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甲野善紀 x 方条遼雨『身体は考える 創造性を育む松聲館スタイル』

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甲野善紀 x 方条遼雨『身体は考える 創造性を育む松聲館スタイル』

甲野善紀 x 方条遼雨『身体は考える 創造性を育む松聲館スタイル』

2023/07/23

今日は新刊書の紹介を。

 

毎年、年末にその年に読んだ本の

ベストセレクトを投稿していて、

2022年は24冊を選定したんですが、

そのトップに輝いた1冊は、

甲野善紀 x 方条遼雨『上達論 基本を基本から考える』でした。

 

この本のことは

2/11に投稿した記事でも紹介したんですが、

どんな学習においても必ず突き当たる問い

「そもそも『上達する』とはどういうことか?」に、

真正面に応えようとしている希有な1冊。

※アマゾンの試し読みで72頁まで読めます。

 

とくに、らくだメソッドの学習と親和性がとても高く

突き当たる壁や表面化する課題など、

言語化しにくいような概念が

とてもきめ細かく、

しかもわかりやすく表現されていて、

今年になってからもずっと

教室と自宅の行き帰りに使っている

カバンの中に忍ばせ毎日精読しています。

 

その本の続編にあたる本が出るということなら、

買わない選択肢はもちろんありません!

 

発売日7/20に早速手に入れ読み始めたものの、

まだ3日しか経っていないので、

さすがに全部は読めておらず、

読めた箇所は全体の1/3ほどぐらいなんですが、

前著同様、書かれていることすべてに

線を引きたくなるくらい驚愕の濃密さでした。

 

以下は、本書のはじめにの次からの引用です。

 

(引用ここから)

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落ち込みと反省

 

たとえば人は何かを反省する時、ほとんどの場合「落ち込む」という感情を介在させます。

なので、何か問題や欠点が現れた時は、心に傷を負いながらもその感情と向かい合います。

一方、反省に伴う心のダメージを恐れるあまり、「現実逃避的な自己肯定」に走ってしまう人もいます。

大抵は、このどちらかになってしまうのです。

 

世には「ポジティブシンキング」という考え方があります。

たとえば「自分はすごい」「自分はできる」「夢はかなう」などと連呼し、自らを鼓舞する類のものです。

確かにこれらは一見人を元気にし、前向きな姿勢に映るかも知れません。

しかしこの思考回路には、決定的な弱点があります。

それは、「正確な自己への検証が欠落している」点です。

 

本来この世界には、「ポジティブ」も「ネガティブ」もありません。

ただ「事実」があるだけなのです。

自分に都合の良いことも悪いことも、等しく存在しています。

なので、意図的に視野を狭めプラス面だけに目を向けようとしても、事実は残酷なほど着実に進行します。

例えるならば、「原発安全神話」のようなものです。

「原発は安全」とどんなに思い込もうとしても、装置というものは壊れるものですし、過大な負荷が掛かれば破損します。

破損すれば、放射能は漏れ出るのです。あれだけ危険な物質を取り扱っておきながら、歴史上何度も事故が起きてしまっている事実にそれは現れています。

 

現実逃避的なポジティブシンキングというものは、個人の中にこの構造を抱え込む事になります。

いわば精神的なドーピングのようなもので、一定期間うまく行くほどに、利息付きで必ずつけを払う日が来るのです。

では、むやみに反省すれば良いかというと、落ち込んだ時ほど人の心はその重みに耐えきれず、しばらく立ち止まってしまいます。

精神力が強い人はその中でも前進する事ができますが、歩みは確実に遅くなります。

では、どうすれば良いか。

 

抱き合わせ

「落ち込まずに反省する」

これが私の考える、あらゆる上達進展を向上させる思考回路です。

ほとんどの場合「抱き合わせ販売」となってしまっている、「反省」と「落ち込み」を分断する。

軽やかに、しかし残酷なほど正確に自分の欠点・問題点を観察し、どんどん修正し前進する。

これができてくると、あらゆる取り組みの成長速度が高まります。

 

「そんな事を言っても、落ち込んでしまうじゃないか」と思う人もいるでしょう。

だから、「練習する」のです。

まずは、手を着けやすい軽度の問題点やトラブルから、「落ち込まずに反省する」練習をやってみましょう。

少しづつでもやっているうちに、私の経験上「落ち込んでも意味がないんだな」と身体レベルで納得し、むしろこちらの方が「当たり前」になる日が来ます。

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(引用ここまで)

 

ナルホド!ほとんどの場合「抱き合わせ販売」と

なってしまっている

「反省」と「落ち込み」を

分断する練習をすればいいって、

と〜っても分かりやすい表現ですね。

 

寺子屋塾では、

良し悪しの評価と反省を切り離すために、

「反省」という言葉を極力用いず

「ふりかえり」と表現するように

心がけているんですが、

ほぼ同じ主旨と受けとめて頂いて構いません。

 

わたしも以前はよく落ち込んで

気分の浮き沈みが大きい人間だったんですが、

いまでは人から直接ひどい怒号を浴びせられても

自分でビックリするくらい

落ち込まなくなってしまったので、

別の人間に生まれ変わってしまったようだと

感じるくらいです。

 

たぶん、この練習をいかに日常化し

継続的に行えるしくみを

実生活の中で構築しているかどうかかが

ポイントなんじゃないかと

おもっているんですが、

この方条さんの本の記述内容が

らくだメソッドの学習内容と

どうつながっているかという具体的な話は、

次の関連記事内にありますので、

未読の方はぜひご覧ください。

 

【関連記事】

自分の器を拡げるためにできること(その6)

自分の器を拡げるためにできること(その7)

「ふりかえり」と「反省」は似て非なること(つぶやき考現学 No.75)

 

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