適切なサイズの問いを立てるのに参考になる本は?
2022/09/09
昨日書いた記事では、適切なサイズの〝問い〟を
持ち続けることの大事さについて書きました。
そうした問いが自分の中に存在していると
どういうイイコトがあるかというと、
その問いが、フィルターのはたらきをしてくれて、
こんにちのような情報過多の世の中にあっても、
そうした情報のひとつひとつに
振り回されにくくなるということは
言えるんじゃないでしょうか。
それで、金曜は読書関連の記事を投稿しているので、
今日は、そうしたテーマに関連する本として
最近見つけた2冊をご紹介しようかと。
インタビューゲーム4時間セッションに、
参加された方にはいつも、
「聴く力」「対話力」に関する推薦図書を
10冊ぐらいご紹介しているんですが、
この2冊は、その中にも入っていなくて、
比較的最近になって出版されたものです。
昨日の記事には、かつてのわたし自身が
問いが浮かばない人間だったことも書きましたが
なぜ、問いが浮かばないか
簡単にいうならそれは、
「正しさ」ということに囚われているからですね。
そして、それはわたしだけに限ったことで無く、
その「正しさ」ということばかりに
なぜ囚われてしまいがちであるかというと、
自分が問うよりも前に、
まわりから教えられてしまうという
順序の取り違えがあることも一因で、
そのあたりの話は、次の記事に詳しく書きました。
もちろん、人間には大なり小なり、
自分の考えを正しいとおもいこんでいるというか、
自分の考えが正しいとおもいたい
側面があることは否めない生き物です。
でも、「正しさ」ばかりにとらわれていると、
どうしてもそのことに対して
無自覚になってしまいがちですから、
無知な自分をまわりに晒すことに抵抗を生じ、
自分自身もわかったつもりになり、
まわりに対しても、わかったふりをせざるを得なく
なってしまうのでしょう。
だから、問えない。
ほんとうは自分で考えるべき問いを、人に聞こうとし、
人に聞けばすぐに答がわかるような問いまでを
自分のアタマで考えようとしてしまう・・・。
よって、質問力を鍛えるための第一歩は、
自分で考えるべき問いと、人に聞いた方がいい問いの
峻別ができることとなるわけですが、
その峻別に必要なのは、何よりも観察力です。
6月に書いたこちらの記事で、
佐渡島庸平さんの『観察力を鍛える』という本を
ご紹介したことがあったんですが、
わたしの最近の重要な気づきは、
「観察力は質問力に先立つ」ということです。
わたし自身、質問力の大事さについては、
インタビューゲームを初めて体験した
30年前くらいから意識できていたつもりでした。
でも、質問力と観察力のつながりについて
考えたコトがあまりなかったことに気がついて
ハッとしたんです。
結局、ふだんからちゃんと観察していないと
質問そのものが浮かばないんですね。
細谷功さんの『問題発見力を鍛える』は
そうした視点が土台としてあって、
問題を解決する力よりも、
問題を見つける力の方が大事という話が
書かれています。
細谷功さんの本は5年前に
『具体と抽象』を初めて読んだんですが、
他の本もどれもオススメできる内容でした。
つぎに、宮野公樹さんの『問いの立て方』ですが、
タイトルから想像すると、
どうしたらうまく問いが立てられるようになるのか、
そのノウハウが書いてあるようにおもいますよね?
でも、実はこの本は、そうじゃないというところが、
何より面白いとおもった本なんです。笑
そもそも「いい」とはどういうことか?
そもそも「問い」とは何か?
いい問いの「立て方」という方法論なんて
本当に存在するのだろうか?
いい問いを見つけようとおもって
見つけられるような問いが本当にいい問いなのか?
・・という問いが、冒頭の「はじめに」に登場し、
どうしたらうまく問いが立てられるようになるのか、
そのノウハウが書かれているんじゃないかと
期待している読者をのっけから混乱させます。笑
もちろん、この2冊の本を読んだだけでは、
適切なサイズの問いが立てられるように
なるわけではありません。
何よりも、本を読んで得たことをもとに自分で考え、
そして、その自分で考えたことを
実地に試してしてみるプロセスは欠かせないでしょう。
たとえば、この2冊を比較してみて気づいたことを
10項目あげて、
その気づきをもとに
自分で問いを立ててみるなんてことも
やってみるといいかもしれません。
いろんな人に問うてみる体験を
実際に積み重ねていくことで、
どのように聴けばそれが
いい問いになっていくか、という方法論なんて
実はどこにもないということがわかるでしょうから。
インタビューゲームには、
1.何を聞いてもイイ
2.答えたくないことは答えなくてイイ
3.聞かれていなくても話してイイ
という3つのルールがあるんですが、
わたしは寺子屋塾の教室自体を、
常にこのルールで運用しています。
インタビューゲーム4時間セッションというのは、
そうしたことも実地に試してみて、
すぐにフィードバックが得られる場として
設けているのですから。