城野宏「人生で最も大事なことは事実と観念の違いを見分けること」(「今日の名言・その22」)
2022/06/16
人生においていちばん大事なのは、 事実と出来事と それらにまつわる観念や意見の違いを 見分けることだ。
私たちが明晰さを求めてやまないのは、 事実という黄金を 意見という不純物から 分離しなければならないし、 幻想と現実を見分ける必要があるからだ。 現実とは、真理が宿る 神なるものの領域なのだ。
※城野宏(1913~1985:長崎県生まれの評論家)のことば |
未来デザイン考程については、
これまでにも
など、いくつか記事を書いてきました。
この城野宏さんのことばは、
未来デザイン考程の核心にあたる部分を
端的な言葉で表していると言ってよいでしょう。
なぜなら、未来をデザインする考程プロセスのうち
現実世界を変えうる重要ポイントを見つけ出すのに
最も重要な局面は〝現状把握〟であり、
現状把握局面におけるポイントとは、
結局のところ、客観的事実と主観的幻想、観念を
きちんと分けることにあるからです。
わたしたちは、過去に経験してきたことによって、
ものの見方や考え方が形成されていますから、
たいていの場合、目の前にある事実を
自分の色眼鏡で見ていて、
事実としてそのまま受け止めることができていません。
つまり、自分の思考という
フィルターを通して見ている
さまざまな意味づけや価値づけをされた幻想世界を
あたかも事実であるかのように
勘違いしているわけです。
また、この話は何も今日に始まったことではなく、
今から2500年前に生きていたお釈迦さまも
ほぼ同じ問題意識の中にいて、
人はなぜ苦しむのかを問い、
そのことから目覚めて〝如実知見〟を説き
ブッダと呼ばれたのでした。
その話は
苦を終わらせる4つの真実〝四諦〟 に書きましたし、
ここまで読まれてもピンと来ない方は、
「つぶやき考現学」のカテゴリーにも
このテーマで書いた詞がいくつかありますので、
読んでみて下さい。