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インタビューゲームでなぜ人生が変わるのか(その3・相互に相手の自由意志を尊重)

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インタビューゲームでなぜ人生が変わるのか(その3・相互に相手の自由意志を尊重)

インタビューゲームでなぜ人生が変わるのか(その3・相互に相手の自由意志を尊重)

2023/05/09

5/7よりこのblogでは、

インタビューゲームを100名以上の人と行うと、

なぜ、人生が大きく変わってしまうのかについての、

考察を3回にわけて書いて投稿しています。

 

一応、今日で最後となる予定なんですが、

まずは、これまで書いた記事内容を

ざっとふりかえってみましょう。

 

5/7に投稿したその1では、

二人の心理学者によって考案された

「ジョハリの窓」を手がかりにしながら、

インタビューゲームが、

自己開示とフィードバックを相互に行うことに

そのままつながっているので、

繰り返し行うことによって

自分自身もまわりの人間も知らない部分が

新たに開かれていく可能性が高いと書きました。

 

そして、昨日投稿したその2では、

その1よりさらに認識についての解像度を上げ、

吉本隆明さんが『共同幻想論』など主要三部作で

展開された3つの幻想領域

「個人幻想」「対幻想」「共同幻想」の視点で

インタビューゲームを捉えるとどうなるかを

書いてみました。

 

ナイチンゲールの名言を取りあげた記事でも

結局のところ

大切なのは「観察力」と書きましたが、

かと言って、ただ闇雲に見ればいいわけではなく、

何をどのように見るかという

「視点」が欠かせません。

 

「今日の名言シリーズ」のこちらの記事で紹介した

城野宏さんの言葉のように

まずは、誰にとっても同じ客観的な事実と、

各々異なる観念や幻想の世界をゴッチャにせず

区別することが大切なんですが、

それだけでは片手落ちです。

 

なぜなら、

元アスリート為末大さんが2022.1.20に書かれた

blog記事「自己責任論と社会責任論」に対し、

4回にわたる記事を書いたことがあり、

こちらの記事が1回目)

そこで詳しく考察したんですが、

幻想領域については、

何らかのトラブルが生じたときに、

どうしても「個人か? 集団か?」という

トレードオフの関係というか

対立的に捉えてしまいがちです。

 

そこに、個人でもなく集団でもない

「対幻想」という視点を導入した

吉本隆明さんの考え方を援用し、

「個人幻想」「対幻想」「共同幻想」の

3つの領域を同じように大切にできる

コミュニケーションを実践していく上においては、

インタビューゲームが

有効なのではないかと書いた次第です。

 

さて、3回めとなる今日の記事では、

今まで2回書いてきたことを補足しながら、

インタビューゲームを30年間やり続けている

わたしが最近になって気がついたことや

言語化できたことについて触れ、

長々書き連ねてきたこのテーマについて

総括してみようかと。

 

昨日の記事内でも紹介したんですが、

塾生の塩坂太郎くんがblogに書いていた

こちらの記事を読んでみても、

このインタビューゲームの重要ポイントのひとつが

ルール設定にあることは、

おそらく多くの人が感じられることでしょう。

 

それで、インタビューゲームのルールは、

 

 1.何を聞いてもいい(聞く側)

 2.話したくない事は話さなくていい(話す側)

 3.聞かれていなくても話していい(話す側)

 

というように3つあるんですが、

「これを端的にひとことで言うと何だろう?」

って考えてみたときに、

一つのフレーズが浮かび上がったんです。

 

ルールといえば、法律や規則をおもいだす人が

ほとんどでしょうから、

世の中を見渡すと「〜してはいけない」という

禁止や何らかの制約、拘束を伴うものが

少なくありません。

 

でも、インタビューゲームのルールは、

「〜してもいい」「〜しなくていい」という

〝自由を保障する〟スタイルになっています。

 

それはなぜかというと、

わたしたちがふだんの日常に行っている

コミュニケーションの方が、

無自覚のうちに、

制約や条件が課せられているためで、

〝自由を保障する〟ルールで

インタビューゲームを体験することで、

結果的にそのことが自覚できるように

配慮されているわけです。

 

 

インタビューゲームをひとことで言えば

相互に自由意志を尊重し合う

コミュニケーションゲーム

となるのではないかと。

 

つまり、前半と後半で同じプログラムを

役割を変えて行うわけですから、

〝相互に〟がつくわけです。

 

相互に自由意志を尊重する、といえば、以前

「今日の名言シリーズ」のこちらの記事にも

書いたことがあるんですが、

TVドラマ「逃げ恥」にも登場していましたね。

 

そうです!「逃げ恥」第4話のラストで

みくりさんが平匡さんに、

わたしの恋人になってもらえませんかとお願いして、

BGMにデサイシブバトルが流れるなか、

「平匡さんがイヤなら引き下がります。

 これは、平匡さんの自由意志です!

 どうしますか?」と迫るところです。

 

ここでは「相互に」というのが、

最重要ポイントでしょう。

 

つまり、自分が意志を相手に伝えることなく、

「相手に対して自由にしていいですよ」というのは、

みくりさんが「その言い方ずるくないですか?」

って感じたように、

自己中心主義の裏返しというか、

ていのいい逃げ口上になりかねず、

対等な人間関係の構築には、

なかなかつながっていかないでしょうから。

 

つまり、言いたいコトが

なかなか言えないっていうのは、

その前提として、自分の本心に

ちゃんと気がついているかどうか

という問題もあるんですが、

裏を返すと、

相手のことをコントロールしようとしていることに

無自覚だってことなんです。

 

だから、ふだんから、

本当は自分がどうしたいかっていう本心に

自覚的でいようとすることと、

言いたいコトをちゃんと言うって

とっても大事なんですよ。

 

でも、それには条件が必要!

その条件に気がついているかどうかが

それ以上に大事だと言ってよいでしょう。

 

自分がどうしたいか、そして、

自分が相手にどうして欲しいかを明確に伝えた上で、

その結果、相手がどうするかについては

相手の自由意志に任せる姿勢の大切さは、

寺子屋塾で実践している

押しつけない、強制しない、命令しない指導法の

極意でもあって、どれだけ強調しても

し足りないほどなんですが、

ここまで読まれてあまりピンと来ない方は、

ジュエリーデザイナー・響月ケシーさんが

とてもわかりやすい動画をアップされているので、

ご覧になってみてください。

 

物事をうまく運ぶわがまま、

 縮小と破滅へのワガママ(YouTube動画)

ケシーさんが話されているとおり、

相手の自由意志を大切にできる姿勢を

前提にしていれば、

どんなことを言ってもOKだし、

言いたいコトをきちんと伝えれば伝えるほど

人間関係は深まって豊かになっていくのです。

 

ドラマ「逃げ恥」でも、

契約結婚だった二人の距離が

行きつ戻りつしながらも次第に近づいて、

恋愛関係に発展していった大きな要因のひとつは、

みくりさんが平匡さんに対して、

言いたいコトはちゃんという姿勢と

相手の自由意志を認める姿勢を

ともにもっていたからではないかと。

 

平匡さんは最初はそうではなかったんですが、

みくりさんから、そのことを学習して、

次第に言いたいコトを少しずつ言えるように

なっていきます。

 

もちろん、自分軸を明確にもって

明確に意思表示するということと、

自分勝手でワガママな姿勢というのは、

紙一重というか、わずかな違いですから、

勘違いしている人もみえるかもしれません。

 

でも、ポイントは、

そのことをアタマで正しく理解することでなく、

お互いの自由意志を大切にできる

コミュニケーションを日常の中で体感しながら

実践を積み重ねていくことでしょう。

 

「インタビューゲームを100回やると

人生が変わってしまう」というのは、

結局のところ、そういうことなのではないかと、

おもった次第です。

 

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