛錬によって
獲得できる〝能力〟であって、
けっして生まれついた性格や態度のことを
言っているわけではありません。
「ハイハイ」と人の話を鵜呑みにして聞くのは、
自分のアタマでモノが考えられない
単なるイエスマンであって、
「素直な人は騙されやすい」というのも、
大きな誤解であり勘違いです。
素直さは能力であって、態度ではありませんから、
残念ながら「素直になろう!」と決意するだけでは、
素直な人間になることはできません。
詞に書いたように、
物事の本質を見ようとする人は、
実は「自分が無知でバカな人間である」という
自覚を常に手放さないから、
目の前の人が、自分を騙そうとしているか否か
すぐに判断できるので、
人に騙されるということもなく、
結果的に物事の本質にたどり着いていけるのです。
そして、前提としてそういう姿勢さえ失わなければ、
だれもが「素直な人間」になれる可能性があるのです。
なぜなら素直さとは、それを身につけさえすれば
だれもが発揮できる〝能力〟なのですから。