TBSドラマ『逃げ恥』名セリフ&名場面集(その48)
2026/03/29
2/10からこのブログでは、
TBSドラマ『逃げ恥』名セリフ&名場面集を
お届けしているんですが、
1話につき1シーンずつ
順番に追いかける形で紹介していて、
この記事で48回めになりました。
ドラマ『逃げ恥』は
アマプラなどで手軽に視聴できますから、
観たことがない方も、
この記事にアクセスされたことを契機に
是非ご覧になってみて下さい。
今日は第4話の終盤にさしかかった
39分30秒すぎたあたりから
風見のマンションでのシーン、
みくりが風見に誘われて
二人で晩ご飯を一緒に食べているときのやりとりを。
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〔風見のマンションにて〕
風見:合コン……、誘われても行かないかな。
みくり:行く必要ないですもんね?風見さんは。
風見:合コンに興味ないけど、みくりさんが出る合コンなら喜んで行きますよ。
みくり:さすがモテる人は違いますねぇ。女の子が喜ぶことをサラ~ッと言う。
風見:それじゃぁまるでぼくが口から出任せ言ってるみたいじゃないですか。
みくり:違うんですか?
風見:違います。好き嫌いはハッキリしてるんです。みくりさんと話すのは楽しい。いろいろ発見があって。
みくり:いやぁ、わたしは、結構嫌われますよっ。
風見:?
みくり:批評したり、分析したり、小賢しいんで……
風見:〔考えながら〕ぼくはいいと思うけど。
みくり:……小賢しいは否定しな~い。
風見:はい。
みくり:やっぱり?
風見:そこが面白い。
みくり:……
風見:好きですよ。周りの意見はどうでも。
みくり:……
みくりM:(逃げ込んでしまいたくなる。この人と一緒にいれば、自己嫌悪の呪いから逃れられるかもしれない)


















※TVドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』第4話より
COMMENT:ドラマ『逃げ恥』を取り上げたこの記事も、48回目ともなるといい加減マンネリにならないかとおもうんですが、マンネリどころか回を重ねれば重ねるほど、ますますその奥深さにはまり込んでいく感覚です。記事の主役はあくまでシナリオと画像なので、基本わたしのコメントは大事なポイントを端的に、あまり長くならないよう心がけてはきました。
ところが、(その40)の記事あたりからは、わたし自身も筆が乗ってきた感じがあって、毎日記事を書いていて楽しくてしょうがないし、とくに昨日の(その47)やその前の(その46)など、やや長めのコメントも増えてきています。それにしても、こうして毎日ひとつずつドラマの場面を切り出し紹介しているだけなのに、そこについつい熱っぽく語りたくなってしまうのは、「恋愛ドラマの名場面」というより、このシナリオそのものが対話の教材のように見えてきてしまうからでしょうか。
さて、このシーンでまず面白いのは、風見の「合コンに興味ないけど、みくりさんが出る合コンなら喜んで行きますよ。」って〝モテ慣れ台詞〟が、甘く着地してないところでしょう。言葉だけ聞いたら王道の口説き文句なのに、風見のテイストは妙に淡々としているんですね。そのズレを、みくりがすかさず「さすがモテる人は違いますねぇ」とメタ目線で受け取ってしまうから、空気が一気に恋愛ドラマに向かうのでなく、〝評論〟の方に寄っていってしまう・・・ここが軽い漫才みたいに可笑しい。
そして、そうしたみくりの鋭さに対し、風見はムキになりません。「それじゃぁまるで…」「違うんですか?」「違います。」この短い応酬がテンポをつくりながら、その直後に「みくりさんと話すのは楽しい」と本音が差し込まれる。冗談っぽいのに、ちゃんと関係が進んでいる感じがするんですね。口先だけじゃない、という説得力が、会話のリズムの中で生まれているわけで。
さらに決定的なのは、みくりが自分の分析癖を「批評したり、分析したり、小賢しいんで……」と欠点として差し出した瞬間。ここって普通なら「そんなことないですよ」で終わらせたくなるのに、風見は「ぼくはいいと思うけど」と言い切ってしまう。しかも、みくりの「小賢しいは否定しな~い」に「はい。」とそのまま受けとめ、「そこが面白い。」と価値を反転させる。相手の欠点を消そうとするんじゃなく、欠点のまま〝機能〟に変えてしまう肯定って、何より救われるんですよね。
最後に、「好きですよ。周りの意見はどうでも。」という風見の一言が残す二重性。つまり、この言葉は優しさと同時に、周囲を切り捨ててしまうような強さや距離感も匂わせている。だからこそ、その後のみくりのモノローグ「逃げ込んでしまいたくなる」に繋がっていて。分析してしまうみくりと、それを面白がって肯定する風見・・・この噛み合いが、“ムズキュン”の甘さを保ったまま、会話劇としての可笑しみと余韻を響かせているんですよね。そして、このやりとりが、そのままエンディングのどんでん返しにもうまくつながっていて、このシーンの続きまで含めとってもイイ場面だなぁとおもいました。

この名セリフ&名場面集で紹介しているセリフは、2020年に放映された『逃げ恥・ムズキュン特別編』を土台に、野木亜紀子さんの『逃げ恥シナリオブック』を参考にしています。また、さらに詳しく知りたいという物好きなお方(笑)は、次の記事をはじめとしてタグ「逃げ恥」を付している過去記事等(とくに2021~2022年に投稿)を適宜アクセスください。
・ドラマ逃げ恥「平匡さんの自由意志です。どうしますか?」(「今日の名言・その13」)
・TVドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」原作マンガ(全11巻)のこと
この続きはまた明日に。(^^)/

