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インタビューゲームでなぜ人生が変わるのか(番外編2・二村ヒトシ『すべモテ』)

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インタビューゲームでなぜ人生が変わるのか(番外編2・二村ヒトシ『すべモテ』)

インタビューゲームでなぜ人生が変わるのか(番外編2・二村ヒトシ『すべモテ』)

2023/05/11

5/7から書き始めた

インタビューゲームをやり続けると、

なぜ人生が大きく変わってしまうのか

について考察する記事も

これで5回目になるんですが、

今日は番外編その2です。

 

(その1)ジョハリの窓から

(その2)3つの幻想領域をふまえて

(その3)相互に相手の自由意志を尊重する

(番外編その1)内田樹『先生はえらい』

 

昨日までの4記事を未読の方は

そちらをご覧になってから

以下をお読み頂けると有難いです。

 

昨日の記事に、

わたしたちの日常のコミュニケーションでは、

ほとんどが単なるオシャベリか、

議論、つまり何が正しいか、どちらが正しいか、

ぶつけ合うようなやりとりかのどちらかで、

「対話的なやりとり」というのが、

ほとんど存在しません。

そもそも対話というのは、

相互に相手の考えを受け入れながら、

変化していくことです。

と書きました。

 

さて、対話的なやりとりとは

結局のところ、どういうことなんでしょう?

 

なぜわたしたちの日常には、

「対話的なやりとり」というのが、

ほとんど存在しないのでしょうか?

 

この「対話」については、今までにもこのblogで

たびたびとりあげてきたテーマです。

 

たとえば、長々7回にわたって書いた

「ガッキーと源さんの結婚を予感していたわけ」

という記事の6回目では、ドラマ「逃げ恥」の話や

野木亜紀子さんのインタビュー記事のほかに、

鷲田清一さんの「対話の可能性」という詞を

ご紹介しました。

 

また、昨年9月に投稿した

フェア・パラダイムで生きようとすること 

違う価値観に接して視野が広がる喜び は、

信岡良亮さんが書かれた記事を紹介しながら、

対話の場をファシリテートするとは

どういうことかというテーマで書いた記事です。

 

そこには、他者と話すときの前提が、

シンパシー・ベースの共感がほしい、
今の自分を承認してほしい

褒めてほしいということしか求めてない人、

つまり、ランクパラダイムで生きている人とは、

そもそも対話しようにも、対話自体が成り立たず、

互いにわかりあう以前の問題と書きました。

 

つまり、人間のコミュニケーションについて

考えようとするときには、

結局のところ、その前提としている価値観や

世界観、目的などと無関係ではなく、

もちろん、インタビューゲームについても

例外ではないからです。

 

それで、今日は昨日の記事で予告したように、

インタビューゲームのルールシートで、

推薦参考図書の1冊として紹介している

二村ヒトシさんが1998年に書かれた

『すべてはモテるためである』という本から

その内容の一部をご紹介することにしました。

 

なぜインタビューゲームを繰り返し行うと、

対話的な関係性の構築に

つながっていく可能性が高まるのかについて

考えるヒントになればとおもいます。

 

ちなみに、二村ヒトシさんと初めてお会いした際に

撮影したツーショット写真や、

二村さんの人となりを知ることができる

資料のリンクなどもシェアしているので、

次の記事を未読の方は是非ご覧いただき、

そこに示されている問題についても

ご自身で考えてみてください。

もしこんな相談を受けたらどう応対しますか?(問題篇)

 

 

(引用ここから)

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相手の話を聴く

いま現在モテていない【あなた】が、モテるためにいちばん大切なのは「相手と対話できるようになる」ということです。

 
【対話する】って、どういうことなんでしょう?ただ普通に相手と話すのと(それだけでも相手が女の子だと、むずかしいのに!)どう違うんでしょう?

 

対話とは、相手の言ってることばを「まずは、聴く。けれど【判断】しない、決めつけない」こと。それから「自分の肚を見せる」ことです。それはキャバクラでの会話のしかた、風俗でエッチなことをする前にすべき話しかたと、さらに言うとエッチの上手なやりかたとも、同じです。

 

「対話できる」ということが、つまり「相手と同じ土俵に乗れる」ということなんです。街でのナンパだとしたら重要なのは「最初の接触で、こちらのペースにまきこむ」ことなんだろうと思われますが、コミュニティ・サークルみたいなところで出会ったのであれば、まずは「彼女が何を考えてる人なのか、どういうふうに感じてる人なのか」を聴きましょう。

 

「聞く」は単純に耳に入ってくる、「訊く」は質問するという意味ですが、「聴く」とは意志をもって聞く、あなたの脳や心で、ことばや音や音楽をとらえていく、という意味です。相手に好かれようと思って、うわべだけ聞いてうなずき続けていたり、女の子が話している間に「自分は次に何を話そうか」を考えたりしてたら、あなたは彼女の話を「聴いて」いることにはなりません。そして「あなたが話を聴いていないこと」は相手に全部、バレます。

 

さらに大切なのは、「意志をもって聴く」といっても【上から目線で聴いてるのではダメ】だということです。相手を、あなたの心の中で「決めつけて」は、いけないのです。 たとえば彼女の話から「彼女が何かに悩んでいる」ことがわかったとして、その状況を分析してみたり、それに対するアドバイスをしたりしても、最初は感謝されるかもしれませんが、やがて確実に嫌われます。

 

それはコミュニケーションではなく「相手をコントロールしようとしていること」だからです。もし彼女が「ひらきなおって」いたり「いじけて」いたりしていても、あまりそこに対して「良い」とか「悪い」とか判断しないで、お説教をしないで、でも(もちろん)そのことを無視するのでもなく、ただ「聴いている」ことです。

 

これ、むずかしいですよ、モテてないあなたには。でも肝心なことです。上から目線ではなく相手の話を聴く、つまり「相手と同じ土俵に乗る」というのは、「あなた自身が(相手の話を聴いたことによって)変わる」つもりがあって話を聴いてるかどうか、あなたの側に【変化する気が】あるかどうか、ということです。それは、変化する【勇気が】あるか、ということでもあるでしょう。

 

モテないあなたが、モテたくてコミュニティ・サークルに参加してるのに、それでもまだ「オレは変わらなくていい」と思っているとしたら、そのことは彼女に自然と伝わります。「モテたくて来てること」が、ではなく「モテたくて来てるのに、変わろうとしないこと、自分が変わるのを恐れていること」が、です。すると彼女から「この人、いったい何しに、ここに来てるんだろう...、キモチワルい......」と思われてしまうことでしょう。

 

相手の話を「自分が変わることをおそれず」ちゃんと聴くことができると、それは 【コミュニケーション】になっていきます。つまり「謙虚になれた」ということですが、けして「へりくだったり、相手に媚びたり」ということではありません。変わることを恐れるなと言っても「相手に影響されろ」「洗脳されろ」ってことじゃないんです。あなたの心のふるさとが変わってしまうわけではないのです。

 

彼女と出会ったことで、あなたの「心のふるさとのとらえかた」が、もしかしたら変わるかもしれません。でも、それは「恐れるべきこと」ではない。むしろ歓迎すべきことなのです。人は【心のふるさと】を持っていることで、恐れずに「相手と同じ土俵に乗りやすく」なれます。心のふるさとを「ちゃんと持ってる」人、自分が「なにを好きなのか」「なにをしたいのか」わかっている人は、それを相手に押しつけなくても、自然と伝わります。

 

二村ヒトシ『すべてはモテるためである』(文庫ぎんが堂)より

 

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