寺子屋塾

ただ坦々と手を動かすこと

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2023/07/16

7/13、14と二日間続けてこのblogで、

吉本隆明さんの本

『15歳の寺子屋 ひとり』を紹介しました。

 

戦後思想家の巨人と呼ばれた吉本さんには、

難解な本が少なくないんですが、

この本は、80歳を超えた吉本さんが

15歳の子どもたちに語った話を

まとめているということもあって

とても読みやすいですから、

未読の方はぜひ読んでみてください。

 

それで、

一昨日7/14に投稿した記事には、

吉本さんの次のような言葉がありました。

 

誰に才能があって、誰に才能がないとか、そんなことはないというのが僕の考えです。たとえば、いい文章を書くということにしても、才能によるとか、資質によるとか、あるいは感覚がどうだとか、細かく数えるといろんな要素があるわけですが、そういうことは全部、二の次だと僕は思っています。そんなのはたいした問題じゃない。大事なのはしょっちゅうそのことで手を動かしてきたか、動かしてきていないかのちがいだけです。 これは物書きに限らず、何でもそうですよ。

 

ここで吉本さんが言われているように、

寺子屋塾で主軸に置いている

らくだメソッドのプリント学習も

同じように才能とか資質とかは二の次で、

ほぼ関係無いとおもっています。

 

為末大さんの新刊書

『熟達論 人はいつまでも学び成長できる』への

為末さん自身のコメントも紹介しましたが、

寺子屋塾では、

 

身体を介した主観的体験

 

というのが、重要な学習テーマでもあるので。

 

つまり、誰からも強制されない環境のなかで、

 

自分で決めて、自分でやること

 

にチャレンジする学習ですから、

指導者であるわたしは、塾生たちに対して

「プリントをやりなさい」って言うことは

ありません。

 

それでも、在籍している塾生が学習したプリントを

半年分まとめて積み上げると、

次の写真のように6,000枚くらいになるので、

スゴイですよね〜

 

らくだメソッドの算数・数学教材は、

プリントによって

問題の量や難易度に多少の違いはあるんですが、

次の画像のように、

そのほとんどが計算問題で

特別難しい問題を解くわけではありません。

 

学習を始めたばかりの頃は、

プリントをやること自体が

新鮮な体験ということもあって

何も問題なく続けてやれているのがふつうです。

 

でも、そうした新鮮さは

いずれ失われていくものですし、

寺子屋塾の学習では、学校の宿題のように、

できなかったから、しなかったからといって

先生から叱られたりすることがないこともあり、

昨日の記事に書いたつぶやき考現学のように

できない状況が遅かれ早かれ

だれにでもやってきます。

 

大人であれば、小中学生のときに

誰もが学習したものなので、

1枚やるのに5〜15分、

答え合わせやふり返りを入れても

30分ほどあれば終わらせられるものですし、

1日24時間は

誰にでも平等に与えられていますから、

その1日のなかで1枚のプリントが

できない理由はないんですが。

 

こんなふうに、1日1枚やると自分で決めて

プリントを持ち帰っても

自分の決めたようには

できない状況がやってきます。

 

でもそれは、至って順調なプロセスを

たどっているからであって、

できないことがダメだと

言いたいわけではありません。

 

「できないときがチャンス!」って

いつも教室では口癖のように言っているんですが、

セルフラーニングスタイルの学習では、

こんなふうにできない壁に突き当たってからが

いよいよ本番というか、

佳境にさしかかかったといえるので。

 

つまり、こういうときに、

自分を責めたり、状況のせいにしたりせずに

できない自分を

そのまま受け入れられるかどうか、

できない自分に

折り合いをつけていくプロセスはとても重要で、

できなくなったときにしかできない

体験学習だからです。

 

以前こんな詞を書きました。

 

「考える力」の習得には考えず〝ただやる〟鍛錬を(つぶやき考現学 No.13)

 

また、「考える」と「悩む」を混同しない

という記事にも書きましたが、

大抵の場合、「考える」と言っているのが

本来のイミでの「考える」でなく、

身体の動きを邪魔し、できなくさせているのは、

大脳が過剰にはたらきすぎている場合が

ほとんどと言ってよいでしょう。

 

AIが得意な問題解決の分野は

AIに任せていけばよいわけですし、

情報に溢れ、刺激に満ちているいまの時代、

考えなくてもいいことを

考えないようにすることとか、

大脳が過剰にはたらいて暴走しないように

抑制の利く状態を保って、

身体の動きを中心に活動していく環境づくりは

人間にとっての重要課題に

なってくるんじゃないでしょうか。

 

【関連記事】

まず、ひとつのことから

 

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