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雲黒斎「みんな大好き『お金』の話」前編(YouTubeライブ文字起こし)

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雲黒斎「みんな大好き『お金』の話」前編(YouTubeライブ文字起こし)

雲黒斎「みんな大好き『お金』の話」前編(YouTubeライブ文字起こし)

2024/11/27

先日中村教室にいるときに、

塾生の一人から次のような質問を受けました。

 

わたしは〝稼ぐ〟っていう言葉に対して

強い抵抗感があります。

世の中的に言えば、お金目的の活動がビジネスで

お金を目的にしない活動がボランティアという

区分けや見方はあるのでしょうが、

現実にはそんな風に

どちらか1つに割り切れることばかりではなく、

悶々としてしまうことがあるのですが、

そもそもお金って何なのかについて、

どのように考えたらよいでしょうか?

 

その時はお金に対するわたしなりの見解を

話したんですが、

別にわたしがお金についての

正解を知っているわけではありませんし、

わたしの見解を信じて貰いたくて

話したわけではありません。

 

なぜなら、まったく未知の事柄であればまだしも、

「お金」という言葉を知らない人は

ほとんどいないでしょうから、

既に「お金とは○○○である」というように、

前提となる認識や情報が

各々の無意識領域に

刷り込まれてしまっていますから、

そうしたものを外して

ニュートラルな状態で考えることは

ほとんど不可能と言ってよいでしょう。

 

とくに、自らの実体験を伴わず

言葉レベルでしか認識できていない場合には、

断片的な知識をアタマにただ詰め込むだけで、

自分なりの固有の判断軸というものが

ほとんど形成されていませんし

信じるか信じないかという判断に

陥ってしまいがちだからです。

 

つまり、お金のような、

だれもが知っているテーマについて

考えを深めようとするときには、

既に知っている知識を一旦脇に置いて、

その内容に対する

自分のジャッジメントを手放し、

まず、相手が何を伝えようとしているのか

虚心坦懐に耳を傾ける必要があるわけですが、

現実にはこれが易しくないんですね。

 

 

それで、雲黒斎さんが3年前に

YouTubeライブ配信された動画のなかに、

お金をテーマにした回がありましたので、

それを文字起こしして講義録をつくってみました。

 

繰り返すようですが、

お金に対しての正しい見解を伝えたいためでなく、

自分自身のお金に対しての認識を問い直し、

お金について自分のアタマで考え

判断軸をつくっていく上での

1つの素材として受け止めていただければと。

 

ただ、1時間を超える長時間動画ということもあり、

文字数で1万5千字を超えてしまったので、

今日と明日の2回に分けてご紹介します。

 

文字起こしは冒頭の前口上は除き、

1分20秒過ぎて本題に入ったところから始め、

31分10秒あたりまでということで、

今日はまずは前半部を。

 

2021.10.16 YouTubeライブ【ゲリラ配信】

雑談アワー 「みんな大好き『お金』の話」

 

(文字起こしここから・太字化は井上)

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・・・ということで、先ほどあの雑談アワーが過ぎまして、本当に雑談ばかりになっちゃってね、まあ後半に少しお金の話が出てきましたんで、じゃあそれをテーマに2回目やりますかという流れでございます。

 

うりぼうさん「最近イエイ!言うようになったのはなぜなんだ?」笑。なんでだろう? ノリ? これはね、白トレーナーじゃなくてね、ナチュラルっていう色合いなんですね。で、ちなみにこれも裏起毛タイプではありません。見えるかな?こういう質感のやつです。あの、とってもかわいいよって、ありがとう!これももう古いよね、笑。いつのギャルだよだよね?笑 今はこうなのかな?えっ下には四苦八苦って。下はねー四苦八苦着てた。着てたんだ、ガンダーラ。世界は~笑 いいねっ。暑いわな、暑いわ、確かに。あの、まあ本題入ろうか、そろそろ。以上。

 

えーっとですねー、どこから話をしたらいいもんかな・・・あのねぇ、私この人生で相当お金で失敗しておりました。まあ、ご存知の方も多いと思いますけど、ほんとに借金地獄だったんですよ。で、もう本当に首が回らなくって、ちょっとそこらへんから話そうかな。うん、あの、もともとそんなに裕福な家で育ってもいなくって、まあ動物はいっぱいたけど、お金もそんなになかったね。

 

で、そこからお金にやっぱり憧れはありました。はい。で、お金欲しいなーと思ってる。でも、勉強とか嫌いだし、勉強して頭良くなってお金持ちになるぞってモチベーションもありませんでした。でも、お金は欲しいわけです。で、とりあえず、世の中のこと何もわからないまま成長しまして、大学に行きたくもないし、何かしたいことがあるわけでもないし、どうしたもんやろうっていう中途半端な高校生活を送っておりまして。

 

で、そこからまあいろいろ話すと長くなっちゃうので割愛しますけど、デザインという響きに惹かれたたわけですよ。デザイナーって、なんかかっこいいなぁと。それと実は、ちょっとした縁で、ある時、母の友人の外人さんが日本に遊びにきまして、僕にお土産持ってきてくれたんです。それがなんだったかっていうと、ストリートアートの写真集だったんです。

 

ストリートアートって何かって言うと、あのアートって言いつつ、あれですよ、スプレーの落書きです、はい。ニューヨークの地下鉄のスプレーアートだとか、そういういろんなところの落書きの写真集が手に入りまして、それを見た時に衝撃を受けたんですね。何にも夢も希望もなかった少年のところにその写真集がやってきて、「俺がやりたいのはこれだ!」って思っちゃったんですよ。函館の片田舎で育っておりましたから、函館のチンチン電車にそれをやってもかっこ悪いわけですよ。笑

 

これをやるのはどこなんだっていったら、一番手っ取り早く近かったのが札幌っていう地下鉄のある都市だったんです。で、高校卒業したら札幌に出るぞいう変な夢になりまして。ニューヨーク行けよって話なんだけど、札幌に行ったところでスプレーアートやっちゃったら犯罪だからできるわけもないんだけど、とにかくそれをできるにはどうやったらいいんだって思って。バカですね~それで札幌でデザインの学校に入ろうってことで、こんなとこがまあデザインに関わる第一歩なんですよ。

 

で、あの、んまぁ、そこからですよ。まあ、そんなことができるわけもなく、学校に入ってみたらやっぱりそれを生業としてできるようにっていうんで、広告の勉強させられるわけですね。で、とはいえ、じゃあそれで儲けられるかっていうと、まあそのデザイン業界っていう響きもそうだし、広告業界っていうのも当時はね、やっぱり花形職業みたいなところがあったから、なんかかっこいいなあと思って。もてるだろうな~、お金になりそうだな~、全然違うんでもてもしないし、お金にもならないんだけど、すごいというイメージで進んでしまったわけです。

 

そしたら、もうあれよあれよという間にブラック企業に就職してしまいまして、本当にお金がない青春時代を送りました。もう僕の初任給が12万円だったんですよ。田舎から出てきて一人暮らしをしていて初任給が12万。ね?で札幌で一人暮らしをしながらそれで食っていくったら、まあしんどかったんですよ。何もできないねっ。で、そこからちょいちょい、まあいろいろありまして、借金を重ねるようになって、それがどんどん膨らんでいってですね、馬車馬のように働いても働いても金がなくなる一方っていう状態。

 

で、そうしていくとね、本当に皆さんが知ってるであろう、いわゆるサラ金といわれるところで、そのサラ金というサラ金から金を借りまくりまして、そうしたらですねー、ブラックリストに載っちゃったんですよ。もうこれ以上、どこからもお金借りれませんよっていう状態になりました。

 

で、その頃は、その借金があることを、内緒のまま結婚してしまい、子どもが出来てっていう状態。そこから、子どもが生まれるぞーっていう風になって、そのタイミングで、わちゃわちゃがあったわけです。僕のその借金もうあの抱えきれない事実かあの返せなかったんですよ。だから、僕はもうその頃はね、僕の後の残りの人生っていうのは、その借金を返していくだけの、本当にカイジ(※福本伸行『賭博黙示録カイジ』の主人公)みたいな人生になるんだろうなって思ってたぐらい悲惨だったんですよ。で、誰にも相談できなかったしね。そういうのも全部家族にバレて、親族じゅうから総攻撃を受けて、とんでもない状況だったんです。

 

うん。で、まぁそこから僕の転落人生も地獄の日々が始まっていって、僕がまぁ色々そのストレスで脳が故障してだとかって、その背景には、やっぱり一つはこのお金っていうものの問題がものすごく大きくて、しっちゃかめっちゃかだったんですよ。なので、お金に対するブロックだとか、誤解だとか、お金持ちではないんですけど、逆の方向ですね、お金を間違って解釈すると、こんな転落人生になって行くよっていうのを経験しているんで、お話ができるっていう感じなんですよね。

 

そんなところから、どうやって、今はお金にとりあえず苦労しないで、どちらかというといい暮らしができているんで、そこの違いは何なのかなっていうと、やっぱりお金に対する気付き・・・まあ、お金だけじゃないけどね、いろんな気づきがあったおかげで、軌道修正ができたわけですよ。まあそれもあって、シェアしたいなっていうのが、僕の活動の始まりだったんだけど。

 

なので、実を言うと、未だにそこまで経験上ショッキングなことを経由しているので、お金に対してのブロックって、いまだに僕の中にあるんですよ。だから、「お金のブロックを外さないとお金が手に入らないよ」っていう話も、「どこまで?」って思うんです。だって、僕今現に、お金にすごくブロックあるもん。お金怖いもん。お金大好きとかよりも、むしろ怖いって思いの方が経験上強いから、抜け切れていないから、ブロックがあったってお金は手に入るぜって思うんですよ。まずここが一つめ。

 

「お金を得るためにブロックを外しましょう」とか言う人が出てくるんですよ。いやいや、僕、お金にブロックあるまんまー、状況変わってますけど。もちろん、昔に比べれば、そのブロックの度合いっていうのが違ってきているけど、未だあるよって。逆に、お金にブロックが全然なさそうなのに、お金持ってない人もいるよって。TCさんが書いてくれている「お金もっててもブロックある人いる」ってそうだよねー。

 

だからさ~、こういう精神的な話でその中ブロックだとかっていうキーワードを聞くとさ、オー!って飛びついちゃって、私にお金がないのはそのせいかもしれないって結びつけて、ストーリーにしちゃいがちだけど、そんなことないよ。えーっと、伊達なだてもんさん、「そもそもブロックってよくわからん!」ブロックって何かっていうと、やっぱり抵抗感のことですよ。お金欲しいなって思いつつ、お金が入ってくる状況に対して生まれる抵抗感みたいなことですね。分かりやすいところでいくと、「お金って汚いもんだよ」っていう思いだとか、よくそういうネガティブなものはブロックって言われたりとかするけど、お金に対しても何っていうか、持ってていいんだろうかっていう抵抗感のことをブロックって言います。

 

例えばなんだけど、道歩いてて、全然知らない人に声かけられて、「もしもし君君と。ここで会ったのも何かの縁。実は私は財閥のお金持ちなんだけど、この持て余したお金をどこに使おうか迷っていてね、ここですれ違った次の人に渡そうと思ってたんだ。それが君なんだ。とりあえずここに1億あるんだけど、受け取ってくれないか?」と言われて、受け取れる人と受け取れない人がいるじゃない?なんかあの、まず「ウソ~!」ってなるじゃん。ね?なんか裏あるでしょって思ったりだとか。ね?で、実際「受け取ります」ってここで書いてる人いるけど、本当にそのシチュエーションが来て、受け取れるかって話なんですよ。

 

僕は怖いね。笑。何があるか分からんもん。これがブロックですよ。で、まあ、一つめの話としては、そこを膨らませたかったわけじゃなくて、別にブロックのあるなしと、お金が入る入らないは別問題だよねって僕は思うんです。で、あの先ほど(※1回目の配信のときに)ちょっとこの本(堀内恭隆『シンクロニシティ・マネーの法則』)を紹介したけど、僕これまだ読んでません。もしかしたら今から話すことは、これを読んだ上での話じゃなくて、もしかしたらここに書いてることを真っ向から否定するような話をするかもしれないけど、それを許してください。僕が思うところを話します。

 

で、あの、いろいろお金に対するいろんな思いを持っている私が、どうお金に対しての観念が変わってきたのかっていう話です。そもそも、さっきの流れで行くと、みんなお金が欲しいお金が欲しいってなってて。で、僕もかつてそうだった。先ほどの何さんでしたっけ?ちょっと名前忘れちゃいましたけれどもね。あの~結局お金じゃないか。それも本当に素直な意見だと思うんです。でかつて僕もそうでした。とにかく金だったね。

 

で、お金がないからこそ、お金が欲しくなるんですよ。まぁ当たり前の話なんだけど、この当たり前の事がすっごく大事なの。僕がその時所有していたのは、「お金」じゃなくって、「足りない」という気持ちだったんです。それを保有してたんです。執着です。それが必要なものだという観念です。なぜ必要なのかは、考えていませんでした。とにかく、必要なんだという執着が生まれていたんです。なきゃ困る、そして持ってたら自慢できるというかね、上に立てるというか。それこそマネーゲームという言葉が指すように、勝ち組負け組って言葉があるけど、勝てると思ってたんです。そういう感覚だったんです。とにかく、お金を手に入れなきゃ、手に入れなきゃってなってた。

 

でも、ふとまあそれはその後ね―――ちょっとだいぶ話を端折るけど―――雲さんと出会って、しばらくしてから、お金の問題ね、僕のはまあ、健康状態の問題、人間関係の状態、それから金銭面という、3つの主要なものが総崩れだったので、それに対して色んな目からウロコが落ちるような指摘を受けてきたんだけど、お金に対してもね、指摘がやっぱりそもそものところの話になるわけですよ。

 

「黒斎!そもそも〝金〟ってなんだよ」って。「そもそも、なぜ金が必要なのか、そこをちゃんと考えてみなさい!」って言われたんですよ。で、お金って何だろう?働いて得るものっていうのがあったわけです。で、さっきの引き寄せの法則の「思考は現実化する」っていう話もちょっと関わってくるけれども、その時の僕の思考っていうのは、お金は働いて得るもので、「働かざるもの食うべからず」っていう言葉が指すように、働かないと手に入れるのが申し訳ないものになっていた。

 

で、僕は、自分が思うような働きができていたかっていうと、まだまだ未熟だっていう思いの中で、自己肯定感が低い中で働いていたので、入ってもこの程度だっていう思考状態の生活を送ってたわけ。だから、それなりの給料だったし。これは、Kobayashi Kimakoさんなのかな?「お金はエネルギーです」ってね、うん。そういうふうにおっしゃる方いらっしゃるんだけど、本当にそれ意味わかって言ってますかね?お金がエネルギー―――それはそうです。だって現象界にはエネルギーしか存在しないからです。お金がエネルギーという文脈で行くんであれば、ありとあらゆるものがエネルギーです。

 

で、ぼんじょるさん―――あ、久々ですね~あの、このチャットにも参加してくださってるぼんじょるさんは、学生時代から―――さっき言ってた僕が書いたデザインの学校の、同じクラスのクラスメートだった級友なんですけれども、はい。ねえあんなに人一倍バリバリ働いてたよね、頑張ってたよね。で、あのその働くということにおいて、もう本当にがむしゃらに働いた時期あるんですよ僕。でね、彼はそれをよく知ってて、見てくれてましたけれども。で、もうほんと周りが引くくらい働いてたんですよ。なんだけど、全然金にならないんです。なぜならブラック企業に就職したからですよね。

 

で、その後も一流企業にステップアップしたんだけど、そこでも貧乏だったんですよ。お金にならない、ワーカーホリックって言葉があるけど、もう本当に働いた。ー人一倍ガンバったつもりではいる。なんだけど、金にはならんかった。結構有名な企業に勤めたんだよ。でも金にならなかった。あの、うん、あのねー、当時は、働くということとお金っていうのがこういうふうに直結していたわけです。でも、本当はそうじゃないんですよね。働かないでお金得るっていう方法だってあるわけですよ。

 

例えば、皆さんだって幼い頃にお年玉もらったでしょ?でも、そこに対して、働いていないんだから受け取れませんっていうブロックなんてなかったでしょう?だから、働かないとお金を受け取れないっていうロジック自体がおかしいんだけど、それが当たり前になっちゃって、そこを採用しているわけです、現実としてね―――ああ、スパチャ頂きまして有り難うございます―――まず、当時はお金は働いて得るもの、そして、働くとは何かっていうことも、僕はズレてたわけです。

 

どういう感じかというと―――これもどこかで話したような気がするんだけど―――お金って、お駄賃だっていう感覚が非常に強かったんですね。痛みだとかストレスだとか、それを担うお駄賃として給料をいただくっていう観念だったんです。だから、働くことは嫌なことだし、つらいことだし、ストレスのかかることだし、でも、だからこそお給料がもらえているっていうその現実を、それこそ引き寄せていました。 そう思っていたし、その現実を生きていました。

 

でも、「お金とはそもそも何か?」そう問われて、いろんなヒントをもらいながら、「あれっ?」てなったのは、「違うぞ!」ってなったわけです。僕はとにかく、奴隷っていう感覚が非常に強かったわけですよ。これは阿部敏郎さんとの「阿吽の呼吸」でもたまに話題になるんだけど、阿部さんもよく言うんだよね。小学校6年間、中学校3年間、高校3年間、それに大学だの専門学校だのって、これだけの期間を使って、奴隷を作っているのが、今の日本の教育なんですよ。どこのお殿様のところに丁稚奉公行くかみたいな感覚になってるでしょって。従順な下僕作りなんですよ。ね、言うことを聞ける人材になりましょう、みたいな。だから、あのホワイトなお殿様のところに行けるように、ブラックなお殿様のところへ行くと大変な思いするぞと。とにかく、誰かの下に就くっていう感覚が当たり前になってたわけです。

 

だから、お駄賃っていう風になっちゃってたんだけど、労働がそもそも何なのかってことも分かってなかった。これも何度もやったよね、このチャンネルでは。「働く」―――この「仕事」という言葉の語源は、「仕(つかまつ)る事(こと)」から来てます。「仕(つかまつ)る事(こと)」、それを、送り仮名を取ると、「仕事」になるわけです。覚えてますか?「仕(つかまつ)る事(こと)」です。「仕(つか)える事(こと)」ではありません。「仕(つかまつ)る事(こと)」です。今のこの奴隷感覚は、この「仕(つかまつ)る」ことが、現代用語のこの「仕(つか)える」に変わったところで、観念が書き換わった時代があるわけです。そこでおかしくなっちゃった。「仕(つか)えること」ではなく「仕(つかまつ)ること」です。「仕(つかまつ)る」っていう言葉は現代用語ではありません。古い言葉。じゃあ、「仕(つかまつ)る」を現代用語にするとどうなるかっていうと、現代風にルビを振ると、「仕(す)る事(こと)」というのが「仕事」という言葉の語源です。

 

では、何をすることが仕事なのかというと、他者の代わりをすることです。誰でもいいです。あなたが誰かの代わりをすること、そのことを仕事と言います。だから、代行という言葉とほぼ同じです。なので、世の中にはいろんな業種がありますが、すべての仕事は代行業です。僕の代わりにお野菜をつくってくれるお仕事が農家です。お肉を生産したりだとか、牛乳をとってくれるのが酪農家です。僕の代わりにお魚とってくれるのが漁師です。荷物運んでくれるのが物流です。僕がやればいいんです、自分のこととして。でも、それができないから、代わりにやってくれる人がいる。そこに対して、代わりをしてくれてありがとうという感謝を形に変えたものがお金の正体です。

 

これは事業をしているだけではなくて、いわゆる勤め人というサラリーマン、勤めてるっていう感覚も同じなんです。その会社の社長が全部自分でやれば社員を雇わなくていいんです。でも社長は、自分でできないから、俺の代わりをしてくれということで、社員を雇うわけです。だから、社員っていうのは社長の代行業なんです。俺の代わりに金勘定やってくれっていうのが経理さんです。俺の代わりに話にいって契約取ってきてくれいうのが営業さんです。俺の代わりにもの作ってくれっつーのが制作陣です。そうですよね?社長がやればいいんですよ。できないからやってもらうんです。僕の代わりをやってくれたありがとうっていう感謝のしるしがお給料になっているわけです。ストレスをかけてしまってごめんねだとか、いじめてごめんねって、お詫びのしるし、お駄賃じゃないんですよ。

だから、これは経営者含めて、働くということ、お金とは何なのかということが誤解された時代なんです、今はね。でいくと、例えば、この食べもの一つとっても、僕はお野菜作ってないし、作り方も知らないし、旬のお野菜も言えないぐらいわかんないし、美味しいお野菜を作れと言われても困っちゃう。釣りもしてないし、家畜も飼っててない。でも、食べるっていう事は毎日必要なことで、生きる上に必要なものなんですよ。

 

生きる上に必要なものにもかかわらず、自分でできないんですよ。で、それをやってくれる人がいるんですよ、世の中には。そこに対して僕はお金が出せるわけですよ、ありがとうって。だって、生きるために必要なんだもの。皆さんもね、まぁどこで買うかわかんないけどね、農家さんから直接買うのか、スーパーから買うのか、通販なのかわかんないけど、とにかく買う方は多いですよね。農家さんは別として。これ、ありがたいから払えるんですよ。

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(文字起こしここまで・文責井上)

 

この続きはまた明日に!

 

 

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