佐治晴夫「『これから』が『これまで』を決めるのです」(「今日の名言・その21」)
2022/06/13
よく、「過去・現在・未来」といいますね。
残っているものに過ぎず、
とすると、 新しく塗り替えられることになります。
※理論物理学者・佐治晴夫さんのことば |
わたしたち人間は、言葉を使います。
それで、「過去」「現在」「未来」と聞くと、
この世には、時間というものが存在していて、
あたかも過去から未来に向かって
流れているように感じますが、
本当に時間は流れているのでしょうか?
でも、時間が流れていると感じている
自分がいるのは〝今〟ですよね?
「未来」というのは、「未来」なのであって、
実は、未来永劫やって来ないんですよ。
え? 「明日は、未来だけど、
明日はやってくるじゃないですか」って?
はい。でも、明日になれば、明日が〝今〟ですよね?
10年後になれば10年後が〝今〟ですよね?
わたしたち人間は、
明日や10年後には生きられないし、
〝今〟以外には生きられないんです。
「いや、『過去』があり、『現在』があり、
『未来』があるじゃないか」と
おもわれるかもしれないんですが、
わたしたちが、生きて〝実在〟しているのは、
常に〝今〟であって、〝今〟しかないんです。
違いますか?
感じることは、〝今〟しかできませんよね?
わたしたちは、過去を感じたり、
未来を感じたりすることはできません。
また逆に、大脳で考えることは、
たいてい過去のことか、
未来のことですよね?
今どう生きているか、どう行動しているかが、
ずっと連綿とつながっていて、
それを、あとからふりかえってみたときには、
「過去」「現在」「未来」にあたる〝経過〟が
結果として生じていたと言えるだけなんです。
つまり、「時間」というものは、
佐治さんが言われている通り、
人間の脳の中では存在することができても、
〝実在〟するものではないと。
過去に起きたどんな事実も、
人間の脳内にある記憶にすぎず、
その過去を受けとめているのが
〝今〟でしかないなら、
わたしたちが、過去が未来を決めているように、
おもっているのは錯覚で、
本当は、その逆なんだということが、
おわかりいただけたでしょうか?