すべてを担わない教材だからずっと学び続ける姿勢の土台に
2022/12/10
土曜はらくだメソッドや塾生関連で
記事を投稿しています。
12月に入ってからずっと
「情報洪水の時代をいかに生きるか」というテーマで
記事を書いてきたんですが、
その0と昨日書いた参考本24冊を入れると
10回も書いてきたためか
その余韻がまだ残っているようで、
タイトルから想像できるんじゃないかとおもいますが、
これから書こうとしている話も
その流れに沿った内容となりそうです。
10月にこちらの記事でご紹介した
宮城県の気仙沼市でらくだメソッドの教室
「学習塾ホライズン」をされている小野寺充太さんが
一昨日facebookでこんな記事を投稿されてました。
(引用ここから)
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「ここ(塾)でやってた時はできたんですけど、
テストになるとできなくて…🥺」
うん、わかるよ。
わかるようになってきた、できるようになってきた
プロセス(過程)を見てるから、
出てきた結果だけがすべてではないことを。
「○○(苦手な科目)を捨てるとかって作戦は
アリですかε-(´∀`; )?」
あのさ、そもそも今回のテストも、俺、
限られた科目しかここでやってないだろ?笑
それは、今の段階で出来ることに
ベストを尽くして欲しくて、
何もかも、とりあえずやったフリするよりは、
ひとつでも自分でできることを
積み上げていくことの方が大事で、
そもそもここ(学習塾ホライズン)が、
"一人ひとりが自分のペースで学べる場所"って
言ってるのは、そういうふうに、
どんな時も、学ぶひとが
一歩でも前に進むサポートをしてるんだよ。
だから、ある意味、今回も実は、
いろいろ"捨てる作戦"(笑)は、やってたんだよ(笑)
でもね、それはまずはいつでも
"できることから"って思っているからで、そうやって
少しずつチャレンジを続けて欲しいって意味では、
どんなことも簡単には"捨てる"っては
思ってほしくないし、俺は今はできなくても
いつかそっちもやるぞって思ってるよ(笑)
つまり今は捨ててるけど、
いつかそこまで行くぞって思ってるよ😃笑
などなどテスト終わりの子たちと話す。
僕自身は、テストの結果とか。受験の結果とか、
本気!で、たいした話じゃねーな。って思っていて、
だからこそ、一生学び続けるための土台になるような
基礎学力を手渡したいと思っている。
でも、そういう学びをしてると、
当たり前だけど、テストの結果とかもついてくるし、
どうせ出来っこないとか、自分には向いてないとか、
逆に自分の得意なことはこれだ!とか、
あんまりはやく決めつけてしまわないで、
思わぬ出会いにこそ、わくわくしてほしい。
そういうことが学びの本質で、
探究する学びなんじゃないだろうか?
探究は、学びの仕組みとかじゃなくて、
"学ぶ姿勢“のことだから、
特別な授業じゃなく、ふだんの暮らし、
普段の授業で学ぶことの中にも、
その芽を見つけていきたい。
学校で学ぶことだけが大事じゃないことは
まず当たり前。
でも。学校で学ぶこと、身につけると、
けっこー未来を生きる力になる。
だから今日もふつうをていねいに。
地味な努力のその先に、
新しい景色がきっと見える。
(引用ここまで・太字は井上)
この記事をめぐって小野寺さんと
次のようなやり取りをしました。
A:わたしも、一生学び続けるための土台になる
基礎学力を身につけて欲しいと願いながら、
寺子屋塾の場を開いています。
O:らくだメソッドは、"すべてを担うわけじゃない"
っていうことがとても大事だなと思う機会が多いです。
しかしなのか、にもかかわらずなのか、
それゆえに(笑)なのか、
確かな土台になる学びだなという実感があります。
探究型の学びとか、
アクティブラーニング(主体的な学び)とか、
"新しい学び"の時代、さまざまな学びがある時代に、
それでもなにかコアになることを
見定めていきたいなと思ってます😊
A:たぶん「それゆえに」でしょうね。
それだからこそ、ずっと学び続けようとする姿勢が
身に付くわけで。
細谷功さんの『問題発見力を鍛える』という本に、
「無知の知」って、知らないっていうことを
知っているだけでなく、
「知らないことすら知らない」ところが
一番広いんだって認識してることだって書いてあって、
ナルホドっておもいました。
世の中には、「この教材さえやったら大丈夫!」
みたいなPR合戦がせめぎあってるみたいですが、
仮にそんな教材が存在するとして、
そんな教材で学ぼうものなら、
自分の学んだ世界だけがすべてだって勘違いさせ、
「無知の無知」を育ててしまいかねないんじゃ
ないですかね?
※図版はこちらのページから拝借しました
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「情報洪水の時代をいかに生きるか」(その6)で
植物の身体も、よく観察すれば、
「根幹」と「枝葉」に分かれる、
という話を書きました。
源流をたどるという話も、言い換えれば、
枝葉末節から遡って根幹をつかむということなので。
情報過多な時代にあっては、
根幹にあたるものか、枝葉にあたるものかを
それを区別する能力はとても大事です。
なぜなら、根幹部分をしっかりつかんでいれば、
枝葉については、全部を知らなくても
何とかなっていくことが多いし、
何から始めればいいか、その手順さえ間違えなければ、
たいていの物事はとてもシンプルに構造が見えて
理解しやすくなるので。
らくだメソッドの算数教材は、大部分が
計算問題で、たとえば小学1年相当の算数教材は、
たしざんの単元のみで24枚という構成です。
つまり、自分で学んで行くために最低限必要な
基礎学力を習得することのみに絞り込んで
その教科で学習するすべての単元を
網羅した構成にしていないのは、
能動的にずっと学び続けようとする姿勢の
大事さを伝えたいためでもあるんですね。